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旅路〜グランヌス(渓谷・渓流)〜
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仲間達と別れ、怪しい影を捜索していたイオリとロクは洞穴を見つけると目線で互いに合図を送った。
ロクには何も見えていない様だが、イオリの青い瞳には保護膜の様な物が写っていて、その奥にギュッと固まる4人の影が見えていた。
「・・・イオリさん、どうします?」
「危険の確認をしに来たんですけどね。
どうやら、こっちが怖がらせてしまったみたいですね。」
2人の会話が聞こえたのだろう。
洞窟に突如として男の怒った声が響いた。
「誰が、怖がってるって!?」
「あっ、ガトの馬鹿!」
「隠れてる意味はぁ?」
「あぁ~。
もう、バレてしまっては仕方がない。
突撃っ!!」
「「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
洞窟から飛び出てきたのは4人のドワーフの男達だった。
「おっと!
こんな所に何でドワーフが?」
突撃してきたドワーフをヒョイと避けるとロクは不思議そうに頭を傾げた。
「むむ。
お主、やるな。
みんな怯むなぁ!
今度はアッチだ!」
「「「おぉぉぉ!!」」」
次に4人のドワーフはハンマーを手にイオリに襲いかかってきた。
ガルゥゥ!!
バウッ!
すると真っ白な狼が間に飛び込んできて大きな声で威嚇すると、4人の男は腰を抜かし、ブルブルと震え互いに抱きしめ合った。
「ヒィィィ。狼だぁぁ。」
「ワシ等を狼で捜索するとは・・・卑怯者っ!」
「ワシは上手くねぇーぞぉぉ。」
「もう、おしまいだぁ。」
号泣する4人のドワーフを見下ろしていたイオリとロクは困ったように顔を見合わせたのだった。
「ちょっと、ドワーフのおっさん達。
落ち着いてくれないッスかね。」
ロクが声をかけると、4人のドワーフは益々、騒ぎ出した。
「連れて行きたきゃ、連れて行け!
ワシたちゃ言いなりにならねーからな!」
「ワシ等は絶対に離れんぞ!」
「ヒィィ!痛い事しないでぇ。」
「もう、おしまいだぁぁ。」
「聞いちゃいねーッス。」
呆れた顔で溜息を吐くロクに苦笑しイオリは優しく話しかけた。
「誰かと勘違いしてませんか?
俺達は人の気配があったから様子を見に来ただけですよ。」
すると、チラリと4人の顔がイオリを見た。
「本当か?」
「嘘じゃない?」
「でも、この若造、精霊に好かれとる。」
「本当だ。
・・・悪い奴じゃないかも?」
軟化した4人の態度に安堵したイオリは、座り込んでいる4人に目線を合わせた。
「騒がせてすみません。
驚かせるつもりはなかったんです。
旅の途中に人の気配がしたんで様子を見に来たんです。」
すると4人は抱き合うのをやめてイオリを見上げた。
「こんな渓谷を?
変な奴らだ。
シールドを見破ったのか・・・。」
「雨も降ったし危ないじゃないか。」
「まさか“グランヌス”に向かうのか?」
「それは危険だ。
ワシ達は“グランヌス”から逃げてきたんだぞ。」
反応したのはロクだった。
「逃げてきた?
そうか、4人は刀の工房の人ッスね?」
4人は誇らしげに頷いた。
「そうだ。
ワシ等は刀を作る事を生業にしとる。」
「“グランヌス”の刀は優秀なんだぞ。」
「“グランヌス”は火の精霊が多いからな。
鍛治職人と相性が良い。」
「刀作るの楽しい。」
胸を張る4人を讃えるようにゼンが1人の頬をペロリと舐めた。
「ヒィィィ。」
「狼がアシノを食べたぁぁ。」
「馬鹿っ!よく見ろ!
