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旅路 〜カプリース〜
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『・・・よろしくね。』
恥ずかしがるキャンサーが隠れていた木をリオンが徐に張り倒す。
バリバリバリッ!ドガーン!
『キャッ!』
土煙を上げながら倒れる木の影でキャンサーが短い悲鳴を上げた。
『お前はいつも、まどろっこしいんだよ。
さっさと顔を出しやがれ。』
自分が正しいとばかりにキャンサーの首根っこを掴んで戻ってきたリオンにジェモーとアリエーテの溜息が聞こえた。
『それだから、キャンサーは貴方に近づかないのですよ。』
『デリカシーのない男は本当に駄目ね。』
顔面蒼白のキャンサーを地面に放り投げるとリオンは苦虫を潰したような顔をした。
『うるせーな。
お前達がコイツを甘やかすから、いつまでもウジウジしてるんだろうが。』
そこに母性感じる優しい声が聞こえてきた。
『ウジウジしているのではなく、キャンサーは人見知りなのよ。
慣れればコミュニケーションくらい取れます。
見守る事は年上の特権ですよ。』
『ゲッ!ポワソン。』
ニコニコと階段を降りてきた水色の髪の美女・ポアソンに嗜められてリオンは不味いと慌て始めた。
『さぁ、キャンサー立ちましょう。
イオリ達は大丈夫よ。』
周囲を気にしていたキャンサーを立ち上がらせたポワソンはイオリ達に振り返った。
『キャンサーはね。
人族が苦手というよりも、人族が自分を怖がらないか心配なの。
以前、助けた人族にドラゴンと知られて怖がられてから気にするようになってしまったのよ。』
微笑むポワソンから顔を出すとキャンサーは子供達をジッと見つめた。
『・・・怖がらせたくない。』
そんなキャンサーに薄紫色のフワフワした髪を持った狼獣人の少女が近づいた。
「怖がらないよ!」
常に先陣を切る少女パティほど、この雰囲気を壊せる者はいない。
「何そいつ!
助けて貰っといて怖がるなんて最低。
キャンサーちゃん、最高じゃん!」
恐れを知らぬパティにキョトンとするキャンサーを見て、イオリはクスッと笑った。
「ウチには人の感情の機微など関係ない奴がいるからな。」
それまでの緊張感など無くなったかのようにヒューゴが呆れ笑いをする中、次々と子供達がドラゴンに近づいていった。
「キャンサーちゃんはアプリコットの色を持ってるんだね。」
ニナがキラキラした目で見上げるとキャンサーは戸惑ったように自身の丸っこいボブの髪を撫でた。
『アプリコットの色って私の鱗の事?
そんなに可愛い色?』
キャンサーが恥ずかしそうに微笑むと、パティとニナは顔を見合わせニコリと頷いた。
「「可愛い!!」」
真っ赤なウェーブをしたドラゴンと水色の髪を結ったドラゴンが挨拶を交わしているとエルフの少年が話しかけた。
「ねー。トーロはどうしたの?」
ナギの問いかけにポワソンが苦笑した。
『貴方に見せて貰った絵本に夢中よ。
面倒だから置いて来ちゃったわ。』
『何?アイツもいるの?
良いわ。放っておきましょう。
ボウヤはエルフなの?
綺麗な髪ね。』
アリエーテに頭を撫でられたナギはニコッと笑った。
「お姉さんもね。」
『まぁ、良い子ね。』
その後ろではリオンがスコルに絡まれていた。
「戦うの好きなの?
オレと戦おう!」
『何だ小僧。
俺は弱き物とは戦わんぞ。』
「ドラゴンの強さを見てみたい!」
『フム。
見込みがあるかもしれんな。
ヨシっ!
“愛し子”と戦った後だな。』
「えー。
イオリの後じゃ、リオンがダメダメだよ。」
たとえドラゴン相手であろうとイオリが勝つと信じているスコルは頬を膨らませた。
『小僧は・・・俺が負けると言うか?」
「うん。」
好戦的と言われる“果敢なる強靭”リオン。
スコルの言葉に怒りを見せるかと思いきや、一転ニヤニヤとし始めた。
「それは面白いのぉ。」
再びの熱い眼差しに寒気を感じるイオリだった。
恥ずかしがるキャンサーが隠れていた木をリオンが徐に張り倒す。
バリバリバリッ!ドガーン!
