661 / 785
旅路 〜カプリースへ〜
669
しおりを挟む
真っ白なフサフサの尻尾に鼻を擽ぐられ眠りから覚めたイオリは起き上がると、熟睡する家族達にニッコリとした。
ベットから降りて、顔を洗うと冷蔵庫と冷凍庫を覗き込み残り物の確認をする。
旅を続ける上で食料の在庫の把握は必要な事で、イオリの大切な日課ではあるがパティの盗み食いのチェックでもある事は加筆しておこう。
道中で狩った獲物が多かった為に、この日は冷蔵庫も冷凍庫も沢山の食材が入っていた。
もう一度、眠る家族に視線を向けるとイオリは階段を登りテントから出て行った。
太陽が昇り始めた空は白み、辺りはまだ薄暗い。
ゴブリンの住みかだった場所で眠りたくないと言う子供達の抗議を受け、移動したのは結局当初の川沿いの道であった。
イオリは手を伸ばし大きな欠伸をした。
ストレッチをするところからイオリの朝が始まる。
誰よりも早く起きて念入りに体を解すイオリは、この時間を大切にする。
そのうちにヒューゴが起きてきて、短い挨拶の後に同じくストレッチをし、朝食の時間まで満足するまで大剣を振り続けるのだ。
その間、イオリは順調に体を動かし最後に瞑想をする。
初めこそ、瞑想にちょっかいを出してきていた家族達もイオリの集中力の前に徐々に飽きてしまい、今では放っておいている。
イオリが朝のルーティーンを全て終わらせる頃になると、眠たげなスコルが起きてくる。
スコルはイオリと2人で過ごす朝食の準備の時間が大好きだった。
それは普段は長男として、しっかり者であるスコルがイオリに甘えられる貴重な時間だった。
朝食の香りが漂い始めると賑やかさが増してくる。
ゼンとアウラを引き連れたナギが姿を現せる。
その頃にはトレーニングを終わらせるヒューゴと朝風呂に入るナギは、美しい癖のない緑色の髪をハーフアップに纏めている。
髪留めには、両親が残したリボンとイオリが選んだ木の実の飾りがついていて、ナギのお気に入りだ。
もっと時間が経つとニナがパティを急き立てて飛び出してくる。
寝坊助のパティの朝の世話は、いつの間にかニナが担当になっていた。
お風呂に放り込みさえすれば目覚めてくれるパティであるが、酷い時はパジャマのままで朝食に参加する。
食べ物の匂いに釣られて眠りから醒めるのだが、そんな日は大概スコルかヒューゴに説教される。
イオリに助けを求めても、ニコニコとされるだけで守ってはもらえない。
時にはイオリからも小言をもらう始末だ。
御機嫌なニナを見れば、この日はどうやら素直に目覚めたらしい。
その他の身支度を終えた2人の少女達は、朝食までの時間を互いの髪の毛を結く事に充てる事が多い。
薄紫の優しいウェーブの掛かったパティの長い髪に憧れたニナも、今では美しい金色のストレートの髪を伸ばしている。
器用にヘアアレンジを楽しむパティは、こんな時ばかりは美少女であると思い出させられるのだ。
「出来たよ!」
スコルの呼び声に、家族がゾロゾロと集まると朝食の時間を迎える。
今日は何をするだの、何処まで行くのだのと会話をしながら朝食を楽しむのだ。
食事を終えるとスコルとイオリが風呂に入りに行く。
その間に家族達は片付けや旅の準備を終わらせる。
2人が戻って来ると、馬車に乗り込み旅の再開だ。
この日も同じように陽気に旅路を進んでいた。
暫くするとゼンの鼻がピクピクと動いた。
『海の匂いがする。』
ゼンの言う通りだった。
暫くすると、大海原が姿を見せたのだ。
「やったー!海だぁ!」
喜ぶ子供達にイオリとヒューゴも微笑んだ。
そんな時だった。
「おーい!」
遠くの方から誰かが呼ぶ声がした。
ベットから降りて、顔を洗うと冷蔵庫と冷凍庫を覗き込み残り物の確認をする。
旅を続ける上で食料の在庫の把握は必要な事で、イオリの大切な日課ではあるがパティの盗み食いのチェックでもある事は加筆しておこう。