食べてない。
・・・舐めたんだぁぁぁ。」
「ヒィィ。
おしまいだぁぁ。」
再び騒ぎ出した4人のドワーフをウンザリしたように見下ろすロクと、あまりに可笑しくて笑いを堪えるイオリだった。
ロクには何も見えていない様だが、イオリの青い瞳には保護膜の様な物が写っていて、その奥にギュッと固まる4人の影が見えていた。
「・・・イオリさん、どうします?」
「危険の確認をしに来たんですけどね。
どうやら、こっちが怖がらせてしまったみたいですね。」
2人の会話が聞こえたのだろう。
洞窟に突如として男の怒った声が響いた。
「誰が、怖がってるって!?」
「あっ、ガトの馬鹿!」
「隠れてる意味はぁ?」
「あぁ~。
もう、バレてしまっては仕方がない。
突撃っ!!」
「「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
洞窟から飛び出てきたのは4人のドワーフの男達だった。
「おっと!
こんな所に何でドワーフが?」
突撃してきたドワーフをヒョイと避けるとロクは不思議そうに頭を傾げた。
「むむ。
お主、やるな。
みんな怯むなぁ!
今度はアッチだ!」
「「「おぉぉぉ!!」」」
次に4人のドワーフはハンマーを手にイオリに襲いかかってきた。
ガルゥゥ!!
バウッ!
すると真っ白な狼が間に飛び込んできて大きな声で威嚇すると、4人の男は腰を抜かし、ブルブルと震え互いに抱きしめ合った。
「ヒィィィ。狼だぁぁ。」
「ワシ等を狼で捜索するとは・・・卑怯者っ!」
「ワシは上手くねぇーぞぉぉ。」
「もう、おしまいだぁ。」
号泣する4人のドワーフを見下ろしていたイオリとロクは困ったように顔を見合わせたのだった。
「ちょっと、ドワーフのおっさん達。
落ち着いてくれないッスかね。」
ロクが声をかけると、4人のドワーフは益々、騒ぎ出した。
「連れて行きたきゃ、連れて行け!
ワシたちゃ言いなりにならねーからな!」
「ワシ等は絶対に離れんぞ!」
「ヒィィ!痛い事しないでぇ。」
「もう、おしまいだぁぁ。」
「聞いちゃいねーッス。」
呆れた顔で溜息を吐くロクに苦笑しイオリは優しく話しかけた。
「誰かと勘違いしてませんか?
俺達は人の気配があったから様子を見に来ただけですよ。」
すると、チラリと4人の顔がイオリを見た。
「本当か?」
「嘘じゃない?」
「でも、この若造、精霊に好かれとる。」
「本当だ。
・・・悪い奴じゃないかも?」
軟化した4人の態度に安堵したイオリは、座り込んでいる4人に目線を合わせた。
「騒がせてすみません。
驚かせるつもりはなかったんです。
旅の途中に人の気配がしたんで様子を見に来たんです。」
すると4人は抱き合うのをやめてイオリを見上げた。
「こんな渓谷を?
変な奴らだ。
シールドを見破ったのか・・・。」
「雨も降ったし危ないじゃないか。」
「まさか“グランヌス”に向かうのか?」
「それは危険だ。
ワシ達は“グランヌス”から逃げてきたんだぞ。」
反応したのはロクだった。
「逃げてきた?
そうか、4人は刀の工房の人ッスね?」
4人は誇らしげに頷いた。
「そうだ。
ワシ等は刀を作る事を生業にしとる。」
「“グランヌス”の刀は優秀なんだぞ。」
「“グランヌス”は火の精霊が多いからな。
鍛治職人と相性が良い。」
「刀作るの楽しい。」
胸を張る4人を讃えるようにゼンが1人の頬をペロリと舐めた。
「ヒィィィ。」
「狼がアシノを食べたぁぁ。」
「馬鹿っ!よく見ろ!
食べてない。
・・・舐めたんだぁぁぁ。」
「ヒィィ。
おしまいだぁぁ。」
再び騒ぎ出した4人のドワーフをウンザリしたように見下ろすロクと、あまりに可笑しくて笑いを堪えるイオリだった。
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