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追憶からの
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ルマン侯爵家から送られてきた魔法師・・・本来は自分達を“ドラゴニルス”と呼ぶ宗教集団であり、龍を支配する事を長年の目的としてきた者達である。
ロンサンティエ帝国は平和ボケの中でも“ドラゴニルス”の入国を拒み続けていた。
それは龍に愛され、恩恵を受けて暮らすロンサンティエ帝国の根底とは全く違う異端な思想を危険視してきたからである。
しかし、今回それを許した。
ロンサンティエ帝国皇帝ファヴィリエ・ルカと宰相フィリックス・ガルシアが顔を顰めるのも違いなかった。
この部屋への入室が許された客人はフロドゥール国王と宰相のみ。
護衛とて小部屋で留まり、両国の騎士の多くは廊下で待機していた。
「既に“ドラゴニルス”が我らが宮殿を好きに歩き回っている可能性もあります。
龍様方を捕獲しようと画策している可能性だって・・・。」
フィリックス・ガルシアの発した不安な声にファヴィリエ・ルカと客人の2人は顔を顰めた。
「今回、魔法師は私の相談役として共に参った。
しかし、こうして会合参加しているのは私と宰相のみ・・・。
奴らにも時間が出来たという事だな。」
「今すぐにでも呼び出しましょうか?」
レイド・フロドゥールとハル・シネイの言葉にファヴィリエ・ルカとフィリックス・ガルシアが頷いた時だった。
「お待ちを・・・。」
ディミトリオ・ハクヤが止めた。
彼の目線には思案している龍の姫巫女リリィの姿があった。
リリィは何かを決めた様に、ディミトリオ・ハクヤに静かに侍り、存在を消していた若者に声を掛けた。
「クレイ。
貴方の黒猫ちゃんは、どこにお散歩中かしら?」
ロンサンティエ帝国の一同がハッとする中、クレイはニヤリと口角を上げた。
「後宮に侵入しようとしている迷子を観察しています。」
この抜け目のない若き侍従は自分の契約した影妖精を怪しげな人物を監視する為に送り込んでいた。
「クククッ」と笑うディミトリオ・ハクヤとリリィに客人達は戸惑った。
「いやいや失礼・・・ククッ。
後宮にはリリィの離宮がありましてね。
そこは彼女を愛する龍達の憩いの場となっているのですよ。
当然、人の立ち入りは制限されているのですがね、どうやら招かざる者が入り込もうとしているようです。」
龍の姿を確認しようとした輩はリリィの離宮“百合の宮”に狙いを定めたのだろう。
警備をしている騎士や侍女達を騙くらかして侵入したに違いない。
慌てるレイド・フロドゥールとハル・シネイと裏腹にディミトリオ・ハクヤの笑顔は曇らない。
「だが、その無礼者達は知らない。
龍の狩り場に紛れ込んだのは自分達であるという事を。」
そう言うと、ディミトリオ・ハクヤは雲一つない外の景色に目をやるのだった。
ロンサンティエ帝国は平和ボケの中でも“ドラゴニルス”の入国を拒み続けていた。
それは龍に愛され、恩恵を受けて暮らすロンサンティエ帝国の根底とは全く違う異端な思想を危険視してきたからである。
しかし、今回それを許した。
ロンサンティエ帝国皇帝ファヴィリエ・ルカと宰相フィリックス・ガルシアが顔を顰めるのも違いなかった。
この部屋への入室が許された客人はフロドゥール国王と宰相のみ。
護衛とて小部屋で留まり、両国の騎士の多くは廊下で待機していた。
「既に“ドラゴニルス”が我らが宮殿を好きに歩き回っている可能性もあります。
龍様方を捕獲しようと画策している可能性だって・・・。」
フィリックス・ガルシアの発した不安な声にファヴィリエ・ルカと客人の2人は顔を顰めた。
「今回、魔法師は私の相談役として共に参った。
しかし、こうして会合参加しているのは私と宰相のみ・・・。
奴らにも時間が出来たという事だな。」
「今すぐにでも呼び出しましょうか?」
レイド・フロドゥールとハル・シネイの言葉にファヴィリエ・ルカとフィリックス・ガルシアが頷いた時だった。
「お待ちを・・・。」
ディミトリオ・ハクヤが止めた。
彼の目線には思案している龍の姫巫女リリィの姿があった。
リリィは何かを決めた様に、ディミトリオ・ハクヤに静かに侍り、存在を消していた若者に声を掛けた。
「クレイ。
貴方の黒猫ちゃんは、どこにお散歩中かしら?」
ロンサンティエ帝国の一同がハッとする中、クレイはニヤリと口角を上げた。
「後宮に侵入しようとしている迷子を観察しています。」
この抜け目のない若き侍従は自分の契約した影妖精を怪しげな人物を監視する為に送り込んでいた。
「クククッ」と笑うディミトリオ・ハクヤとリリィに客人達は戸惑った。
「いやいや失礼・・・ククッ。
後宮にはリリィの離宮がありましてね。
そこは彼女を愛する龍達の憩いの場となっているのですよ。
当然、人の立ち入りは制限されているのですがね、どうやら招かざる者が入り込もうとしているようです。」
龍の姿を確認しようとした輩はリリィの離宮“百合の宮”に狙いを定めたのだろう。
警備をしている騎士や侍女達を騙くらかして侵入したに違いない。
慌てるレイド・フロドゥールとハル・シネイと裏腹にディミトリオ・ハクヤの笑顔は曇らない。
「だが、その無礼者達は知らない。
龍の狩り場に紛れ込んだのは自分達であるという事を。」
そう言うと、ディミトリオ・ハクヤは雲一つない外の景色に目をやるのだった。
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