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ロンサンティエ帝国の明暗
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王宮へ続く橋を小さな馬車がゆっくりと進んでいく。
王宮の周りは堀が造られ水が流れていた。
「綺麗な水ではないわね。」
ドブさらいが必要なほど濁っていた水を見て、ポツリと呟いたリリィにディミトリオ・ハクヤが頷いた。
「宝樹が枯れ、龍気が乱れると次第に水質が悪くなった。
私が幼い頃は、まだ綺麗な水が流れ小魚も泳いでいたもんなんだがな。」
「へー。」
リリィの興味なさそうな返事に苦笑するディミトリオ・ハクヤに侍従のクレイの警戒する声が聞こえた。
「主様。
お出迎えです。」
「先頭は?」
「モォーブ衛兵隊長です。」
「ちょっと面倒なのがいるな。
ご苦労な事だ。」
ディミトリオ・ハクヤが溜息を吐くとルーチェが癒すように顔にツンとキスをした。
「労ってくれるのかい。
有難う。」
ディミトリオ・ハクヤがルーチェの頭を撫でてやっているとリリィがつまらなそうな声で問いかけた。
「大人しくしてた方が良いの?」
「いいや、リリィは好きにしていいよ。
龍の姫巫女は自由なのだろう?
楽しむといいさ。」
「あぁ。
貴方も分かってきたじゃない。」
2人がクスクスと笑うと御者席に座るクレイが吹き出し、スサとセキエイが肩を揺らして笑っているのが見えた。
恐らく、後方のコテツとアリスも同じだろう。
敵を前に馬車は楽し気に進んで行くのだった。
「失礼致します。
ディミトリオ・ハクヤ・ロンサンティエ大公とお見受けしますが、その馬車はブランチ辺境伯家の物。
状況の仔細報告を願います。」
大公だと分かっていながら馬車をとめ、「お前の馬車じゃないな説明しろ。」と言う衛兵隊長に侍従のクレイの苛立ちが取って見えた。
宰相の息の掛かったモォーブ伯爵家の次男が衛兵隊長になって久しい。
この男もディミトリオ・ハクヤを侮っている1人だ。
「モォーブ衛兵達長。
皇帝陛下の勅命に従い“龍王島”にて御身を危険に晒してまで帰還した大公閣下への言葉にしては些か無礼で御座います。
連絡したにも関わらず港にて迎えのなかった大公閣下へブランチ辺境伯様が馬車をお貸し下されたのです。」
高みから冷たい目で見下ろすクレイに衛兵隊長は舌打ちをした後に「厄介者が。」と聞こえる程度の小さな声を吐いた。
「主人がお連れしたは皇帝陛下がお求めの御方。
貴殿等の目に触れさせて良い方ではない。
即刻、通して貰おう。」
クレイは気にするでもなく怒りの炎を目に宿し威嚇した。
衛兵隊長は胡散臭そうに顔を顰め馬車に近づいてきた。
「ならば、その御方とやらを確かめよう。」
ベールを被り顔を見せないリリィに近づこうとした時だった。
スサの剣が衛兵隊長の喉元を狙い、コテツの拳がコメカミを狙った。
「皇帝陛下の御求めの御方だと言っただろう。
衛兵隊長如きが確かめるだと?
この方に触れる事も声をかける事も許されんぞ。」
いつも飄々としているスサの凄まじい怒気に衛兵達長の首筋からは冷たい汗が垂れ、後に控える衛兵達も青褪めている。
「まぁ、落ち着きなさい。
港に馬車が来なかった・・・手違いだろう?
なぁ、宰相殿。」
一触即発の中、冷静なディミトリオ・ハクヤは視線の先に現れた宰相ムク・フランに問い掛けるのだった。
王宮の周りは堀が造られ水が流れていた。
「綺麗な水ではないわね。」
ドブさらいが必要なほど濁っていた水を見て、ポツリと呟いたリリィにディミトリオ・ハクヤが頷いた。
「宝樹が枯れ、龍気が乱れると次第に水質が悪くなった。
私が幼い頃は、まだ綺麗な水が流れ小魚も泳いでいたもんなんだがな。」
「へー。」
リリィの興味なさそうな返事に苦笑するディミトリオ・ハクヤに侍従のクレイの警戒する声が聞こえた。
「主様。
お出迎えです。」
「先頭は?」
「モォーブ衛兵隊長です。」
「ちょっと面倒なのがいるな。
ご苦労な事だ。」
ディミトリオ・ハクヤが溜息を吐くとルーチェが癒すように顔にツンとキスをした。
「労ってくれるのかい。
有難う。」
ディミトリオ・ハクヤがルーチェの頭を撫でてやっているとリリィがつまらなそうな声で問いかけた。
「大人しくしてた方が良いの?」
「いいや、リリィは好きにしていいよ。
龍の姫巫女は自由なのだろう?
楽しむといいさ。」
「あぁ。
貴方も分かってきたじゃない。」
2人がクスクスと笑うと御者席に座るクレイが吹き出し、スサとセキエイが肩を揺らして笑っているのが見えた。
恐らく、後方のコテツとアリスも同じだろう。
敵を前に馬車は楽し気に進んで行くのだった。
「失礼致します。
ディミトリオ・ハクヤ・ロンサンティエ大公とお見受けしますが、その馬車はブランチ辺境伯家の物。
状況の仔細報告を願います。」
大公だと分かっていながら馬車をとめ、「お前の馬車じゃないな説明しろ。」と言う衛兵隊長に侍従のクレイの苛立ちが取って見えた。
宰相の息の掛かったモォーブ伯爵家の次男が衛兵隊長になって久しい。
この男もディミトリオ・ハクヤを侮っている1人だ。
「モォーブ衛兵達長。
皇帝陛下の勅命に従い“龍王島”にて御身を危険に晒してまで帰還した大公閣下への言葉にしては些か無礼で御座います。
連絡したにも関わらず港にて迎えのなかった大公閣下へブランチ辺境伯様が馬車をお貸し下されたのです。」
高みから冷たい目で見下ろすクレイに衛兵隊長は舌打ちをした後に「厄介者が。」と聞こえる程度の小さな声を吐いた。
「主人がお連れしたは皇帝陛下がお求めの御方。
貴殿等の目に触れさせて良い方ではない。
即刻、通して貰おう。」
クレイは気にするでもなく怒りの炎を目に宿し威嚇した。
衛兵隊長は胡散臭そうに顔を顰め馬車に近づいてきた。
「ならば、その御方とやらを確かめよう。」
ベールを被り顔を見せないリリィに近づこうとした時だった。
スサの剣が衛兵隊長の喉元を狙い、コテツの拳がコメカミを狙った。
「皇帝陛下の御求めの御方だと言っただろう。
衛兵隊長如きが確かめるだと?
この方に触れる事も声をかける事も許されんぞ。」
いつも飄々としているスサの凄まじい怒気に衛兵達長の首筋からは冷たい汗が垂れ、後に控える衛兵達も青褪めている。
「まぁ、落ち着きなさい。
港に馬車が来なかった・・・手違いだろう?
なぁ、宰相殿。」
一触即発の中、冷静なディミトリオ・ハクヤは視線の先に現れた宰相ムク・フランに問い掛けるのだった。
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