66 / 106
ドルーススの森 VSマグダレーナ
しおりを挟む
元魔王軍最強の戦士。
剣の腕なら魔王に次ぐ実力だと言う。
若き日の爺ちゃんと本気で戦った本物の戦士だ。
「行きます!」
俺は《地走り》を放った。
マグダレーナさんに向かって地面を抉りながら衝撃波が襲う。
俺はそのあとに追走してしている。
「【剣聖】のスキルかい。だったらっ!」
マグダレーナさんは魔剣オルガを振り下ろして、《地走り》の衝撃を完全に殺していた。
だが、俺は剣を振り抜く体勢に入っている。
これは躱せない。
「あたしを舐めてんねぇ!」
「なっ!?」
俺の腹にマグダレーナさんの拳が飛んできた。
まともに食らって俺は背後の木をなぎ倒しながら吹っ飛んだ。
「シスンー!」
「主様……!」
「あ、あわわ……!」
口から血が零れる。
「……がはっ!」
まさか、素手で迎え撃つなんてな……。
しかし、なんて威力だ。
普通の冒険者なら全身の骨がバラバラになって即死だったろう。
元四天王は伊達じゃないってか……!
「立ちな、シスン。爺さんと戦った時みたいに力を解放しな」
確かに甘く見ていた。
もう何年もマグダレーナさんの本気なんてみていない。
読み違えたか……。
普段の状態で戦っていたら命がいくつあっても足りないな。
「わかりました。行きます」
俺は二つ目の鍵を開けて、抑えていた力の一部を開放した。
同時に《ヒール》で全身の傷を癒やしておく。
「ふん。かかってきな」
「はああああああああああっ!」
戦いながら考える。
さっきマグダレーナさんは、戦いに重要なのは持てる力をどう使うかだと教えてくれた。
俺は左手から《ストーンフォール》を放ちけん制する。
「小手先だけの魔法だねぇ! 中級程度の魔法じゃ魔王はおろか四天王にさえ全く効かないよ!」
マグダレーナさんは魔剣オルガで迫り来る岩を叩き斬った。
「効くとは思ってません! でも、これなら!」
俺が振り下ろした剣を、マグダレーナさんは避けなかった。
それどころか、その場で足を踏ん張って額で迎え撃った。
「なっ……!?」
このままではマグダレーナさんに大怪我させてしまう。
瞬時に危険だと感じた俺は剣を止めようとするが、勢いを僅かに鈍らせることしかできない。
駄目だっ!
当たる!
俺の剣とマグダレーナさんの額が触れた瞬間、互いに吹っ飛んだ。
俺は体勢を立て直し、マグダレーナさんが無事か顔を上げた。
果たして、そこには今立ち上がったばかりのマグダレーナさんが俺目がけて突進してきた。
「む、無傷……!?」
確かに多少減速したとはいえ、俺の剣はマグダレーナさんの額に当たったはずだ。
単純に威力だけなら、ドラゴンにさえ致命傷を与える一撃だ。
なのに、何故!?
瞬く間に俺の眼前にはマグダレーナさんが迫っていた。
気づいたときには、下腹部に強烈な一撃をもらっていた。
剣の腹で思いっきり打たれたのだ。
「くっ……はっ! はっ……!」
衝撃と痛みで呼吸が止まりそうになる。
マグダレーナさんが剣の柄で俺の顔面を殴った。
「うっ……!」
たまらず俺は三歩下がった。
マグダレーナはその場から動かなかった。
殴られると同時に俺はマグダレーナさんの腹を蹴り、後方に跳んでダメージを半減させたのだ。
並のモンスターなら絶命する蹴りだ。
いかにマグダレーナさんといえど、追撃はできないはずだ。
「いい蹴りだ。爺さんやあたしの教えたのとも違う。これはアーシェが得意なデタラメな動きだね」
アーシェはその生まれ持った身体能力の高さから、型にはまらない極めて自由な動きを得意としていた。
爺ちゃんやマグダレーナさんは矯正しようとしていたが、型どおりにするとアーシェは弱くなってしまうのだ。
本人曰く、動きにくいし、変な感じがするのだそうだ。
結局、アーシェは体術においては我流を貫き通して今に至る。
そのアーシェと一緒に修行しているうちに、俺にもその一部がうつっていたらしい。
「これを見な」
マグダレーナさんが不意に真っ赤な髪をかき上げて、額を見せてくれる。
「あ……」
その額にはたんこぶのような突起があった。
「これはお前の爺さんに折られた角があったところだ。まだ根っこの部分は残ってるから、この部分だけは硬いのさ」
そうか……!
