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契約者たちの戦い方
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「やっちまえっ!!」
口汚い罵りを発しなら走り込んでくる侵入者達。
手には刀だけでなく、それぞれ魔法を纏わせている。
「おっと。そうはさせない。」
リチャード・ディライトが地面に手を当てると、地面から飛び出してきた手が侵入者達の足を捕まえる。
勢いよく走っていた敵は前のめりに倒れて行った。
苦悶の表情を浮かべる侵入者達を見ては3匹のリスがケラケラと笑っていた。
「このまま拘束する。
キャメル、コルク、ナッツ。
力を貸してくれ。」
リチャード・ディライトが再び魔力を放出させると、3人の男が土の牢に簡単に捕まってしまった。
「クソっ!」
ガンガンと牢を叩く男達にリチャード・ディライトはニヤリとした。
「殴ってもダメだよ。
その檻は既に硬化させているから、人の力では破壊は出来ない。
土魔法は、土壌開発とかに重宝されるけど、うちのお転婆リス達の力はそんなもんじゃない。
こんなのはどう?」
リチャード・ディライトが不適な笑みを浮かべたかと思えば、囚われた男達の足元がドロドロと溶けていく。
「何だこれは・・・。」
「くそっ!やめろっ!」
「まるで、底抜け沼のような・・・あぁ、抜け出せない。」
「大人しくしている事を薦めるよ。
暴れると、何処まで沈んでしまうのか、俺にすら分からない。」
リチャード・ディライトの言葉で侵入者達はピタリと止まった。
コツン コツン コツン
「痛っ!」
出来る限り動かずにいたい男達の顔に無情にも小石が投げつけられていた。
鼻に走った痛みと闘い何が起こっているかと見てみれば、それは、小さなリスが自分達を的に小石投げで遊んでいる姿だった。
「でも、大人しくしているのが苦手なんだ。
うちのリス達は・・・悪いな。」
主人であるはずのリチャード・ディライトでさえ、捕まった侵入者に同情を禁じ得ない顔でペコリと頭を下げた。
「ふっ!
強気でいられるのも今の内だ!
お前が取り残した仲間が、此処一帯を火の海にしてくれるわ!」
そう叫ぶ男にリチャード・ディライトは顔を歪めた。
《えっ・・・ダサッ。
負け犬のお決まりの台詞を生で聞いちゃったよ。
恥ずかしくて鳥肌立ってきた。》
「龍が神の如く君臨している世界が間違っているのだ!
アレは、ただの獣だ!
世界は既に人の力で回っている。
龍の力を利用する事こそが正義っ!
それも分からぬ愚か者が勝った気でいるなよ!
うぐぐぐぐ・・・。」
罵る男の1人が一瞬にしてうめき出した。
リスのナッツが男の鼻を無理やり持ち上げ、開いた口にキャメルとコルクが次々と小石を詰めているのだ。
リチャード・ディライトはガンッと檻を蹴った。
「その龍の力を欲するお前達は何だ?
獣以下の弱者だと自己紹介してくれたのか?
奪うばかりで与えぬ者が!
自分の世界に一生囚われたまま、寂しく消えていけ。」
それから何が起こったのか分からない。
男達の視界は奪われ静寂の中に姿を消していった。
口汚い罵りを発しなら走り込んでくる侵入者達。
手には刀だけでなく、それぞれ魔法を纏わせている。
「おっと。そうはさせない。」
リチャード・ディライトが地面に手を当てると、地面から飛び出してきた手が侵入者達の足を捕まえる。
勢いよく走っていた敵は前のめりに倒れて行った。
苦悶の表情を浮かべる侵入者達を見ては3匹のリスがケラケラと笑っていた。
「このまま拘束する。
キャメル、コルク、ナッツ。
力を貸してくれ。」
リチャード・ディライトが再び魔力を放出させると、3人の男が土の牢に簡単に捕まってしまった。
「クソっ!」
ガンガンと牢を叩く男達にリチャード・ディライトはニヤリとした。
「殴ってもダメだよ。
その檻は既に硬化させているから、人の力では破壊は出来ない。
土魔法は、土壌開発とかに重宝されるけど、うちのお転婆リス達の力はそんなもんじゃない。
こんなのはどう?」
リチャード・ディライトが不適な笑みを浮かべたかと思えば、囚われた男達の足元がドロドロと溶けていく。
「何だこれは・・・。」
「くそっ!やめろっ!」
「まるで、底抜け沼のような・・・あぁ、抜け出せない。」
「大人しくしている事を薦めるよ。
暴れると、何処まで沈んでしまうのか、俺にすら分からない。」
リチャード・ディライトの言葉で侵入者達はピタリと止まった。
コツン コツン コツン
「痛っ!」
出来る限り動かずにいたい男達の顔に無情にも小石が投げつけられていた。
鼻に走った痛みと闘い何が起こっているかと見てみれば、それは、小さなリスが自分達を的に小石投げで遊んでいる姿だった。
「でも、大人しくしているのが苦手なんだ。
うちのリス達は・・・悪いな。」
主人であるはずのリチャード・ディライトでさえ、捕まった侵入者に同情を禁じ得ない顔でペコリと頭を下げた。
「ふっ!
強気でいられるのも今の内だ!
お前が取り残した仲間が、此処一帯を火の海にしてくれるわ!」
そう叫ぶ男にリチャード・ディライトは顔を歪めた。
《えっ・・・ダサッ。
負け犬のお決まりの台詞を生で聞いちゃったよ。
恥ずかしくて鳥肌立ってきた。》
「龍が神の如く君臨している世界が間違っているのだ!
アレは、ただの獣だ!
世界は既に人の力で回っている。
龍の力を利用する事こそが正義っ!
それも分からぬ愚か者が勝った気でいるなよ!
うぐぐぐぐ・・・。」
罵る男の1人が一瞬にしてうめき出した。
リスのナッツが男の鼻を無理やり持ち上げ、開いた口にキャメルとコルクが次々と小石を詰めているのだ。
リチャード・ディライトはガンッと檻を蹴った。
「その龍の力を欲するお前達は何だ?
獣以下の弱者だと自己紹介してくれたのか?
奪うばかりで与えぬ者が!
自分の世界に一生囚われたまま、寂しく消えていけ。」
それから何が起こったのか分からない。
男達の視界は奪われ静寂の中に姿を消していった。
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