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旅路 〜秘境の台座〜
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「そんな、まさか・・・。
ここは“明けない魔の森”の泉・・・?」
洞窟から出たイオリ達が目にしたのは、キラキラと輝く懐かしの泉であった。
どうやら、スカイヤに飛ばされた洞窟は、イオリが住処として使っていた洞穴に繋がっていたようだ。
「どういう事だ?」
ヴァルトが恐る恐る振り返ると洞穴の奥に広がっていた空間が消え失せ、元の狭い状態に戻っていた。
「おい、イオリ。
ここが“明けない魔の森”であることは間違いないのか?」
ヴァルトに問われ、辺りを見回したイオリはコクンと頷くと洞穴の1ヶ所を指差した。
「ここにパティが付けた傷があります。
間違いありません。
ここは“明けない魔の森”の・・・俺とゼンが・・・ヴァルトさん達と出会った・・・皆んなで暮らした泉です。」
一同は惚けるように立ちすくんだ。
「では、なんですか・・・。
私達は海を飛び越え、国の境など無視して故郷に戻ってきてしまったと言う事ですか?」
誰に聞いているでもなく、トゥーレが信じられない想いで呟いた。
『そのようですね・・・。
“ドラゴンの王”が何故、我々を此処に飛ばしたのか・・・。
彼の思惑が分かりません。』
いつも冷静なルチアでさえも、戸惑っている様だ。
「わーい!!
泉だぁぁ!」
こんな時ばかりは、難しく考え込む大人よりも素直な子供の方が大胆なもので、パティは着ていた戦闘服やブーツを放り投げ階段を降りて泉に飛び込んで行った。
「あっ。
パティちゃん、ズルいぃ。」
ニナが上手にブーツが脱げずに足をブンブンと振っている。
「ナギ。
オレ達も行こうぜ。」
スコルが誘えば、ナギが微笑んだ。
「うん。行こう。」
さっきまで殺伐とした雰囲気の中にいたとは思えない程に楽しげな笑い声に包まれていく。
「・・・アイツ等。」
苦笑するヒューゴが階段を降りていくとマルクルやトゥーレ、そしてアウラが後を追って行った。
「一体、何がどうなっているんだ?」
今だに現実とは思えない現象にヴァルトが頭をガシガシと掻くと、イオリが何かを勘上げるように話しかけた。
「スカイヤが俺達を飛ばす直前の話を覚えていますか?」
「あぁ。
結局、要領を得なかったがな。」
「あれはルミエール・・・ダークエルフの剣の話をしていたんです。
そして、スカイヤは俺達を此処に飛ばした。」
そこまで来て、ヴァルトはいよいよ顔を青褪めた。
「おい、やめろよ。
まさか、此処にダークエルフの剣にまつわる何かがあるってのか?」
「そこまでは分かりませんが、何か関連があるはずです。」
2人の会話を聞いていたルチアが息を吐いた。
『ドラゴン達の思わせぶりで、答えを伝えない会話術・・・。
一度、しっかりと抗議した方がいいかも知れませんね。』
スカイヤの白亜の宮殿では朝日を拝んだばかりだったというのに、“明けない魔の森”は陽が沈み始めるようだ。
「とりあえず、一先ず腹ごしらえでもしましょうか。」
イオリは慣れ親しんだ階段をリズミカルに降りていった。
ここは“明けない魔の森”の泉・・・?」
洞窟から出たイオリ達が目にしたのは、キラキラと輝く懐かしの泉であった。
どうやら、スカイヤに飛ばされた洞窟は、イオリが住処として使っていた洞穴に繋がっていたようだ。
「どういう事だ?」
ヴァルトが恐る恐る振り返ると洞穴の奥に広がっていた空間が消え失せ、元の狭い状態に戻っていた。
「おい、イオリ。
ここが“明けない魔の森”であることは間違いないのか?」
ヴァルトに問われ、辺りを見回したイオリはコクンと頷くと洞穴の1ヶ所を指差した。
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間違いありません。
ここは“明けない魔の森”の・・・俺とゼンが・・・ヴァルトさん達と出会った・・・皆んなで暮らした泉です。」
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私達は海を飛び越え、国の境など無視して故郷に戻ってきてしまったと言う事ですか?」
誰に聞いているでもなく、トゥーレが信じられない想いで呟いた。
『そのようですね・・・。
“ドラゴンの王”が何故、我々を此処に飛ばしたのか・・・。
彼の思惑が分かりません。』
いつも冷静なルチアでさえも、戸惑っている様だ。
「わーい!!
泉だぁぁ!」
こんな時ばかりは、難しく考え込む大人よりも素直な子供の方が大胆なもので、パティは着ていた戦闘服やブーツを放り投げ階段を降りて泉に飛び込んで行った。
「あっ。
パティちゃん、ズルいぃ。」
ニナが上手にブーツが脱げずに足をブンブンと振っている。
「ナギ。
オレ達も行こうぜ。」
スコルが誘えば、ナギが微笑んだ。
「うん。行こう。」
さっきまで殺伐とした雰囲気の中にいたとは思えない程に楽しげな笑い声に包まれていく。
「・・・アイツ等。」
苦笑するヒューゴが階段を降りていくとマルクルやトゥーレ、そしてアウラが後を追って行った。
「一体、何がどうなっているんだ?」
今だに現実とは思えない現象にヴァルトが頭をガシガシと掻くと、イオリが何かを勘上げるように話しかけた。
「スカイヤが俺達を飛ばす直前の話を覚えていますか?」
「あぁ。
結局、要領を得なかったがな。」
「あれはルミエール・・・ダークエルフの剣の話をしていたんです。
そして、スカイヤは俺達を此処に飛ばした。」
そこまで来て、ヴァルトはいよいよ顔を青褪めた。
「おい、やめろよ。
まさか、此処にダークエルフの剣にまつわる何かがあるってのか?」
「そこまでは分かりませんが、何か関連があるはずです。」
2人の会話を聞いていたルチアが息を吐いた。
『ドラゴン達の思わせぶりで、答えを伝えない会話術・・・。
一度、しっかりと抗議した方がいいかも知れませんね。』
スカイヤの白亜の宮殿では朝日を拝んだばかりだったというのに、“明けない魔の森”は陽が沈み始めるようだ。
「とりあえず、一先ず腹ごしらえでもしましょうか。」
イオリは慣れ親しんだ階段をリズミカルに降りていった。
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