さっき俺の剣を受けたのは額の角の部分だったのか!
それは硬いだろう。
なんせ、その角を折ったのは爺ちゃんの《星河剣聖》だ。
そのレベルの威力でないと効かないんだろう。
なるほどな……だけど額で受けるなんて、僅かでもズレたら致命傷だぞ……!
「シスン、まだ足りないねぇ。死にたくなかったら出し惜しみするんじゃないよ。次は大技を出すからね」
俺に三つ目の鍵を開けろって?
マグダレーナさん……本気か?
俺は地面に手をついて立ち上がった。
「あの力を出したらもう加減はできませんよ?」
「構わないよ。いいからさっさとしな」
「……わかりました」
俺は一気に三つ目の鍵まで開けた。
前のドラゴンブレードは耐えられなかったが、今のこれなら十分な強度がある。
大丈夫なはずだ。
それゆえ、爺ちゃんと戦った時以上の威力が出るはずだ。
確かにマグダレーナさんは強い。
だけど、その威力に耐えられるのか……?
「シスン、余計なことを考えるんじゃないよ。今からあたしは最大の技を放つ。見事受けきってみな」
「最大の技……?」
「お前の爺さんでも破れなかった技だ。当時の【剣聖】をあそこまで追い詰めたのは、魔王以外ではあたしだけだろうね」
最大の技……爺ちゃんを追い詰めた技か。
そこまで言われちゃ、受けきってやる。
「受けきって見せますよ」
「よし、行くよ!」
俺は《剣閃結界》を展開する。
【剣聖】の絶対防御。
爺ちゃんが言うには耐えきれる衝撃に限界はあるらしいが、その限界を知る上でもいい機会だ。
マグダレーナさんが魔剣オルガを大上段に構えた。
隙がない。
今あの間合いに入るのは自殺行為だろう。
俺は技を受けるのに集中する。
マグダレーナさんが動いた。
一気に間合いを詰めてくる。
剣はまだ振り上げたままだ、そして――――
「《餓狼獣王剣》ッ!」
視界に八つの剣撃が入った瞬間、俺の全身が激しく震えた。
ビリビリと痺れるように響くように、俺の体中の骨が軋んでいるのがわかる。
俺のスキル《乱れ斬り》にも似たような技だが、あれは八回連続で斬りつけるものだ。
しかし、この《餓狼獣王剣》は八つの剣撃がほぼ同時に見えた。
今の俺がだ。
つまり《乱れ斬り》より早い!
「しかも……! これほどの威力かっ!」
《剣閃結界》が解けた。
その防御を上回ったのだ。
「うおおおおおおおおおおおおっ!」
《剣閃結界》で軽減したにも関わらずこの威力……!
だが、俺は三歩後ろに下がったが受けきった。
ドラゴンブレードも無事だ。
額が浅く切れて血が滴り、それが左目に入った。
「くっ、目が……! …………!?」
ふと前を見ると、マグダレーナさんはなおも追撃を繰り出そうとしている。
素早い突きだ。
《剣閃結界》が解けた俺の体を貫こうとしている!
若い頃の爺ちゃんには負けたかも知れない。
だが、爺ちゃんより年齢的な衰えが緩やかだったからか、マグダレーナさんは今の爺ちゃんより確実に強い!