『キャッ!』
土煙を上げながら倒れる木の影でキャンサーが短い悲鳴を上げた。
『お前はいつも、まどろっこしいんだよ。
さっさと顔を出しやがれ。』
自分が正しいとばかりにキャンサーの首根っこを掴んで戻ってきたリオンにジェモーとアリエーテの溜息が聞こえた。
『それだから、キャンサーは貴方に近づかないのですよ。』
『デリカシーのない男は本当に駄目ね。』
顔面蒼白のキャンサーを地面に放り投げるとリオンは苦虫を潰したような顔をした。
『うるせーな。
お前達がコイツを甘やかすから、いつまでもウジウジしてるんだろうが。』
そこに母性感じる優しい声が聞こえてきた。
『ウジウジしているのではなく、キャンサーは人見知りなのよ。
慣れればコミュニケーションくらい取れます。
見守る事は年上の特権ですよ。』
『ゲッ!ポワソン。』
ニコニコと階段を降りてきた水色の髪の美女・ポアソンに嗜められてリオンは不味いと慌て始めた。
『さぁ、キャンサー立ちましょう。
イオリ達は大丈夫よ。』
周囲を気にしていたキャンサーを立ち上がらせたポワソンはイオリ達に振り返った。
『キャンサーはね。
人族が苦手というよりも、人族が自分を怖がらないか心配なの。
以前、助けた人族にドラゴンと知られて怖がられてから気にするようになってしまったのよ。』
微笑むポワソンから顔を出すとキャンサーは子供達をジッと見つめた。
『・・・怖がらせたくない。』
そんなキャンサーに薄紫色のフワフワした髪を持った狼獣人の少女が近づいた。
「怖がらないよ!」
常に先陣を切る少女パティほど、この雰囲気を壊せる者はいない。
「何そいつ!
助けて貰っといて怖がるなんて最低。
キャンサーちゃん、最高じゃん!」
恐れを知らぬパティにキョトンとするキャンサーを見て、イオリはクスッと笑った。
「ウチには人の感情の機微など関係ない奴がいるからな。」
それまでの緊張感など無くなったかのようにヒューゴが呆れ笑いをする中、次々と子供達がドラゴンに近づいていった。
「キャンサーちゃんはアプリコットの色を持ってるんだね。」
ニナがキラキラした目で見上げるとキャンサーは戸惑ったように自身の丸っこいボブの髪を撫でた。
『アプリコットの色って私の鱗の事?
そんなに可愛い色?』
キャンサーが恥ずかしそうに微笑むと、パティとニナは顔を見合わせニコリと頷いた。
「「可愛い!!」」
真っ赤なウェーブをしたドラゴンと水色の髪を結ったドラゴンが挨拶を交わしているとエルフの少年が話しかけた。
「ねー。トーロはどうしたの?」
ナギの問いかけにポワソンが苦笑した。
『貴方に見せて貰った絵本に夢中よ。
面倒だから置いて来ちゃったわ。』
『何?アイツもいるの?
良いわ。放っておきましょう。
ボウヤはエルフなの?
綺麗な髪ね。』
アリエーテに頭を撫でられたナギはニコッと笑った。
「お姉さんもね。」
『まぁ、良い子ね。』
その後ろではリオンがスコルに絡まれていた。
「戦うの好きなの?
オレと戦おう!」
『何だ小僧。
俺は弱き物とは戦わんぞ。』
「ドラゴンの強さを見てみたい!」
『フム。
見込みがあるかもしれんな。
ヨシっ!
“愛し子”と戦った後だな。』
「えー。
イオリの後じゃ、リオンがダメダメだよ。」
たとえドラゴン相手であろうとイオリが勝つと信じているスコルは頬を膨らませた。
『小僧は・・・俺が負けると言うか?」
「うん。」
好戦的と言われる“果敢なる強靭”リオン。
スコルの言葉に怒りを見せるかと思いきや、一転ニヤニヤとし始めた。
「それは面白いのぉ。」
再びの熱い眼差しに寒気を感じるイオリだった。
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