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波乱の宴
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喝采に包まれた。
リリィが踊り終わると見物していた者達はこぞって称賛し拍手を送った。
誰しもが龍の姫巫女であるリリィに釘付けだった。
これに乗じて、宝樹の復活を願う国内貴族や自国に足を運んでほしいと願う近隣諸国の君主達が詰めかけようとする。
さっきまで怒っていた皇帝ハイゴール・ウィリは、当たり前の様に御機嫌な顔でリリィに手を差し伸べた。
「こっちへこい。
龍の姫巫女リリィよ。
褒美を使わそう。」
満足気な皇帝の言葉にリリィは微笑んだ。
「ならば、辞する許可を。」
そう。
この娘・・・どこまでも言う事を聞かない龍の巫女姫であった。
「久々の舞に疲れてしまいました。
教えて頂いていれば、もっと良き物がお見せ出来ましたでしょうに・・・。
面目もなく。」
しおらしさの中にも鋭い目を向けられた皇帝ハイゴール・ウィリは、一瞬で先日の事を思い出した。。
高揚していた気持ちを抑えて咳払いをすると皇帝は頷いた。
「ゴホン・・・。
見るのも初めてで誠に美しい舞であった。
宜しい。
席を辞する事を許す。」
やっとの思いで言い終えた皇帝にリリィは妖艶に微笑んだ。
「有難う存じます。
では。」
リリィは後宮の女達を見渡すと、皇妃に小さく会釈をした。
「楽しい舞でした。
どうぞ、おやすみなさい。」
事を荒立てたくない皇妃メッサリーナは、早速の退場をリリィに促す。
ここで声を掛けるほど、参列する貴族達の中に愚か者はいない。
声を掛ける機会を奪われようとも次の時期を狙い続ける事だろう。
「素敵な機会を与えてくれて有難う。」
不適に笑うリリィに皇姫アブリエル・エマは、愛らしさを忘れた様に顔を歪ませて顔を背けた。
白銀の龍が現れてリリィの足元に降り立った。
「では皆様、御機嫌よう。」
颯爽と去っていくリリィを見送ると再び喧騒が戻ってきた。
「なんて美しいんだ!」
「天使かと思ったぞ。」
「是非にも我が国にお越し願いたいものだ。」
「失礼ながら、国内に龍気を満たす方が優先です。」
「何っ!
ロンサンティエはまだ、我らから奪おうとするのか!!」
「奪おうも何も、元々世界はロンサンティエに支えられているのです。
多少の譲歩はしていただかないと!」
「今までと同じと思うな!
龍は仰られた。
ロンサンティエ帝国との盟約ではなく、フランコ・トワ・ロンサンティエの血筋である事が大事なのだと!
ならば、他国に散らばるフランコ・トワ・ロンサンティエの血筋にだって龍に願いを乞う資格がある!!」
「これまでの恩をお忘れですか!」
「恩とは何事だ!
こちらは、そちらの要求を全て飲んできた。
これからは我らも我慢はせんぞ!」
白熱する言い合いを止める事なく、呆けたままでいるのは、皇帝ハイゴール・ウィリだった。
《また・・・断られた。》
リリィが消えた先を見つめ、声を漏らした皇帝であった。
リリィが踊り終わると見物していた者達はこぞって称賛し拍手を送った。
誰しもが龍の姫巫女であるリリィに釘付けだった。
これに乗じて、宝樹の復活を願う国内貴族や自国に足を運んでほしいと願う近隣諸国の君主達が詰めかけようとする。
さっきまで怒っていた皇帝ハイゴール・ウィリは、当たり前の様に御機嫌な顔でリリィに手を差し伸べた。
「こっちへこい。
龍の姫巫女リリィよ。
褒美を使わそう。」
満足気な皇帝の言葉にリリィは微笑んだ。
「ならば、辞する許可を。」
そう。
この娘・・・どこまでも言う事を聞かない龍の巫女姫であった。
「久々の舞に疲れてしまいました。
教えて頂いていれば、もっと良き物がお見せ出来ましたでしょうに・・・。
面目もなく。」
しおらしさの中にも鋭い目を向けられた皇帝ハイゴール・ウィリは、一瞬で先日の事を思い出した。。
高揚していた気持ちを抑えて咳払いをすると皇帝は頷いた。
「ゴホン・・・。
見るのも初めてで誠に美しい舞であった。
宜しい。
席を辞する事を許す。」
やっとの思いで言い終えた皇帝にリリィは妖艶に微笑んだ。
「有難う存じます。
では。」
リリィは後宮の女達を見渡すと、皇妃に小さく会釈をした。
「楽しい舞でした。
どうぞ、おやすみなさい。」
事を荒立てたくない皇妃メッサリーナは、早速の退場をリリィに促す。
ここで声を掛けるほど、参列する貴族達の中に愚か者はいない。
声を掛ける機会を奪われようとも次の時期を狙い続ける事だろう。
「素敵な機会を与えてくれて有難う。」
不適に笑うリリィに皇姫アブリエル・エマは、愛らしさを忘れた様に顔を歪ませて顔を背けた。
白銀の龍が現れてリリィの足元に降り立った。
「では皆様、御機嫌よう。」
颯爽と去っていくリリィを見送ると再び喧騒が戻ってきた。
「なんて美しいんだ!」
「天使かと思ったぞ。」
「是非にも我が国にお越し願いたいものだ。」
「失礼ながら、国内に龍気を満たす方が優先です。」
「何っ!
ロンサンティエはまだ、我らから奪おうとするのか!!」
「奪おうも何も、元々世界はロンサンティエに支えられているのです。
多少の譲歩はしていただかないと!」
「今までと同じと思うな!
龍は仰られた。
ロンサンティエ帝国との盟約ではなく、フランコ・トワ・ロンサンティエの血筋である事が大事なのだと!
ならば、他国に散らばるフランコ・トワ・ロンサンティエの血筋にだって龍に願いを乞う資格がある!!」
「これまでの恩をお忘れですか!」
「恩とは何事だ!
こちらは、そちらの要求を全て飲んできた。
これからは我らも我慢はせんぞ!」
白熱する言い合いを止める事なく、呆けたままでいるのは、皇帝ハイゴール・ウィリだった。
《また・・・断られた。》
リリィが消えた先を見つめ、声を漏らした皇帝であった。
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