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旅路 〜カプリース・玉座なる山頂〜
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ドガァァン!!
分厚い雲を突き抜け、空高く登る太陽に反射した黒のドラゴンの頭上で、優雅に胡座を組むイオリが山頂に集まる者達を見下ろしていた。
『・・・面白れぇ。
やっぱり、アイツとは一戦やらなきゃ気がすまねぇ。』
それを見て、血を激らし武者震いしている男がいた。
「・・・ヴァルト。
少し不味いかもしれません。」
イオリに夢中になっていた中、従者のトゥーレに声を掛けられたヴァルトが振り返ると、“果敢なる強靭”リオンが後ろに撫で付けていた髪を掻きむしり、飢えた目を空に向け、弧を描いた口端から小さな炎を吐き出していた。
「ぉぃ ぉい おい おいっ!」
慌てたヴァルトと2人の従者が駆け寄り、両手を広げて立ち塞がるとリオンは視線を向ける事もなく押し除けた。
『邪魔だ。兄ちゃん。』
無駄だと分かっていながらも、しがみついてくる3人を引きずり、ズンズンと歩みを進めるリオンの前に真っ赤なドレスを着た女性が進路を塞ぐ。
『良い加減になさい。
リオン。
我儘も大概にしてっ!』
キッと睨み付けるアリエーテに、既に眼孔が開ききって獣思考となっているリオンが苛立ち紛れに力を込め、コメカミに太い血管を浮かべた。
『ぅるせー。』
今にもアリエーテに手を出しそうなリオンの肩を掴み“顧慮する激昂”リブラが止めた。
『リオン。
“玉座”にいるのを忘れるなよ。
ここでの争いは御法度だぞ。』
ドラゴンのルールを思い出させようとするリブラの言葉すら届かないリオンは、その腕を乱暴に振り払った。
『黙れ。』
吠えずとも強烈な威嚇をするリオンは止まる気配すらない。
ドンッ!
そんな中、真っ黒な髪を持つ男がリオンの後頭部を掴み、山頂の地面に叩きつけた。
『トラゴス!』
“玉座”での戦いは禁止されている。
アリエーテが批判めいた声を上げると、当のトラゴスは実に白けた顔で顔面めり込むリオンを見下ろした。
『この愚か者を止めただけです。
私は別に争っていません。
この男は言っても聞かないでしょう。』
トラゴスは最短で問題を解決した自分が正しいと疑わない。
『あら~。
騒がしいわねぇ。』
困った様に眉を下げながらも他人事の様に微笑むポアソンと、巻き込まれない様にニナを抱きしめ身を縮めるキャンサーは役に立たないと悟り、珍しく舌打ちをしたアリエーテは力が入っているトラゴスの腕をポンポンと叩いた。
『分かったから、手を離しなさい。
“玉座”を汚す事は出来ないわ。』
『・・・分かりました。』
アリエーテの意見を受け入れたトラゴスが力を緩めた時だった。
ガンッ!!
トラゴスの腹に強い衝撃が走り、瞬く間に吹っ飛んでいった。
『痛てぇなぁー。』
頭を振りながら立ち上がったリオンが瞳に怒りの炎を灯していた。
『リオン!!』
アリエーテが咎めるとリオンは舌打ちをした。
『うるせーってんだよ。
お節介が!!
黙って見ていろ。』
幼い黒いドラゴンから降りてくるイオリを視界に入れたリオンは、もはや立ち止まらない。
『オラァァ!小僧!!
勝負だ!』
周囲が止めるのを潜り抜け、リオンはイオリに襲い掛かった。
ドンッ!!
天空にドラゴン達が聞いた事のない破裂音がした・・・。
分厚い雲を突き抜け、空高く登る太陽に反射した黒のドラゴンの頭上で、優雅に胡座を組むイオリが山頂に集まる者達を見下ろしていた。
『・・・面白れぇ。
やっぱり、アイツとは一戦やらなきゃ気がすまねぇ。』
それを見て、血を激らし武者震いしている男がいた。
「・・・ヴァルト。
少し不味いかもしれません。」
イオリに夢中になっていた中、従者のトゥーレに声を掛けられたヴァルトが振り返ると、“果敢なる強靭”リオンが後ろに撫で付けていた髪を掻きむしり、飢えた目を空に向け、弧を描いた口端から小さな炎を吐き出していた。
「ぉぃ ぉい おい おいっ!」
慌てたヴァルトと2人の従者が駆け寄り、両手を広げて立ち塞がるとリオンは視線を向ける事もなく押し除けた。
『邪魔だ。兄ちゃん。』
無駄だと分かっていながらも、しがみついてくる3人を引きずり、ズンズンと歩みを進めるリオンの前に真っ赤なドレスを着た女性が進路を塞ぐ。
『良い加減になさい。
リオン。
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キッと睨み付けるアリエーテに、既に眼孔が開ききって獣思考となっているリオンが苛立ち紛れに力を込め、コメカミに太い血管を浮かべた。
『ぅるせー。』
今にもアリエーテに手を出しそうなリオンの肩を掴み“顧慮する激昂”リブラが止めた。
『リオン。
“玉座”にいるのを忘れるなよ。
ここでの争いは御法度だぞ。』
ドラゴンのルールを思い出させようとするリブラの言葉すら届かないリオンは、その腕を乱暴に振り払った。
『黙れ。』
吠えずとも強烈な威嚇をするリオンは止まる気配すらない。
ドンッ!
そんな中、真っ黒な髪を持つ男がリオンの後頭部を掴み、山頂の地面に叩きつけた。
『トラゴス!』
“玉座”での戦いは禁止されている。
アリエーテが批判めいた声を上げると、当のトラゴスは実に白けた顔で顔面めり込むリオンを見下ろした。
『この愚か者を止めただけです。
私は別に争っていません。
この男は言っても聞かないでしょう。』
トラゴスは最短で問題を解決した自分が正しいと疑わない。
『あら~。
騒がしいわねぇ。』
困った様に眉を下げながらも他人事の様に微笑むポアソンと、巻き込まれない様にニナを抱きしめ身を縮めるキャンサーは役に立たないと悟り、珍しく舌打ちをしたアリエーテは力が入っているトラゴスの腕をポンポンと叩いた。
『分かったから、手を離しなさい。
“玉座”を汚す事は出来ないわ。』
『・・・分かりました。』
アリエーテの意見を受け入れたトラゴスが力を緩めた時だった。
ガンッ!!
トラゴスの腹に強い衝撃が走り、瞬く間に吹っ飛んでいった。
『痛てぇなぁー。』
頭を振りながら立ち上がったリオンが瞳に怒りの炎を灯していた。
『リオン!!』
アリエーテが咎めるとリオンは舌打ちをした。
『うるせーってんだよ。
お節介が!!
黙って見ていろ。』
幼い黒いドラゴンから降りてくるイオリを視界に入れたリオンは、もはや立ち止まらない。
『オラァァ!小僧!!
勝負だ!』
周囲が止めるのを潜り抜け、リオンはイオリに襲い掛かった。
ドンッ!!
天空にドラゴン達が聞いた事のない破裂音がした・・・。
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