それを体が感じたとき、何だかとてもワクワクした。
直後、俺のうちから更なる力が湧き出たような気がした。
「はあああああああああああっ!」
俺は《疾風剣》で魔剣オルガを撥ね上げた!
――――勝負あり。
まるで時間が止まったかのように、誰もがその光景を見て固まっている。
魔剣オルガが宙を舞い、やがて地面に突き刺さった。
それを見て、マグダレーナさんは額の汗を拭った。
「ふぅ……あたしの負けだ、シスン。爺さんと孫、二代に渡って完全に敗北だよ」
マグダレーナさんは魔剣オルガを手に取ると、満足したように笑いながら鞘に収めた。
アーシェ達が俺に駆け寄ってくる。
ティアがすぐさま治癒魔法をかけてくれる。
《ヒール》よりも効果の高い上級魔法の《エクスヒール》だった。
全身の痛みが一気に引く。
俺はティアに礼を言うと、マグダレーナさんに歩み寄る。
「シスン。あたしの剣術は魔族に伝わる伝統あるものだ。魔王もこの剣術を使う。もちろん、《餓狼獣王剣》も使う。今みたいに予告して使ってくるとは思わないことだ」
「……もしかして、俺が魔王と戦うことを想定して技を見せてくれたんですか?」
「はっ。勘違いするんじゃないよ。あたしはかわいい孫の夫に相応しい男か見極める為に戦っただけだよ」
マグダレーナさんは俺の頭に手を置いて、髪をくしゃっと乱雑に撫でてきた。
俺はそれが照れ隠しのように思えた。
「さて、それじゃあ。気をつけて行ってきな」
「わかりました。ここまでの案内ありがとうございます」
俺はマグダレーナさんに頭を下げる。
マグダレーナさんは俺の肩を叩いた。
「アーシェ、バジルに宜しく言っといておくれよ」
「うん、お婆ちゃん! じゃあ、行ってくるね!」
こうして、俺はドルーススの森にある転移門から、辺境近くの荒野へと向かったのだった。
剣の腕なら魔王に次ぐ実力だと言う。
若き日の爺ちゃんと本気で戦った本物の戦士だ。
「行きます!」
俺は《地走り》を放った。
マグダレーナさんに向かって地面を抉りながら衝撃波が襲う。
俺はそのあとに追走してしている。
「【剣聖】のスキルかい。だったらっ!」
マグダレーナさんは魔剣オルガを振り下ろして、《地走り》の衝撃を完全に殺していた。
だが、俺は剣を振り抜く体勢に入っている。
これは躱せない。
「あたしを舐めてんねぇ!」
「なっ!?」
俺の腹にマグダレーナさんの拳が飛んできた。
まともに食らって俺は背後の木をなぎ倒しながら吹っ飛んだ。
「シスンー!」
「主様……!」
「あ、あわわ……!」
口から血が零れる。
「……がはっ!」
まさか、素手で迎え撃つなんてな……。
しかし、なんて威力だ。
普通の冒険者なら全身の骨がバラバラになって即死だったろう。
元四天王は伊達じゃないってか……!
「立ちな、シスン。爺さんと戦った時みたいに力を解放しな」
確かに甘く見ていた。
もう何年もマグダレーナさんの本気なんてみていない。
読み違えたか……。
普段の状態で戦っていたら命がいくつあっても足りないな。
「わかりました。行きます」
俺は二つ目の鍵を開けて、抑えていた力の一部を開放した。
同時に《ヒール》で全身の傷を癒やしておく。
「ふん。かかってきな」
「はああああああああああっ!」
戦いながら考える。
さっきマグダレーナさんは、戦いに重要なのは持てる力をどう使うかだと教えてくれた。
俺は左手から《ストーンフォール》を放ちけん制する。
「小手先だけの魔法だねぇ! 中級程度の魔法じゃ魔王はおろか四天王にさえ全く効かないよ!」
マグダレーナさんは魔剣オルガで迫り来る岩を叩き斬った。
「効くとは思ってません! でも、これなら!」
俺が振り下ろした剣を、マグダレーナさんは避けなかった。
それどころか、その場で足を踏ん張って額で迎え撃った。
「なっ……!?」
このままではマグダレーナさんに大怪我させてしまう。
瞬時に危険だと感じた俺は剣を止めようとするが、勢いを僅かに鈍らせることしかできない。
駄目だっ!