道中で狩った獲物が多かった為に、この日は冷蔵庫も冷凍庫も沢山の食材が入っていた。
もう一度、眠る家族に視線を向けるとイオリは階段を登りテントから出て行った。
太陽が昇り始めた空は白み、辺りはまだ薄暗い。
ゴブリンの住みかだった場所で眠りたくないと言う子供達の抗議を受け、移動したのは結局当初の川沿いの道であった。
イオリは手を伸ばし大きな欠伸をした。
ストレッチをするところからイオリの朝が始まる。
誰よりも早く起きて念入りに体を解すイオリは、この時間を大切にする。
そのうちにヒューゴが起きてきて、短い挨拶の後に同じくストレッチをし、朝食の時間まで満足するまで大剣を振り続けるのだ。
その間、イオリは順調に体を動かし最後に瞑想をする。
初めこそ、瞑想にちょっかいを出してきていた家族達もイオリの集中力の前に徐々に飽きてしまい、今では放っておいている。
イオリが朝のルーティーンを全て終わらせる頃になると、眠たげなスコルが起きてくる。
スコルはイオリと2人で過ごす朝食の準備の時間が大好きだった。
それは普段は長男として、しっかり者であるスコルがイオリに甘えられる貴重な時間だった。
朝食の香りが漂い始めると賑やかさが増してくる。
ゼンとアウラを引き連れたナギが姿を現せる。
その頃にはトレーニングを終わらせるヒューゴと朝風呂に入るナギは、美しい癖のない緑色の髪をハーフアップに纏めている。
髪留めには、両親が残したリボンとイオリが選んだ木の実の飾りがついていて、ナギのお気に入りだ。
もっと時間が経つとニナがパティを急き立てて飛び出してくる。
寝坊助のパティの朝の世話は、いつの間にかニナが担当になっていた。
お風呂に放り込みさえすれば目覚めてくれるパティであるが、酷い時はパジャマのままで朝食に参加する。
食べ物の匂いに釣られて眠りから醒めるのだが、そんな日は大概スコルかヒューゴに説教される。
イオリに助けを求めても、ニコニコとされるだけで守ってはもらえない。
時にはイオリからも小言をもらう始末だ。
御機嫌なニナを見れば、この日はどうやら素直に目覚めたらしい。
その他の身支度を終えた2人の少女達は、朝食までの時間を互いの髪の毛を結く事に充てる事が多い。
薄紫の優しいウェーブの掛かったパティの長い髪に憧れたニナも、今では美しい金色のストレートの髪を伸ばしている。
器用にヘアアレンジを楽しむパティは、こんな時ばかりは美少女であると思い出させられるのだ。
「出来たよ!」
スコルの呼び声に、家族がゾロゾロと集まると朝食の時間を迎える。
今日は何をするだの、何処まで行くのだのと会話をしながら朝食を楽しむのだ。
食事を終えるとスコルとイオリが風呂に入りに行く。
その間に家族達は片付けや旅の準備を終わらせる。
2人が戻って来ると、馬車に乗り込み旅の再開だ。
この日も同じように陽気に旅路を進んでいた。
暫くするとゼンの鼻がピクピクと動いた。
『海の匂いがする。』
ゼンの言う通りだった。
暫くすると、大海原が姿を見せたのだ。
「やったー!海だぁ!」
喜ぶ子供達にイオリとヒューゴも微笑んだ。
そんな時だった。
「おーい!」
遠くの方から誰かが呼ぶ声がした。
1,145
あなたにおすすめの小説
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。
なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。
普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。
それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。
そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる