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影と黒 〜愛されし者達の対峙〜
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ドクン ドクン
イオリが魔法陣に近づけば、それはまるで生きているかのように波を打つ。
その中心で浮かんでいるのは、何度見ても変わり映えのしない地味な剣だ。
イオリはその剣が何故か自分を誘っているかのように感じていた。
欲望・憎悪・侮蔑・・・その全てを抱え込んだダークエルフの剣は、イオリをも飲み込もうとしているのは簡単に見て取れた。
「君は、まだ満足していないんだね。」
イオリは悲しそうな顔でダークエルフの剣に語りかけた。
「俺と君の関係は何の因果で絡まってしまったのか分からないけれど、これ以上リュオン様を悲しませたくないんだ。」
そんなイオリにゼンがピッタリとくっついた。
「ゼン。
あの時、俺を選んでくれて有難う。」
『フフフ。
あの時、優しくしてくれて有難う。
イオリ、大好きだよ。』
「俺もだよ。
さて、頼んだよ。
相棒。」
『任せてよ。
ずっと一緒にいるよ。相棒。』
イオリはゼンにニッコリと笑うと、目の前の剣を掴んだ。
『愚かなり』
腹の底から、ゾッとする声が聞こえた。
変哲のない地味な剣だったモノから影が吹き出し、イオリの腕に巻き付いた。
実体のない影が闇の力を増幅させていく。
決して離さないとばかりの強さで縛り上げる影の鎖にイオリの顔が歪んでいった。
「・・・ルミエール。」
イオリが剣を睨みつけると、影が楽しそうに揺れた。
『ほう。
我の名を呼ぶか・・・小僧よ。
奴が気に入っているとは、どんな者かと思えば、どうと言うことのない小物ではないか。』
姿なき相手の声がイオリの頭を不快なまでに駆け巡る。
絶対神リュオンより力を授けられたイオリの力を吸い取り、ルミエールの剣が徐々に力を増していく。
『この瞬間を待っていた。
ずっとずっと、貴様らの腑抜けた世に鉄槌を下す時を待っていたぁぁぁ!』
喜び溢れるルミエールのエネルギーが空に解き放たれた。
『我が眷属よ。
喜び戦え、崇高なる我を閉じ込めた者共に滅びを与えよ。
そして、再び我らの世が始まるのだぁぁぁ!!』
暗く分厚い雲が、物凄いスピードで広がっていった。
空に渦が巻き、竜巻が何個もできあがる。
ポーレットの街の外では雷が落ちる度に“エルフの里の戦士”が現れていた。
『襲え!奪え!蹂躙せよ!
世界の全ては、このダークエルフの物だぁぁ。
そして、愚かなる邪神をも潰えし時。
我こそが神となる・・・。
それこそが、このルミエールが誕生した理由だ。』
声高く吠えた最後は、ルミエールの声が感慨深そうに噛み締めながら小さな声で呟かれた。
「・・・ふざけるなよ。
人は全てを手にする事は出来ないし、神になる事だって出来ないよ。」
剣を掴むイオリが顔を上げた。
「幾度も失敗しているのに、学習しない残念な人だ。」
そう言うと、イオリは剣に力を込めた。
『何を・・・している?』
「力がなくて空腹なんでしょ?
腹一杯に食わせてやるよ。
オラァァ!!」
無尽蔵にエネルギーを奪う剣と、果てる事のなくエネルギーを作り出すイオリ。
2人の我慢比べが始まった。
イオリが魔法陣に近づけば、それはまるで生きているかのように波を打つ。
その中心で浮かんでいるのは、何度見ても変わり映えのしない地味な剣だ。
イオリはその剣が何故か自分を誘っているかのように感じていた。
欲望・憎悪・侮蔑・・・その全てを抱え込んだダークエルフの剣は、イオリをも飲み込もうとしているのは簡単に見て取れた。
「君は、まだ満足していないんだね。」
イオリは悲しそうな顔でダークエルフの剣に語りかけた。
「俺と君の関係は何の因果で絡まってしまったのか分からないけれど、これ以上リュオン様を悲しませたくないんだ。」
そんなイオリにゼンがピッタリとくっついた。
「ゼン。
あの時、俺を選んでくれて有難う。」
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あの時、優しくしてくれて有難う。
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さて、頼んだよ。
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『任せてよ。
ずっと一緒にいるよ。相棒。』
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『愚かなり』
腹の底から、ゾッとする声が聞こえた。
変哲のない地味な剣だったモノから影が吹き出し、イオリの腕に巻き付いた。
実体のない影が闇の力を増幅させていく。
決して離さないとばかりの強さで縛り上げる影の鎖にイオリの顔が歪んでいった。
「・・・ルミエール。」
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『ほう。
我の名を呼ぶか・・・小僧よ。
奴が気に入っているとは、どんな者かと思えば、どうと言うことのない小物ではないか。』
姿なき相手の声がイオリの頭を不快なまでに駆け巡る。
絶対神リュオンより力を授けられたイオリの力を吸い取り、ルミエールの剣が徐々に力を増していく。
『この瞬間を待っていた。
ずっとずっと、貴様らの腑抜けた世に鉄槌を下す時を待っていたぁぁぁ!』
喜び溢れるルミエールのエネルギーが空に解き放たれた。
『我が眷属よ。
喜び戦え、崇高なる我を閉じ込めた者共に滅びを与えよ。
そして、再び我らの世が始まるのだぁぁぁ!!』
暗く分厚い雲が、物凄いスピードで広がっていった。
空に渦が巻き、竜巻が何個もできあがる。
ポーレットの街の外では雷が落ちる度に“エルフの里の戦士”が現れていた。
『襲え!奪え!蹂躙せよ!
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そして、愚かなる邪神をも潰えし時。
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それこそが、このルミエールが誕生した理由だ。』
声高く吠えた最後は、ルミエールの声が感慨深そうに噛み締めながら小さな声で呟かれた。
「・・・ふざけるなよ。
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そう言うと、イオリは剣に力を込めた。
『何を・・・している?』
「力がなくて空腹なんでしょ?
腹一杯に食わせてやるよ。
オラァァ!!」
無尽蔵にエネルギーを奪う剣と、果てる事のなくエネルギーを作り出すイオリ。
2人の我慢比べが始まった。
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