当たる!
俺の剣とマグダレーナさんの額が触れた瞬間、互いに吹っ飛んだ。
俺は体勢を立て直し、マグダレーナさんが無事か顔を上げた。
果たして、そこには今立ち上がったばかりのマグダレーナさんが俺目がけて突進してきた。
「む、無傷……!?」
確かに多少減速したとはいえ、俺の剣はマグダレーナさんの額に当たったはずだ。
単純に威力だけなら、ドラゴンにさえ致命傷を与える一撃だ。
なのに、何故!?
瞬く間に俺の眼前にはマグダレーナさんが迫っていた。
気づいたときには、下腹部に強烈な一撃をもらっていた。
剣の腹で思いっきり打たれたのだ。
「くっ……はっ! はっ……!」
衝撃と痛みで呼吸が止まりそうになる。
マグダレーナさんが剣の柄で俺の顔面を殴った。
「うっ……!」
たまらず俺は三歩下がった。
マグダレーナはその場から動かなかった。
殴られると同時に俺はマグダレーナさんの腹を蹴り、後方に跳んでダメージを半減させたのだ。
並のモンスターなら絶命する蹴りだ。
いかにマグダレーナさんといえど、追撃はできないはずだ。
「いい蹴りだ。爺さんやあたしの教えたのとも違う。これはアーシェが得意なデタラメな動きだね」
アーシェはその生まれ持った身体能力の高さから、型にはまらない極めて自由な動きを得意としていた。
爺ちゃんやマグダレーナさんは矯正しようとしていたが、型どおりにするとアーシェは弱くなってしまうのだ。
本人曰く、動きにくいし、変な感じがするのだそうだ。
結局、アーシェは体術においては我流を貫き通して今に至る。
そのアーシェと一緒に修行しているうちに、俺にもその一部がうつっていたらしい。
「これを見な」
マグダレーナさんが不意に真っ赤な髪をかき上げて、額を見せてくれる。
「あ……」
その額にはたんこぶのような突起があった。
「これはお前の爺さんに折られた角があったところだ。まだ根っこの部分は残ってるから、この部分だけは硬いのさ」
そうか……!
さっき俺の剣を受けたのは額の角の部分だったのか!
それは硬いだろう。
なんせ、その角を折ったのは爺ちゃんの《星河剣聖》だ。
そのレベルの威力でないと効かないんだろう。
なるほどな……だけど額で受けるなんて、僅かでもズレたら致命傷だぞ……!
「シスン、まだ足りないねぇ。死にたくなかったら出し惜しみするんじゃないよ。次は大技を出すからね」
俺に三つ目の鍵を開けろって?
マグダレーナさん……本気か?
俺は地面に手をついて立ち上がった。
「あの力を出したらもう加減はできませんよ?」
「構わないよ。いいからさっさとしな」
「……わかりました」
俺は一気に三つ目の鍵まで開けた。
前のドラゴンブレードは耐えられなかったが、今のこれなら十分な強度がある。
大丈夫なはずだ。
それゆえ、爺ちゃんと戦った時以上の威力が出るはずだ。
確かにマグダレーナさんは強い。
だけど、その威力に耐えられるのか……?
