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旅路 〜グランヌス・王宮〜
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ーーー火龍様。
山彦のように聞こえた言葉の意味を受け止めきれずにいるカンスケ爺やとヒューゴを置き去りに、子供達は大興奮だった。
「本当っ!?
本当の火龍様?」
「うん。そうだよ。」
「火龍様。
パティの事、助けてくれてありがとう。」
「どういたしまして。
元気な子だね。」
「火龍様、人になれるの?」
「こっちの方が、人里に降りて来れるからね。
祭りは混ざらなきゃ面白くない。」
「ニナ。ドラゴンって初めて見た!」
「それじゃあ、仲良くしよう。」
恐れる事なく火龍に纏わりつく子供達にイオリは苦笑した。
「ほら、みんな。
火龍様が困るだろう。」
すると火龍がニナの頭を手荒く撫でながら首を振った。
「困ってないよ。
楽しいよ。
久々に嘘のない笑い声を聞いて気分が良いんだ。
稀人。
スカイヤの事を名で呼んでいるのなら、私の事も“ラーヴァ”と呼んで。」
荒々しい見た目と違い、人懐っこい笑顔の火龍にイオリも微笑む。
「分かりました。ラーヴァ。
俺はイオリです。
宜しくお願いします。」
「うん。
宜しくね。イオリ。」
2人が、挨拶を終わらしたところで呆然としていたカンスケ爺やとヒューゴが騒ぎ出したが、穏やかなイオリと火龍様、改め、ラーヴァを前に騒いでいるのも馬鹿らしくなり疲れた様にグッタリとした。
ピチチッ
「おや、君も来たのかい?」
何処に隠れていたのか、姿の見えなかった真紅の小鳥が不機嫌そうにラーヴァに絡みついた。
「私を探してたって?
本当に君はのんびりさんだね。
私は言わなかったかい?
早くしないと、グランヌスがなくなるよって。」
さらっと怖い事を言うラーヴァにイオリのみならず、大人達がギョッとすると、ソルが怒った様にラーヴァの額をツンツンツンツン!と突っついた。
「痛テテテッ!
痛いよ。」
小さな小鳥に怒られる火龍・・・。
何とも言えない光景をイオリが慌てて止めた。
「ちょっと、ソル?
ストップ!ストップ!
何の話っ?!」
手の中で、必死に訴える小鳥と涙目で額を擦るラーヴァを交互に見るイオリにヒューゴが恐々と声を掛けた。
「・・・ソル。
何だって?」
一連の話を聞いたイオリは溜息を吐いた。
「ラーヴァは、この地がグランヌスと呼ばれる以前から火山を守護する火龍です。
人が住み始め、交流をもつ様になってからラーヴァは人里が・・・グランヌスが好きになった。
でも、今のグランヌスはラーヴァの好きなグランヌスではない。
彼の怒りのキッカケはドワーフが攫われた事です。
ラーヴァはドワーフが好きなんだそうです。
現状のグランヌスを打破する為にラーヴァは一度、グランヌスを壊そうと考えているそうですよ。」
ソルが必死に説明しているのをイオリが通訳すると、困惑したのはカンスケ爺やだった。
「グランヌスを壊す・・・。
一体、どうやって?」
すると、ラーヴァは不貞腐れるよう口を尖らせた。
「そんなの簡単だよ。
火山を噴火させればいいんだ。
そうしたら、みんな山に帰る。
邪悪な力も、怠惰な民も・・・。
グランヌスは先人達の努力を無にしたんだ。」
国を自分達の物と思い込んでいたカンスケ爺やは頭を殴られた様なショックを受けて座り込んだのだった。
山彦のように聞こえた言葉の意味を受け止めきれずにいるカンスケ爺やとヒューゴを置き去りに、子供達は大興奮だった。
「本当っ!?
本当の火龍様?」
「うん。そうだよ。」
「火龍様。
パティの事、助けてくれてありがとう。」
「どういたしまして。
元気な子だね。」
「火龍様、人になれるの?」
「こっちの方が、人里に降りて来れるからね。
祭りは混ざらなきゃ面白くない。」
「ニナ。ドラゴンって初めて見た!」
「それじゃあ、仲良くしよう。」
恐れる事なく火龍に纏わりつく子供達にイオリは苦笑した。
「ほら、みんな。
火龍様が困るだろう。」
すると火龍がニナの頭を手荒く撫でながら首を振った。
「困ってないよ。
楽しいよ。
久々に嘘のない笑い声を聞いて気分が良いんだ。
稀人。
スカイヤの事を名で呼んでいるのなら、私の事も“ラーヴァ”と呼んで。」
荒々しい見た目と違い、人懐っこい笑顔の火龍にイオリも微笑む。
「分かりました。ラーヴァ。
俺はイオリです。
宜しくお願いします。」
「うん。
宜しくね。イオリ。」
2人が、挨拶を終わらしたところで呆然としていたカンスケ爺やとヒューゴが騒ぎ出したが、穏やかなイオリと火龍様、改め、ラーヴァを前に騒いでいるのも馬鹿らしくなり疲れた様にグッタリとした。
ピチチッ
「おや、君も来たのかい?」
何処に隠れていたのか、姿の見えなかった真紅の小鳥が不機嫌そうにラーヴァに絡みついた。
「私を探してたって?
本当に君はのんびりさんだね。
私は言わなかったかい?
早くしないと、グランヌスがなくなるよって。」
さらっと怖い事を言うラーヴァにイオリのみならず、大人達がギョッとすると、ソルが怒った様にラーヴァの額をツンツンツンツン!と突っついた。
「痛テテテッ!
痛いよ。」
小さな小鳥に怒られる火龍・・・。
何とも言えない光景をイオリが慌てて止めた。
「ちょっと、ソル?
ストップ!ストップ!
何の話っ?!」
手の中で、必死に訴える小鳥と涙目で額を擦るラーヴァを交互に見るイオリにヒューゴが恐々と声を掛けた。
「・・・ソル。
何だって?」
一連の話を聞いたイオリは溜息を吐いた。
「ラーヴァは、この地がグランヌスと呼ばれる以前から火山を守護する火龍です。
人が住み始め、交流をもつ様になってからラーヴァは人里が・・・グランヌスが好きになった。
でも、今のグランヌスはラーヴァの好きなグランヌスではない。
彼の怒りのキッカケはドワーフが攫われた事です。
ラーヴァはドワーフが好きなんだそうです。
現状のグランヌスを打破する為にラーヴァは一度、グランヌスを壊そうと考えているそうですよ。」
ソルが必死に説明しているのをイオリが通訳すると、困惑したのはカンスケ爺やだった。
「グランヌスを壊す・・・。
一体、どうやって?」
すると、ラーヴァは不貞腐れるよう口を尖らせた。
「そんなの簡単だよ。
火山を噴火させればいいんだ。
そうしたら、みんな山に帰る。
邪悪な力も、怠惰な民も・・・。
グランヌスは先人達の努力を無にしたんだ。」
国を自分達の物と思い込んでいたカンスケ爺やは頭を殴られた様なショックを受けて座り込んだのだった。
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