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旅路 〜カプリース・ドラゴンの試練〜
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「さてと・・・。」
イオリは口から煙を吐いて白目を剥いて倒れる大蛇の前に立つと頭を掻いた。
「時間が惜しいから、もう行くね。
無理しちゃダメだよ。」
イオリを襲ったニューサンスという大蛇は、イオリの放つ雷撃の前になす術もなく敗北した。
内臓から痺れていて意識を失っているが、時間が経てば目を覚ます筈だ。
「食べる必要はないから、命は取らないよ。」
イオリはダラリと舌を出している大蛇の口元をパンパンと叩くと、気絶しているにも関わらず瞼がピクピクしているのを確認すると、その場を離れた。
光の玉がイオリを心配するかのようにユラユラと纏わりついてくる。
「大丈夫だよ。」
微笑むイオリに光の玉は離れてピョンピョンと飛び跳ねた。
「ニナだったら、君達が何を言っているのか分かるんだけどね。
ごめん。」
自分を気にしてくれているだろう精霊に手を振ると、イオリは木に登り始めた。
「下は魔獣との遭遇率も高そうだから、上から行こう。」
木々の枝を飛び移って移動するイオリを気にする魔獣は少なそうだ。
「あっ!ごめん!」
一休みしていたリスや鳥達が慌てて避けるのを見て、イオリは苦笑した。
抗議を上げながら落ちそうなるリスを鳥が必死に支えていた。
「カプリースには絶対的捕食者のドラゴンがいるから、その他の生物の仲が良いな。」
種族の垣根を超えて助け合う姿が微笑ましく見えた。
ジェモーの石造りの塔から時間も経たずに山の麓までやってきた。
先程の大蛇を除けば、大して危ない目に遭わずにいたイオリの体力は余裕があった。
「来たよ。
スカイヤ。
待ってろよ。」
山頂に行けば行く程に岩肌が見える山を見上げるとイオリは大きな息を吸った。
「よしっ。」
イオリが気合いを入れた時だった。
ギャルルルル!!
グワァァァ!!
ガラァーーーゴォン!!
山の至る所から地面を揺らす雄叫びが聞こえた。
「おおおおお。」
流石のイオリもお腹を抑えて、響いてくる衝撃に驚いた。
「・・・これからが本番って?
ドラゴンも出てくるのかな?」
イオリは何とも言えない顔をして山を見上げた。
「面倒だなぁ。」
恐れるのではなく、心底面倒だという声が漏れると光の玉が可笑しそうに揺れていた。
侵入者が、そんな事を思っているとは知らない刺客達はやる気に満ちていた。
世界中、どこに行っても恐れられるドラゴンが人間1人を相手に、やられるわけがないのだ。
スカイヤという崇拝するべき主人に気軽に会いに来た人間に目に物を言わせてやる。
ドラゴン達は知らなかった。
その主人が負けを認めた相手がやって来たという事を・・・。
「あっ・・・。
良い事を思いついた。」
そんな中、イオリは1人楽しそうに悪巧みをする子供のように微笑むのだった。
イオリは口から煙を吐いて白目を剥いて倒れる大蛇の前に立つと頭を掻いた。
「時間が惜しいから、もう行くね。
無理しちゃダメだよ。」
イオリを襲ったニューサンスという大蛇は、イオリの放つ雷撃の前になす術もなく敗北した。
内臓から痺れていて意識を失っているが、時間が経てば目を覚ます筈だ。
「食べる必要はないから、命は取らないよ。」
イオリはダラリと舌を出している大蛇の口元をパンパンと叩くと、気絶しているにも関わらず瞼がピクピクしているのを確認すると、その場を離れた。
光の玉がイオリを心配するかのようにユラユラと纏わりついてくる。
「大丈夫だよ。」
微笑むイオリに光の玉は離れてピョンピョンと飛び跳ねた。
「ニナだったら、君達が何を言っているのか分かるんだけどね。
ごめん。」
自分を気にしてくれているだろう精霊に手を振ると、イオリは木に登り始めた。
「下は魔獣との遭遇率も高そうだから、上から行こう。」
木々の枝を飛び移って移動するイオリを気にする魔獣は少なそうだ。
「あっ!ごめん!」
一休みしていたリスや鳥達が慌てて避けるのを見て、イオリは苦笑した。
抗議を上げながら落ちそうなるリスを鳥が必死に支えていた。
「カプリースには絶対的捕食者のドラゴンがいるから、その他の生物の仲が良いな。」
種族の垣根を超えて助け合う姿が微笑ましく見えた。
ジェモーの石造りの塔から時間も経たずに山の麓までやってきた。
先程の大蛇を除けば、大して危ない目に遭わずにいたイオリの体力は余裕があった。
「来たよ。
スカイヤ。
待ってろよ。」
山頂に行けば行く程に岩肌が見える山を見上げるとイオリは大きな息を吸った。
「よしっ。」
イオリが気合いを入れた時だった。
ギャルルルル!!
グワァァァ!!
ガラァーーーゴォン!!
山の至る所から地面を揺らす雄叫びが聞こえた。
「おおおおお。」
流石のイオリもお腹を抑えて、響いてくる衝撃に驚いた。
「・・・これからが本番って?
ドラゴンも出てくるのかな?」
イオリは何とも言えない顔をして山を見上げた。
「面倒だなぁ。」
恐れるのではなく、心底面倒だという声が漏れると光の玉が可笑しそうに揺れていた。
侵入者が、そんな事を思っているとは知らない刺客達はやる気に満ちていた。
世界中、どこに行っても恐れられるドラゴンが人間1人を相手に、やられるわけがないのだ。
スカイヤという崇拝するべき主人に気軽に会いに来た人間に目に物を言わせてやる。
ドラゴン達は知らなかった。
その主人が負けを認めた相手がやって来たという事を・・・。
「あっ・・・。
良い事を思いついた。」
そんな中、イオリは1人楽しそうに悪巧みをする子供のように微笑むのだった。
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