「シスン、余計なことを考えるんじゃないよ。今からあたしは最大の技を放つ。見事受けきってみな」
「最大の技……?」
「お前の爺さんでも破れなかった技だ。当時の【剣聖】をあそこまで追い詰めたのは、魔王以外ではあたしだけだろうね」
最大の技……爺ちゃんを追い詰めた技か。
そこまで言われちゃ、受けきってやる。
「受けきって見せますよ」
「よし、行くよ!」
俺は《剣閃結界》を展開する。
【剣聖】の絶対防御。
爺ちゃんが言うには耐えきれる衝撃に限界はあるらしいが、その限界を知る上でもいい機会だ。
マグダレーナさんが魔剣オルガを大上段に構えた。
隙がない。
今あの間合いに入るのは自殺行為だろう。
俺は技を受けるのに集中する。
マグダレーナさんが動いた。
一気に間合いを詰めてくる。
剣はまだ振り上げたままだ、そして――――
「《餓狼獣王剣》ッ!」
視界に八つの剣撃が入った瞬間、俺の全身が激しく震えた。
ビリビリと痺れるように響くように、俺の体中の骨が軋んでいるのがわかる。
俺のスキル《乱れ斬り》にも似たような技だが、あれは八回連続で斬りつけるものだ。
しかし、この《餓狼獣王剣》は八つの剣撃がほぼ同時に見えた。
今の俺がだ。
つまり《乱れ斬り》より早い!
「しかも……! これほどの威力かっ!」
《剣閃結界》が解けた。
その防御を上回ったのだ。
「うおおおおおおおおおおおおっ!」
《剣閃結界》で軽減したにも関わらずこの威力……!
だが、俺は三歩後ろに下がったが受けきった。
ドラゴンブレードも無事だ。
額が浅く切れて血が滴り、それが左目に入った。
「くっ、目が……! …………!?」
ふと前を見ると、マグダレーナさんはなおも追撃を繰り出そうとしている。
素早い突きだ。
《剣閃結界》が解けた俺の体を貫こうとしている!
若い頃の爺ちゃんには負けたかも知れない。
だが、爺ちゃんより年齢的な衰えが緩やかだったからか、マグダレーナさんは今の爺ちゃんより確実に強い!
それを体が感じたとき、何だかとてもワクワクした。
直後、俺のうちから更なる力が湧き出たような気がした。
「はあああああああああああっ!」
俺は《疾風剣》で魔剣オルガを撥ね上げた!
――――勝負あり。
まるで時間が止まったかのように、誰もがその光景を見て固まっている。
魔剣オルガが宙を舞い、やがて地面に突き刺さった。
それを見て、マグダレーナさんは額の汗を拭った。
「ふぅ……あたしの負けだ、シスン。爺さんと孫、二代に渡って完全に敗北だよ」
マグダレーナさんは魔剣オルガを手に取ると、満足したように笑いながら鞘に収めた。
アーシェ達が俺に駆け寄ってくる。
ティアがすぐさま治癒魔法をかけてくれる。
《ヒール》よりも効果の高い上級魔法の《エクスヒール》だった。
全身の痛みが一気に引く。
俺はティアに礼を言うと、マグダレーナさんに歩み寄る。
「シスン。あたしの剣術は魔族に伝わる伝統あるものだ。魔王もこの剣術を使う。もちろん、《餓狼獣王剣》も使う。今みたいに予告して使ってくるとは思わないことだ」
「……もしかして、俺が魔王と戦うことを想定して技を見せてくれたんですか?」
「はっ。勘違いするんじゃないよ。あたしはかわいい孫の夫に相応しい男か見極める為に戦っただけだよ」
マグダレーナさんは俺の頭に手を置いて、髪をくしゃっと乱雑に撫でてきた。
俺はそれが照れ隠しのように思えた。
「さて、それじゃあ。気をつけて行ってきな」
「わかりました。ここまでの案内ありがとうございます」
俺はマグダレーナさんに頭を下げる。
マグダレーナさんは俺の肩を叩いた。
「アーシェ、バジルに宜しく言っといておくれよ」
「うん、お婆ちゃん! じゃあ、行ってくるね!」
こうして、俺はドルーススの森にある転移門から、辺境近くの荒野へと向かったのだった。
0
お気に入りに追加
1,515
あなたにおすすめの小説
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる