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契約者たちの戦い方
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「ほう。ディライトの若造が、よくやるものだ。
負けてられんな。
次は貴様らの番の様だ。」
サイラス・ブランチ辺境伯は仲間達の敗北に唖然としている敵を見据えて笑みを浮かべた。
「クッ。」
人数で押しかけたつもりが、自分達が罠にかかったと初めて気がついたのだ。
フロドゥール国王一行に紛れ、ロンサンティエ帝国の宮殿まで来れたのは上々だった。
いくら知恵を絞っても龍に近づく事は難しかった。
歴戦の同志達が何度も“龍王島”に渡ろうとして阻まれてきた。
それを思えば、ロンサンティエ帝国での一騒ぎなど軽いものだ。
当然、護衛がいる事も予想していた。
案の定、騎士や侍女に使用人が客人達に目を光らせていた。
しかし、魔法を扱える自分達には感づかれない事など容易な事だった。
眠らせたり、気絶させたり、幻覚の世界へ誘ったりと危なげなく離宮までやってきた。
目的はロンサンティエ帝国の皇帝の首根っこを掴む事。
暗殺など、とんでもない。
国の中枢は利用して事こそ力を発揮する。
龍に従い、龍の力のお零れで満足している者達を操ってやるのだ。
・・・しかし、この状況は想像していなかった。
目の前のいるのは卓越した熟練の騎士だった。
いや、武人と言った方が良いだろう。
敵を見据え、手に取った剣を薙ぎ払う仕草1つでも強者である事が分かる。
「ロンサンティエ帝国の中でも剣の名手であると見受けられる。
我らは人類には仇なさぬ者。
無用な争いは控えられよ。」
男の1人が、そう言うとサイラス・ブランチの片眉が上がった。
「人類に仇をなさぬ・・・?
今の貴様達の行動の何処に、その言い分を信じるに値するのだ?」
心底理解し難いとばかりに口元を歪めるサイラス・ブランチに男達は警戒心を強めている。
「龍の恩恵を否定しながらも、龍の力を欲する卑しい考えを人類の誰が口にしようとも、我らブランチだけは賛同しかねる。
例え、国や人類の全てを敵に回したとしてもな。」
サイラス・ブランチがもう一度、薙ぎ払った剣はビリビリと電流が走らせ、異様なまでに危険を感じた。
彼の方にはジッと侵入者を見据える1匹の亀が首を持ち上げていた。
「私が契約したシトリンは雷魔法を扱う亀だ。
この出会いも全て“龍王”様と姫様のおかげ・・・。
いつの時代もブランチが忠誠を誓うは龍と龍の姫巫女のみ。
人の理で龍を危険に晒す輩を許す事はない。」
振りかぶった剣から発せられた雷が敵の1人の体を貫いた。
「グハァッ!」
唾を吐きながら崩れ落ちる仲間を気にかけてやる余裕すらない。
残った2人は瞬時に互いから離れサイラス・ブランチに攻撃を開始した。
1人が火球を飛ばせば、もう1人が懐から何やら袋を取り出した。
「クソッ!
母妃に使おうとしていた秘薬だが、出し惜しみもしていられん!!
くらえっ!」
そう言って、袋から取り出した薬玉をサイラス・ブランチの方へ投げつけた。
モクモクと煙が立ち上がると、男はニヤリとした。
「麻痺薬を散布する我らの秘薬だ。
次第に手の先から全身に至るまで動かなくなるだろうさ。」
土壁で覆われた一帯が麻痺薬の煙に覆われていく。
負けてられんな。
次は貴様らの番の様だ。」
サイラス・ブランチ辺境伯は仲間達の敗北に唖然としている敵を見据えて笑みを浮かべた。
「クッ。」
人数で押しかけたつもりが、自分達が罠にかかったと初めて気がついたのだ。
フロドゥール国王一行に紛れ、ロンサンティエ帝国の宮殿まで来れたのは上々だった。
いくら知恵を絞っても龍に近づく事は難しかった。
歴戦の同志達が何度も“龍王島”に渡ろうとして阻まれてきた。
それを思えば、ロンサンティエ帝国での一騒ぎなど軽いものだ。
当然、護衛がいる事も予想していた。
案の定、騎士や侍女に使用人が客人達に目を光らせていた。
しかし、魔法を扱える自分達には感づかれない事など容易な事だった。
眠らせたり、気絶させたり、幻覚の世界へ誘ったりと危なげなく離宮までやってきた。
目的はロンサンティエ帝国の皇帝の首根っこを掴む事。
暗殺など、とんでもない。
国の中枢は利用して事こそ力を発揮する。
龍に従い、龍の力のお零れで満足している者達を操ってやるのだ。
・・・しかし、この状況は想像していなかった。
目の前のいるのは卓越した熟練の騎士だった。
いや、武人と言った方が良いだろう。
敵を見据え、手に取った剣を薙ぎ払う仕草1つでも強者である事が分かる。
「ロンサンティエ帝国の中でも剣の名手であると見受けられる。
我らは人類には仇なさぬ者。
無用な争いは控えられよ。」
男の1人が、そう言うとサイラス・ブランチの片眉が上がった。
「人類に仇をなさぬ・・・?
今の貴様達の行動の何処に、その言い分を信じるに値するのだ?」
心底理解し難いとばかりに口元を歪めるサイラス・ブランチに男達は警戒心を強めている。
「龍の恩恵を否定しながらも、龍の力を欲する卑しい考えを人類の誰が口にしようとも、我らブランチだけは賛同しかねる。
例え、国や人類の全てを敵に回したとしてもな。」
サイラス・ブランチがもう一度、薙ぎ払った剣はビリビリと電流が走らせ、異様なまでに危険を感じた。
彼の方にはジッと侵入者を見据える1匹の亀が首を持ち上げていた。
「私が契約したシトリンは雷魔法を扱う亀だ。
この出会いも全て“龍王”様と姫様のおかげ・・・。
いつの時代もブランチが忠誠を誓うは龍と龍の姫巫女のみ。
人の理で龍を危険に晒す輩を許す事はない。」
振りかぶった剣から発せられた雷が敵の1人の体を貫いた。
「グハァッ!」
唾を吐きながら崩れ落ちる仲間を気にかけてやる余裕すらない。
残った2人は瞬時に互いから離れサイラス・ブランチに攻撃を開始した。
1人が火球を飛ばせば、もう1人が懐から何やら袋を取り出した。
「クソッ!
母妃に使おうとしていた秘薬だが、出し惜しみもしていられん!!
くらえっ!」
そう言って、袋から取り出した薬玉をサイラス・ブランチの方へ投げつけた。
モクモクと煙が立ち上がると、男はニヤリとした。
「麻痺薬を散布する我らの秘薬だ。
次第に手の先から全身に至るまで動かなくなるだろうさ。」
土壁で覆われた一帯が麻痺薬の煙に覆われていく。
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