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未来への決着
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「・・・なんて事。」
ファヴィリエ・ルカの議会での言葉を聞き、愕然とするマドレーヌは息子を心配した。
「議会は兄の子でなく・・・私の子と知っても尚、ファヴィリエ・ルカ様を皇帝にと推挙しました。
彼も覚悟を持って了承なさいました。
即位されたのちには貴方は国母となられます。
これまで以上に全力でお守りいたします。」
ディミトリオ・ハクヤの言葉にマドレーヌは動揺した。
声を出す事もなくジッと彼を見つめるばかりだった。
ディミトリオ・ハクヤが静かに頭を下げた。
「長い間・・・苦労をお掛けしました。
皇族の1人としてお詫び申し上げます。」
マドレーヌは暫くしてディミトリオ・ハクヤの体が震えている事に気がついた。
「我ら皇族は貴方に酷い事をした。
何年もの間・・閉じ込め、自由を奪った。
助け出す事も出来ずにいた私の許される事のない大罪だ。
それでも・・・それでも・・・。」
泣いていた。
ディミトリオ・ハクヤは顔を上げる事なく涙を流していた。
「貴方が産んだファヴィリエ・ルカ様が・・・ルカが私の子と聞き・・・嬉しかった。
嬉しかったんだ・・・。」
ディミトリオ・ハクヤは堪える事の出来ない感情に支配されながらも必死に言葉を紡いでいた。
「頭を上げて?ハクヤ様。」
小鳥のようなマドレーヌの声に誘われる様にディミトリオ・ハクヤが顔を上げた。
そこには愛した女性がいた。
恥ずかしそうに頬を染め、同じく涙を流したマドレーヌが微笑んでいる。
「私達、よく頑張ったわよね?」
ディミトリオ・ハクヤは涙を拭い笑った。
「あぁ、そうだね。」
マドレーヌとの絆は切れていなかった。
息子が2人を繋いでくれていた。
悲鳴を押し殺して生きてきた2人にとって救われた気持ちだった。
そこから、マドレーヌは侍従と侍女が自分を守ってくれていた事。
何となく、自分も気づいていた事。
リリィにより、事実が分かった事を話した。
ディミトリオ・ハクヤは事実を隠す事なく公表したいと彼女に告げた。
「貴方に再び苦労を掛けてしまうだろうが、ルカの・・・ファヴィリエ・ルカ・ロンサンティエが皇帝となる上で必要だと私は思う。」
マドレーヌは真剣な顔で頷いた。
「国の為、息子の為ならば私の苦労など気にしないで。
感情の隠し方も上手になったのよ。」
最後、楽しそうに微笑むマドレーヌにディミトリオ・ハクヤの顔も綻ぶ。
「これまでの時間は想像以上に長かった。
かつての様にはいかないかもしれない。
・・・だが、時にはこうやって話せる時間が増えると嬉しい。」
そう告げるディミトリオ・ハクヤにマドレーヌも優しく頷いた。
「ぇぇ。
私も・・・私も望みます。」
桃の木が2人を祝うように煌めいていた。
ファヴィリエ・ルカの議会での言葉を聞き、愕然とするマドレーヌは息子を心配した。
「議会は兄の子でなく・・・私の子と知っても尚、ファヴィリエ・ルカ様を皇帝にと推挙しました。
彼も覚悟を持って了承なさいました。
即位されたのちには貴方は国母となられます。
これまで以上に全力でお守りいたします。」
ディミトリオ・ハクヤの言葉にマドレーヌは動揺した。
声を出す事もなくジッと彼を見つめるばかりだった。
ディミトリオ・ハクヤが静かに頭を下げた。
「長い間・・・苦労をお掛けしました。
皇族の1人としてお詫び申し上げます。」
マドレーヌは暫くしてディミトリオ・ハクヤの体が震えている事に気がついた。
「我ら皇族は貴方に酷い事をした。
何年もの間・・閉じ込め、自由を奪った。
助け出す事も出来ずにいた私の許される事のない大罪だ。
それでも・・・それでも・・・。」
泣いていた。
ディミトリオ・ハクヤは顔を上げる事なく涙を流していた。
「貴方が産んだファヴィリエ・ルカ様が・・・ルカが私の子と聞き・・・嬉しかった。
嬉しかったんだ・・・。」
ディミトリオ・ハクヤは堪える事の出来ない感情に支配されながらも必死に言葉を紡いでいた。
「頭を上げて?ハクヤ様。」
小鳥のようなマドレーヌの声に誘われる様にディミトリオ・ハクヤが顔を上げた。
そこには愛した女性がいた。
恥ずかしそうに頬を染め、同じく涙を流したマドレーヌが微笑んでいる。
「私達、よく頑張ったわよね?」
ディミトリオ・ハクヤは涙を拭い笑った。
「あぁ、そうだね。」
マドレーヌとの絆は切れていなかった。
息子が2人を繋いでくれていた。
悲鳴を押し殺して生きてきた2人にとって救われた気持ちだった。
そこから、マドレーヌは侍従と侍女が自分を守ってくれていた事。
何となく、自分も気づいていた事。
リリィにより、事実が分かった事を話した。
ディミトリオ・ハクヤは事実を隠す事なく公表したいと彼女に告げた。
「貴方に再び苦労を掛けてしまうだろうが、ルカの・・・ファヴィリエ・ルカ・ロンサンティエが皇帝となる上で必要だと私は思う。」
マドレーヌは真剣な顔で頷いた。
「国の為、息子の為ならば私の苦労など気にしないで。
感情の隠し方も上手になったのよ。」
最後、楽しそうに微笑むマドレーヌにディミトリオ・ハクヤの顔も綻ぶ。
「これまでの時間は想像以上に長かった。
かつての様にはいかないかもしれない。
・・・だが、時にはこうやって話せる時間が増えると嬉しい。」
そう告げるディミトリオ・ハクヤにマドレーヌも優しく頷いた。
「ぇぇ。
私も・・・私も望みます。」
桃の木が2人を祝うように煌めいていた。
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