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旅路 〜カプリースへ〜
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「良い?ヒューゴ!
合図したらシールド解除してね。」
子供達が配置についたのを見たヒューゴは手を振るスコルに頷いた。
シールドの向こう側にゴブリンキングが暴れているのが見えているのに、恐れる事のない4人にヒューゴは感心した。
洞窟の正面に立ったのは1番小さいニナだった。
再び杖を振り上げたニナの呼び声に光の玉が集まっていく。
「今度は何だ?」
最早、子供達の攻撃の起点となっているニナの成長にヒューゴは楽しそうに微笑んだ。
光の大きな玉は徐々に人型へと変化していった。
「ヒューゴ解除!」
スコルが大きな声で手を振った。
ゴブリンキングは突如解除されたシールドに一瞬戸惑いながらも、目の前の小さな少女を見下ろし醜く笑った。
ニナも負けじとゴブリンキングを睨みつけている。
「不潔は敵です。
お仕置きです!」
ニナの張り上げた声に人型となったていた光が一気に弾け飛び、ゴブリンキングへ強烈な閃光を浴びさせた。
グガァァァ!!
強い眩しさに痛みと眩暈が襲い、よろめくゴブリンキングの耳にポロンポロンと優しい音色が聞こえてきた。
光の所為で目が開かないゴブリンキングがジタバタともがき始めると、ナギの奏でるライアーの音色に誘われて木の根が踊るように生え出し、ゴブリンキングの足に絡みつき始めた。
「もらい!!」
その隙を逃さないパティがゴブリンキングの目に飛び掛かった。
ギャァァー!!
パティの何度も切り刻む乱れ切りの攻撃を受けたゴブリンキングは、両手を目で覆いながら大きな音と土煙を上げて倒れてしまった。
「最後だよ。」
激痛に暴れるゴブリンキングにゆっくりと少年が近づいて行く。
どんなに嫌でも敵と見定めれば、子供とは思えない集中力を見せるスコルが、背負っていた長剣を握りしめた。
深い息を吐くとスコルは電光石火の速さで剣を抜き、自分の体の何倍もの大きさのゴブリンキングの頭を音も立てずに切り落とした。
「「「・・・。」」」
戦いが終わりを迎え、無言で顔を見合わせる子供達はブルブルと震えた。
思った以上の惨劇を目にしたヒューゴは子供達の心のケアを心配し駆け寄った。
すると
「ウォォォォ!うまくいったぁぁ!」
「凄い!凄い!何今の!?」
「シュパンッ!ってシュパンって!」
「スコルちゃん、かっこいい!!」
大興奮で抱き合う子供達にヒューゴはドン引きした。
『あー。出来るようになってる。』
なんて事ない様に言うゼンにヒューゴは問いかけるような目付きで見下ろした。
『なんかねぇ。
ノブタカに居合い切りのコツを教えてもらったって言ってたよ。』
グランヌス国王トウカ・ノブタカ・ショーグンに直に手解きを受けたというスコル。
かと言ってノブタカ本人も、体の出来ていない少年が少し教えただけで高速の居合い切りをマスターするとは考えていなかったに違いない。
「末恐ろしいな・・・。
自重を教えないと。」
『もう、手遅れなんじゃない?』
揶揄うゼンに反論も出来ずに顔を顰めるヒューゴだった。
合図したらシールド解除してね。」
子供達が配置についたのを見たヒューゴは手を振るスコルに頷いた。
シールドの向こう側にゴブリンキングが暴れているのが見えているのに、恐れる事のない4人にヒューゴは感心した。
洞窟の正面に立ったのは1番小さいニナだった。
再び杖を振り上げたニナの呼び声に光の玉が集まっていく。
「今度は何だ?」
最早、子供達の攻撃の起点となっているニナの成長にヒューゴは楽しそうに微笑んだ。
光の大きな玉は徐々に人型へと変化していった。
「ヒューゴ解除!」
スコルが大きな声で手を振った。
ゴブリンキングは突如解除されたシールドに一瞬戸惑いながらも、目の前の小さな少女を見下ろし醜く笑った。
ニナも負けじとゴブリンキングを睨みつけている。
「不潔は敵です。
お仕置きです!」
ニナの張り上げた声に人型となったていた光が一気に弾け飛び、ゴブリンキングへ強烈な閃光を浴びさせた。
グガァァァ!!
強い眩しさに痛みと眩暈が襲い、よろめくゴブリンキングの耳にポロンポロンと優しい音色が聞こえてきた。
光の所為で目が開かないゴブリンキングがジタバタともがき始めると、ナギの奏でるライアーの音色に誘われて木の根が踊るように生え出し、ゴブリンキングの足に絡みつき始めた。
「もらい!!」
その隙を逃さないパティがゴブリンキングの目に飛び掛かった。
ギャァァー!!
パティの何度も切り刻む乱れ切りの攻撃を受けたゴブリンキングは、両手を目で覆いながら大きな音と土煙を上げて倒れてしまった。
「最後だよ。」
激痛に暴れるゴブリンキングにゆっくりと少年が近づいて行く。
どんなに嫌でも敵と見定めれば、子供とは思えない集中力を見せるスコルが、背負っていた長剣を握りしめた。
深い息を吐くとスコルは電光石火の速さで剣を抜き、自分の体の何倍もの大きさのゴブリンキングの頭を音も立てずに切り落とした。
「「「・・・。」」」
戦いが終わりを迎え、無言で顔を見合わせる子供達はブルブルと震えた。
思った以上の惨劇を目にしたヒューゴは子供達の心のケアを心配し駆け寄った。
すると
「ウォォォォ!うまくいったぁぁ!」
「凄い!凄い!何今の!?」
「シュパンッ!ってシュパンって!」
「スコルちゃん、かっこいい!!」
大興奮で抱き合う子供達にヒューゴはドン引きした。
『あー。出来るようになってる。』
なんて事ない様に言うゼンにヒューゴは問いかけるような目付きで見下ろした。
『なんかねぇ。
ノブタカに居合い切りのコツを教えてもらったって言ってたよ。』
グランヌス国王トウカ・ノブタカ・ショーグンに直に手解きを受けたというスコル。
かと言ってノブタカ本人も、体の出来ていない少年が少し教えただけで高速の居合い切りをマスターするとは考えていなかったに違いない。
「末恐ろしいな・・・。
自重を教えないと。」
『もう、手遅れなんじゃない?』
揶揄うゼンに反論も出来ずに顔を顰めるヒューゴだった。
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