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ロンサンティエ帝国の明暗
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ーーーそして冒頭
この日の夕方・・・豪華絢爛の大広間は興奮に包まれていた。
贅がこれでもかと詰め込まれた大広間には急遽呼びつけられたにも関わらず、貴族達が煌びやかな衣装を身に纏い壁際に並んでいた。
皇帝の思い付きで唐突に集められる事など、この国の貴族達には珍しくもなく王都・ロンティエにいた貴族の全てが集まったと言って良かった。
その中でも一際派手な装いで1番高い場所に座り、御機嫌に女達を侍らせているのは皇帝ハイゴール・ウィリ・ロンサンティエである。
弟であるディミトリオ・ハクヤを危険に晒した事など、とうの昔に忘れ去り、伝説とまで言われた龍の姫巫女の到着を今か今かと待ち望んでいる。
皇帝陛下を見上げる貴族達の中にも噂を聞き付けた者達が、何処か浮ついた状態で時を待っている。
皇帝の側に侍るは王妃と序列の高い側室達、それに王位継承権を持つ子供達であった。
その様子を宰相であるムク・フラン侯爵はなんとも言えない顔で見つめていた。
この中の誰よりも早く龍の姫巫女を目にした彼の心には一抹の不安が消え去る事がない。
「ディミトリオ・ハクヤ・ロンサンティエ大公閣下、龍の姫巫女様が参られました!」
いつもより気合いの入った衛兵に皇帝ハイゴール・ウィリは嬉しそうに前のめりに体を起こした。
宰相ムク・フランは何事もない事を願った。
・・・が
入ってきた龍の姫巫女の美しさを前に何も起こらない筈が無いと悟ったのであった。
その娘は一瞬にして、その場にいた者達を魅了した。
しなやかな白銀の長い髪は艶やかで歩く度に光に反射し煌めいていた。
目元はベールで覆われ、口元は扇子で隠されているが、その容姿は間違いなく美貌が隠されていた。
しなやかなで真っ白の装いが娘の体のラインを浮かび上がらせ、溢れる魅力に男女問わず頬を染めた。
白銀の髪にはルビーの髪飾りが輝き、ベールからは琥珀で作られた龍の形をした耳飾りが覗いている。
扇子を握りしめる細い指にはマカライトとサファイヤの2つの指輪が目立っていた。
その中でも人々の視線を集まったのは羽衣のように龍の姫巫女の肩にのる白銀の龍だった。
作り物かと疑っていた者達も、優雅に首を持たげた白銀の龍に声を上げる事すら出来ずに驚くのだった。
ディミトリオ・ハクヤと共に大広間に入ってきた娘は、しずしずと一直線に皇帝陛下の前にやって来た。
「クフフ。
ついに我が元へ参ったか。
龍姫よ。」
我慢出来ずに声を掛けた皇帝が手招きをする。
皇帝が龍の姫巫女を御所望なされた。
誰しもが分かりきった事に感情も動かされずにいた。
そのうら若き娘・・・龍の姫巫女・リリィは扇子で隠された口を開いた。
「キモッ。」
この日の夕方・・・豪華絢爛の大広間は興奮に包まれていた。
贅がこれでもかと詰め込まれた大広間には急遽呼びつけられたにも関わらず、貴族達が煌びやかな衣装を身に纏い壁際に並んでいた。
皇帝の思い付きで唐突に集められる事など、この国の貴族達には珍しくもなく王都・ロンティエにいた貴族の全てが集まったと言って良かった。
その中でも一際派手な装いで1番高い場所に座り、御機嫌に女達を侍らせているのは皇帝ハイゴール・ウィリ・ロンサンティエである。
弟であるディミトリオ・ハクヤを危険に晒した事など、とうの昔に忘れ去り、伝説とまで言われた龍の姫巫女の到着を今か今かと待ち望んでいる。
皇帝陛下を見上げる貴族達の中にも噂を聞き付けた者達が、何処か浮ついた状態で時を待っている。
皇帝の側に侍るは王妃と序列の高い側室達、それに王位継承権を持つ子供達であった。
その様子を宰相であるムク・フラン侯爵はなんとも言えない顔で見つめていた。
この中の誰よりも早く龍の姫巫女を目にした彼の心には一抹の不安が消え去る事がない。
「ディミトリオ・ハクヤ・ロンサンティエ大公閣下、龍の姫巫女様が参られました!」
いつもより気合いの入った衛兵に皇帝ハイゴール・ウィリは嬉しそうに前のめりに体を起こした。
宰相ムク・フランは何事もない事を願った。
・・・が
入ってきた龍の姫巫女の美しさを前に何も起こらない筈が無いと悟ったのであった。
その娘は一瞬にして、その場にいた者達を魅了した。
しなやかな白銀の長い髪は艶やかで歩く度に光に反射し煌めいていた。
目元はベールで覆われ、口元は扇子で隠されているが、その容姿は間違いなく美貌が隠されていた。
しなやかなで真っ白の装いが娘の体のラインを浮かび上がらせ、溢れる魅力に男女問わず頬を染めた。
白銀の髪にはルビーの髪飾りが輝き、ベールからは琥珀で作られた龍の形をした耳飾りが覗いている。
扇子を握りしめる細い指にはマカライトとサファイヤの2つの指輪が目立っていた。
その中でも人々の視線を集まったのは羽衣のように龍の姫巫女の肩にのる白銀の龍だった。
作り物かと疑っていた者達も、優雅に首を持たげた白銀の龍に声を上げる事すら出来ずに驚くのだった。
ディミトリオ・ハクヤと共に大広間に入ってきた娘は、しずしずと一直線に皇帝陛下の前にやって来た。
「クフフ。
ついに我が元へ参ったか。
龍姫よ。」
我慢出来ずに声を掛けた皇帝が手招きをする。
皇帝が龍の姫巫女を御所望なされた。
誰しもが分かりきった事に感情も動かされずにいた。
そのうら若き娘・・・龍の姫巫女・リリィは扇子で隠された口を開いた。
「キモッ。」
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