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旅路〜パライソの森3〜
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ルーシュピケのガーディアン“サバト”のメンバーであるタイソンは客人を案内する役目を勝ち取った時は、まさか“大樹”で神獣を目にするとは思っていなかった。
「”グランヌス”に向かう前に“大樹”に寄りたいと思います。」
出発の前日に告げたイオリに視線が集まった。
「・・・アマメ様か。」
ハニエル老だけが納得したように頷いく。
「ルーシュピケ・・・パライソの森を離れる時にアマメに会っておきたいんです。」
何気なく聞いていたムネタカも、アマメというのが神獣であると知ったのはルーシュピケを出発した後の事だった。
「タイソン殿・・・貴方は神獣に会った事があるのか?」
ムネタカの問いにタイソンは首を横に振った。
「神獣様は、滅多に姿を現したりしない。
目撃した事がある者は狼だったと証言したり、人であったと言う者もいる。
会いたいからと言って会えるものではにい。
しかし、イオリなら・・・。」
「絶対に会えるというのだな?
・・・私は、とんでもない人と知り合ってしまったのだな。」
「人族の。
奇遇だな。
俺も同じ事を思っていた。」
そんな2人は友に会うのが嬉しくて堪らないとばかりの御機嫌なイオリを見つめた。
『ちょっと2人とも。
僕も神獣だよ。』
神獣に会う事に緊張しているムネタカとタイソンの間を走り抜けたゼンが不満そうに振り返った。
「・・・慣れとは怖いものだ。
分かっているはいるが、ゼン殿が神獣と聞いても怖くはない。」
「人族の。
俺も同じ事を思っていた。
・・・気が合うな。」
タイソンが見せる初めての笑顔にムネタカは釣られるように笑った。
『もう。
みんな忘れちゃうんだから。』
頬を膨らますゼンの頭をイオリが撫でる。
「それだけ、皆んなと仲良くなったって事だよ。
ゼンが凄いのは俺が1番知ってるよ。」
イオリの手が気持ちいのか、褒められて嬉しいのか、ゼンは御満悦な様だ。
『フフン♪』
鼻歌混じりにステップを踏むゼンにガーディアン達も笑っている。
最後の草むらを飛び越えると“大樹”が、その荘厳たる全貌を現した。
「・・・なんと立派な。」
初めて見たムネタカとロクは言葉もないとばかりに感動し、ルーシュピケのガーディアン達にとっては“大樹”は母なる木であり馴染み深いが、今日はいつもと違い緊張の面持ちでいた。
『アマメー。
来たよー。』
ゼンにとってアマメは神獣仲間であると同時に姉の様な存在なのだろう。
どこか甘えいるなとイオリは感じていた。
周りが緊張の中、無遠慮に叫ぶゼンはマイペースだった。
すると“大樹”の幹から小さな鹿がピョコンと顔を出した。
ゼンは近寄ると小さな鹿をペロペロと舐める。
「・・・あれが神獣様。」
凝視するムネタカにイオリはポンポンと肩を叩いた。
「あの子はアマメの子供です。
アマメはあちらです。」
一同がイオリが指差す方に顔を見上げると“大樹”と同じ位大きな鹿が見下ろしていたのだった。
「”グランヌス”に向かう前に“大樹”に寄りたいと思います。」
出発の前日に告げたイオリに視線が集まった。
「・・・アマメ様か。」
ハニエル老だけが納得したように頷いく。
「ルーシュピケ・・・パライソの森を離れる時にアマメに会っておきたいんです。」
何気なく聞いていたムネタカも、アマメというのが神獣であると知ったのはルーシュピケを出発した後の事だった。
「タイソン殿・・・貴方は神獣に会った事があるのか?」
ムネタカの問いにタイソンは首を横に振った。
「神獣様は、滅多に姿を現したりしない。
目撃した事がある者は狼だったと証言したり、人であったと言う者もいる。
会いたいからと言って会えるものではにい。
しかし、イオリなら・・・。」
「絶対に会えるというのだな?
・・・私は、とんでもない人と知り合ってしまったのだな。」
「人族の。
奇遇だな。
俺も同じ事を思っていた。」
そんな2人は友に会うのが嬉しくて堪らないとばかりの御機嫌なイオリを見つめた。
『ちょっと2人とも。
僕も神獣だよ。』
神獣に会う事に緊張しているムネタカとタイソンの間を走り抜けたゼンが不満そうに振り返った。
「・・・慣れとは怖いものだ。
分かっているはいるが、ゼン殿が神獣と聞いても怖くはない。」
「人族の。
俺も同じ事を思っていた。
・・・気が合うな。」
タイソンが見せる初めての笑顔にムネタカは釣られるように笑った。
『もう。
みんな忘れちゃうんだから。』
頬を膨らますゼンの頭をイオリが撫でる。
「それだけ、皆んなと仲良くなったって事だよ。
ゼンが凄いのは俺が1番知ってるよ。」
イオリの手が気持ちいのか、褒められて嬉しいのか、ゼンは御満悦な様だ。
『フフン♪』
鼻歌混じりにステップを踏むゼンにガーディアン達も笑っている。
最後の草むらを飛び越えると“大樹”が、その荘厳たる全貌を現した。
「・・・なんと立派な。」
初めて見たムネタカとロクは言葉もないとばかりに感動し、ルーシュピケのガーディアン達にとっては“大樹”は母なる木であり馴染み深いが、今日はいつもと違い緊張の面持ちでいた。
『アマメー。
来たよー。』
ゼンにとってアマメは神獣仲間であると同時に姉の様な存在なのだろう。
どこか甘えいるなとイオリは感じていた。
周りが緊張の中、無遠慮に叫ぶゼンはマイペースだった。
すると“大樹”の幹から小さな鹿がピョコンと顔を出した。
ゼンは近寄ると小さな鹿をペロペロと舐める。
「・・・あれが神獣様。」
凝視するムネタカにイオリはポンポンと肩を叩いた。
「あの子はアマメの子供です。
アマメはあちらです。」
一同がイオリが指差す方に顔を見上げると“大樹”と同じ位大きな鹿が見下ろしていたのだった。
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