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得たものこそ宝なり
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「お待たせ致しました。
皇帝陛下が参られます。」
宰相フィリックス・ガルシアが部屋に入るやいなや集まった貴族に伝えると、皆が一斉に立ち上がった。
すると、近衛騎士団長のセオドア・ローリングを引き連れた皇帝ファヴィリエ・ルカが颯爽と現れた。
「皆、朝早くからすまないな。
さぁ、座ってくれ。
グランブル候。そう、焦らないでくれ。」
早くも口を開きかけたダニー・グランブル侯爵にファヴィリエ・ルカはクスクスと笑った。
若き皇帝に遊ばれているような感覚にグランブル侯爵は目を細めて、無言で怒り気持ちを伝えている。
「ノルディン公も朝早くに参られたと聞いた。
急かせてすまないな。」
ファヴィリエ・ルカは叔父を気遣う事を忘れない。
カーライル・ザッツ・ノルディンは口元を緩めると頭を下げた。
「勿体無いお言葉です。
陛下のお呼び出しとあれば、いかなる時にも参ります。」
「礼を言う。」
当たり障りない会話を続けていると、大公ディミトリオ・ハクヤが部屋かに入ってきた。
「私が最後でしょうか。
お待たせしました。」
「よい。
早速、話をしよう。
皆も、何故集められたか分からずに不安だろう。」
ディミトリオ・ハクヤは一礼するとファヴィリエ・ルカの真反対に座った。
ファヴィリエ・ルカからの合図を受けたフィリックスが集まった面々を見渡した。
「先頃より、フロドゥール国に動きありと内偵より連絡がありました。
我が国と彼の国との歴史は皆様もご存知かと思われますが、此度は静観する訳にはいかないと判断いたします。
フロドゥールは、ドラゴニルスと呼ばれる怪しげな宗教団体に権力を持たせ怪しげな働きを見せています。」
宰相からの報告に一同が眉間に皺を寄せた。
「フロドゥールとみられる者が、我らが後宮に魔法印を刻み、諜報活動を行なっていた証を見つめました。
既に我が帝国内には様々な仕掛け・・・そして裏切りが広がっている事でしょう。」
それを聞き、ダニー・グランブル侯爵の舌打ちが聞こえたが、誰も咎める者などいなかった。
何故なら皆が同じ気持ちだったからだ。
「ファヴィリエ・ルカ様の御代に龍の姫巫女様が現れた。
これは天命かもしれません。
フロドゥールそしてドラゴニルス・・・彼等の極端な思想は争いしか生みません。
現に龍の姫巫女・・・リリィ様が危険を感じとりお怒りなのです。
我々はリリィ様を秘匿し過ぎたのかもしれません。
かのお方が、人前を好まない事を良い事に他国に余計な考えを与える隙を作ってしまった。
我が国は混乱の中にいました。
しかし、皇帝陛下は纏まり始めた今、他国からの攻撃に動き備えようとお考えです。
そして、この状況を打開する為に、お集まりの皆様にご協力を得たいと思っております。」
宰相フィリックスの声だけが部屋に響き渡っていた。
皇帝陛下が参られます。」
宰相フィリックス・ガルシアが部屋に入るやいなや集まった貴族に伝えると、皆が一斉に立ち上がった。
すると、近衛騎士団長のセオドア・ローリングを引き連れた皇帝ファヴィリエ・ルカが颯爽と現れた。
「皆、朝早くからすまないな。
さぁ、座ってくれ。
グランブル候。そう、焦らないでくれ。」
早くも口を開きかけたダニー・グランブル侯爵にファヴィリエ・ルカはクスクスと笑った。
若き皇帝に遊ばれているような感覚にグランブル侯爵は目を細めて、無言で怒り気持ちを伝えている。
「ノルディン公も朝早くに参られたと聞いた。
急かせてすまないな。」
ファヴィリエ・ルカは叔父を気遣う事を忘れない。
カーライル・ザッツ・ノルディンは口元を緩めると頭を下げた。
「勿体無いお言葉です。
陛下のお呼び出しとあれば、いかなる時にも参ります。」
「礼を言う。」
当たり障りない会話を続けていると、大公ディミトリオ・ハクヤが部屋かに入ってきた。
「私が最後でしょうか。
お待たせしました。」
「よい。
早速、話をしよう。
皆も、何故集められたか分からずに不安だろう。」
ディミトリオ・ハクヤは一礼するとファヴィリエ・ルカの真反対に座った。
ファヴィリエ・ルカからの合図を受けたフィリックスが集まった面々を見渡した。
「先頃より、フロドゥール国に動きありと内偵より連絡がありました。
我が国と彼の国との歴史は皆様もご存知かと思われますが、此度は静観する訳にはいかないと判断いたします。
フロドゥールは、ドラゴニルスと呼ばれる怪しげな宗教団体に権力を持たせ怪しげな働きを見せています。」
宰相からの報告に一同が眉間に皺を寄せた。
「フロドゥールとみられる者が、我らが後宮に魔法印を刻み、諜報活動を行なっていた証を見つめました。
既に我が帝国内には様々な仕掛け・・・そして裏切りが広がっている事でしょう。」
それを聞き、ダニー・グランブル侯爵の舌打ちが聞こえたが、誰も咎める者などいなかった。
何故なら皆が同じ気持ちだったからだ。
「ファヴィリエ・ルカ様の御代に龍の姫巫女様が現れた。
これは天命かもしれません。
フロドゥールそしてドラゴニルス・・・彼等の極端な思想は争いしか生みません。
現に龍の姫巫女・・・リリィ様が危険を感じとりお怒りなのです。
我々はリリィ様を秘匿し過ぎたのかもしれません。
かのお方が、人前を好まない事を良い事に他国に余計な考えを与える隙を作ってしまった。
我が国は混乱の中にいました。
しかし、皇帝陛下は纏まり始めた今、他国からの攻撃に動き備えようとお考えです。
そして、この状況を打開する為に、お集まりの皆様にご協力を得たいと思っております。」
宰相フィリックスの声だけが部屋に響き渡っていた。
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