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旅路〜グランヌス(渓谷・渓流)〜
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「ここから街道には出ずに、関所ギリギリまで近づくルートを使います。
その道は我ら、隠密以外は知らないので監視に見つかる心配はありません。
しかし、狭く厳しい道です。」
トージは子供達に気遣いを見せた。
「大丈夫!
難しい道の方が燃える。」
「ナギはニナを頼むな。」
パティがトージに親指を立てている間にスコルが弟に声を掛ける。
「任せて。
僕、出来るよ。」
胸を張るナギにトージは心なしか微笑んだ。
「・・・逞しいな。」
ロクが珍しい物を見たとギョッとしていた時だった。
ドンッとしがみつく馴染みの衝撃が襲ってきた。
「おいっ!
ワシ等は細い道は苦手だ。」
「高いのは怖いよな・・・。」
「暗いのもダメだ。」
「泣いたら、どうする?」
案の定、ドワーフが騒ぎ出した。
「ドワーフのクセに、何で細い所や高い所が苦手なんだよ!
鉱石探しで慣れてるだろう?」
ウンザリしたようなロクをドワーフ達がポカポカと叩いた。
「ソレはソレ、コレはコレじゃ。」
「狭い道は腹が突っかかる。」
「年寄りは大事にしろよ!」
「か弱い老人だぞ。」
呆れた物言いのドワーフ達に肩を落としたロクは、どう怒ればいいかと悩んだ。
「本当にダメな時は、僕が手を貸すよ。
一緒に行こう。」
優しく微笑んだナギにドワーフ達は抱きついた。
「「「「天使!!」」」」
一悶着はあったものの、無事に出発する事になったイオリ達である。
「さっきの霧だが・・・アレはイオリ様が?」
トージの疑問にイオリは微笑み首を横に振った。
「ゼンとニナです。」
トージは驚きながらゼンとニナに視線を向けた。
「先程までじゃなくていい。
同じように霧を出せるかい?
紛れて行こう。」
「ほらほら、凄いっしょ?
驚いたッスよね?
グアァ!痛ッ・・・。」
じゃれつくロクの頭にゲンコツを落とすとトージは冷めた視線を送った。
「この鼻垂れが。」
「だから、それ言うなって!」
痛そうに頭を摩るロクの不満そうな顔に子供達は楽しそうに笑うのだった。
____________
岩陰に身を顰めていたリルラは、イオリと合流する男の様子を伺っていた。
「・・・危険ではないみたいね。」
1人先行していたリルラは、イオリ達が進む道の安全を確保すべく動いていた。
巡回する衛兵を翻弄する工作を仕掛けたり、姿を現した魔獣達を蹴散らしたりと忙しなく働いていたのだ。
イオリ達に危険はないと確認出来ると、一行を見送り街道へ向かった。
「お待たせ。」
「こっちも来た所だよ。」
迎えの馬車の御者席に座ったケネスが微笑み、荷台にいたラックが手を振っていた。
「イオリ様は隠密と合流したわ。
問題なくグランヌスに入国できるでしょう。
ラックも着いたのね。
良かった。」
「それじゃ、こっちは揺動か?」
「そう。
堂々とホワイトキャビンの旅団を入国させるわよ。」
ケネスはニヤリとすると、馬車を動かした。
「了解、旅団長。
この国で良い商売が出来ると良いな。」
「ふふふ。
・・・そうね。」
街道を進む馬車は一途、グランヌスに向かって行った。
その道は我ら、隠密以外は知らないので監視に見つかる心配はありません。
しかし、狭く厳しい道です。」
トージは子供達に気遣いを見せた。
「大丈夫!
難しい道の方が燃える。」
「ナギはニナを頼むな。」
パティがトージに親指を立てている間にスコルが弟に声を掛ける。
「任せて。
僕、出来るよ。」
胸を張るナギにトージは心なしか微笑んだ。
「・・・逞しいな。」
ロクが珍しい物を見たとギョッとしていた時だった。
ドンッとしがみつく馴染みの衝撃が襲ってきた。
「おいっ!
ワシ等は細い道は苦手だ。」
「高いのは怖いよな・・・。」
「暗いのもダメだ。」
「泣いたら、どうする?」
案の定、ドワーフが騒ぎ出した。
「ドワーフのクセに、何で細い所や高い所が苦手なんだよ!
鉱石探しで慣れてるだろう?」
ウンザリしたようなロクをドワーフ達がポカポカと叩いた。
「ソレはソレ、コレはコレじゃ。」
「狭い道は腹が突っかかる。」
「年寄りは大事にしろよ!」
「か弱い老人だぞ。」
呆れた物言いのドワーフ達に肩を落としたロクは、どう怒ればいいかと悩んだ。
「本当にダメな時は、僕が手を貸すよ。
一緒に行こう。」
優しく微笑んだナギにドワーフ達は抱きついた。
「「「「天使!!」」」」
一悶着はあったものの、無事に出発する事になったイオリ達である。
「さっきの霧だが・・・アレはイオリ様が?」
トージの疑問にイオリは微笑み首を横に振った。
「ゼンとニナです。」
トージは驚きながらゼンとニナに視線を向けた。
「先程までじゃなくていい。
同じように霧を出せるかい?
紛れて行こう。」
「ほらほら、凄いっしょ?
驚いたッスよね?
グアァ!痛ッ・・・。」
じゃれつくロクの頭にゲンコツを落とすとトージは冷めた視線を送った。
「この鼻垂れが。」
「だから、それ言うなって!」
痛そうに頭を摩るロクの不満そうな顔に子供達は楽しそうに笑うのだった。
____________
岩陰に身を顰めていたリルラは、イオリと合流する男の様子を伺っていた。
「・・・危険ではないみたいね。」
1人先行していたリルラは、イオリ達が進む道の安全を確保すべく動いていた。
巡回する衛兵を翻弄する工作を仕掛けたり、姿を現した魔獣達を蹴散らしたりと忙しなく働いていたのだ。
イオリ達に危険はないと確認出来ると、一行を見送り街道へ向かった。
「お待たせ。」
「こっちも来た所だよ。」
迎えの馬車の御者席に座ったケネスが微笑み、荷台にいたラックが手を振っていた。
「イオリ様は隠密と合流したわ。
問題なくグランヌスに入国できるでしょう。
ラックも着いたのね。
良かった。」
「それじゃ、こっちは揺動か?」
「そう。
堂々とホワイトキャビンの旅団を入国させるわよ。」
ケネスはニヤリとすると、馬車を動かした。
「了解、旅団長。
この国で良い商売が出来ると良いな。」
「ふふふ。
・・・そうね。」
街道を進む馬車は一途、グランヌスに向かって行った。
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