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旅路 〜カプリース〜
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かつて混沌とした時代、種族の垣根を超えて力を合わせた者達は一丸となって“ダークエルフ・ルミエール”に立ち向かった。
彼らは“ダークエルフ・ルミエール”の闇の力を押さえ込む事に成功したが、その魂の消滅までは出来なかった。
“不可侵の条約”
“ダークエルフ・ルミエール”が創った“エルフの里”が他の種族に干渉しない絶対のルールが結ばれたが、これはまた、他の種族が“エルフの里”に干渉しないと言う事でもあった。
“エルフの里”は他種族と切り離され、争いは無くなった。
_____
『そう思われてきました。
しかし実際には、簡単な事ではありません。
“不可侵の条約”
そんな物の効力は互いの納得にすぎない事を当時の者達は分かっていました。』
檻に閉じ込めるわけでも、魔法で縛るわけでもない。
『監視役が必要でした。
再び“エルフの里”が暴挙に出ないように・・・。
“ダークエルフ・ルミエール”が力を取り戻さないように・・・。
それがドラゴンに与えられた役目でした。』
ジェモーの紡ぐ話を子供達も大人達も真剣な面持ちで聞いていた。
『混沌とした時代を生き抜いたドラゴン達は考えました。
ドラゴンは他種族と比べて力が強大で共存は難しいと理解していました。
だから神に願ったのです。
世界の均衡を保つ手伝いをする代わりにドラゴンが生きる場所を与えてほしい。
絶対神リュオンはドラゴンの願いを叶えました。
そうしてドラゴンの国“カプリース”は出来たのです。』
言葉を挟む事すら出来ずにいたイオリ達にジェモーは優しく微笑んだ。
『次の疑問は“カプリース”の場所。
そして我々が人型を取っている理由でしょうか?』
「海の中にカプリースがあるのですか?」
どうしても御伽話と結びつけたいナギが問いかけるとジェモーはニコニコと首を横に振った。
『海の中という表現は違います。
魔法陣で結ばれた地上にはない世界と言う方が正しいのです。』
言い切るジェモーの言葉にも一同の疑問は解消されない。
余計に分からなくなるばかりだった。
『違う空間という事ですか?』
さすがのルチアも黙ってはいられない様で、ジェモーの話に戸惑ってさえいた。
『そちらの方がしっくりきますね。
あぁ、ほら。
貴方達がダンジョンと呼ぶ、不思議な空間があるでしょう?
あれと同じです。』
「「ダンジョン!?」」
驚きの声を上げた双子の頭を撫でるとジェモーは思案気に微笑んだ。
『ダンジョンで、倒された魔獣が何度も復活するのを不思議に思った事は?
宝箱は、どの様に現れるのだろうと考えた事は?』
「それは、絶対神の思し召しで・・・。」
尻込みながら答えるヴァルトにジェモーはグイッと顔を近づけた。
『では、絶対神は何のためにダンジョンを世界中に散らばせたのでしょう。』
困った様に首を捻る一同を見渡すとジェモーはニコリとした。
『此処で、そんな事を調べ研究しているのです。』
かつて混沌とした時代、種族の垣根を超えて力を合わせた者達は一丸となって“ダークエルフ・ルミエール”に立ち向かった。
彼らは“ダークエルフ・ルミエール”の闇の力を押さえ込む事に成功したが、その魂の消滅までは出来なかった。
“不可侵の条約”
“ダークエルフ・ルミエール”が創った“エルフの里”が他の種族に干渉しない絶対のルールが結ばれたが、これはまた、他の種族が“エルフの里”に干渉しないと言う事でもあった。
“エルフの里”は他種族と切り離され、争いは無くなった。
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『そう思われてきました。
しかし実際には、簡単な事ではありません。
“不可侵の条約”
そんな物の効力は互いの納得にすぎない事を当時の者達は分かっていました。』
檻に閉じ込めるわけでも、魔法で縛るわけでもない。
『監視役が必要でした。
再び“エルフの里”が暴挙に出ないように・・・。
“ダークエルフ・ルミエール”が力を取り戻さないように・・・。
それがドラゴンに与えられた役目でした。』
ジェモーの紡ぐ話を子供達も大人達も真剣な面持ちで聞いていた。
『混沌とした時代を生き抜いたドラゴン達は考えました。
ドラゴンは他種族と比べて力が強大で共存は難しいと理解していました。
だから神に願ったのです。
世界の均衡を保つ手伝いをする代わりにドラゴンが生きる場所を与えてほしい。
絶対神リュオンはドラゴンの願いを叶えました。
そうしてドラゴンの国“カプリース”は出来たのです。』
言葉を挟む事すら出来ずにいたイオリ達にジェモーは優しく微笑んだ。
『次の疑問は“カプリース”の場所。
そして我々が人型を取っている理由でしょうか?』
「海の中にカプリースがあるのですか?」
どうしても御伽話と結びつけたいナギが問いかけるとジェモーはニコニコと首を横に振った。
『海の中という表現は違います。
魔法陣で結ばれた地上にはない世界と言う方が正しいのです。』
言い切るジェモーの言葉にも一同の疑問は解消されない。
余計に分からなくなるばかりだった。
『違う空間という事ですか?』
さすがのルチアも黙ってはいられない様で、ジェモーの話に戸惑ってさえいた。
『そちらの方がしっくりきますね。
あぁ、ほら。
貴方達がダンジョンと呼ぶ、不思議な空間があるでしょう?
あれと同じです。』
「「ダンジョン!?」」
驚きの声を上げた双子の頭を撫でるとジェモーは思案気に微笑んだ。
『ダンジョンで、倒された魔獣が何度も復活するのを不思議に思った事は?
宝箱は、どの様に現れるのだろうと考えた事は?』
「それは、絶対神の思し召しで・・・。」
尻込みながら答えるヴァルトにジェモーはグイッと顔を近づけた。
『では、絶対神は何のためにダンジョンを世界中に散らばせたのでしょう。』
困った様に首を捻る一同を見渡すとジェモーはニコリとした。
『此処で、そんな事を調べ研究しているのです。』
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