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旅路〜ルーシュピケ2〜
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話し合いを終えたイオリ達が花畑に帰って来るとコーラルが楽しそうに花を摘んでいた。
「コーラル!
遊ぼう!」
「ニナもー!」
パティとニナが走り寄り、3人で笑いながら花冠を作っている。
足を止めてムネタカが眩しそうに目を細めた。
「・・・イオリさん。
コーラルは私を優しいと言っていたそうですが、私はそんな人間じゃないんです。
姫巫女の屋敷の様子を伺う為にコーラルを利用したんですよ。
あの日の後にコーラルの姿が見えなくなった時、始末されてしまったと思いました。
私の所為で犠牲になってしまったと・・・。」
イオリはコーラルを見つめるムネタカの表情の正体に気づいた。
罪悪感だ。
「親を殺され、誘拐され、売られて疲弊していたコーラルの心は、優しい言葉をかけてくれたお兄さんの存在が救いだったでんしょうね。
だから、駄目な事だと分かっていても貴方に秘密の通路を教えたんです。
彼女にとって、ムネタカさんは“優しいお兄さん”、それが真実ですよ。」
ポンッと肩を叩かれるとムネタカは花を楽しそうに摘む少女達に、ゆっくりと近づいて行った。
満面の笑みで出迎える彼女に、今度は自分が救われるムネタカだった。
「主、嬉しそうっスね。」
「・・・あぁ。」
「良かった。」
3人の家臣達はぎこちなくも微笑み、少女達に花冠の作り方を教わっている主人の姿に安堵した。
「本来なら、あの笑顔は我等が守らねばならなかった。」
今だに自分の行い・・・主人に対する裏切り行為を許す事が出来ずにいたソウスケは顔を歪めた。
「再び与えられた命の使い道は誰にも譲るなよ。」
後ろから声を掛けられ、ドキッとして振り返ればスコルとナギを引連れたヒューゴが立っていた。
スコルとナギはニコッと笑うとイオリの元に走って行く。
「自分の人生なのに人に奪われる事以上に不幸な事はない。
折角、自由になったんだ。
誰に言われるでもなく、命の使い方は自分で決めろ。」
ヒューゴの目の奥に優しさを見たソウスケは目を見開いた。
「・・・貴方は。」
続きを言えずにいるソウスケであったが、目の前の男も過去に何かあったのだと悟った。
そんな事をおくびにも出さないヒューゴはクスッと笑った。
「アイツは家族と言ってくれるが、俺は自分の命は奴の為に使うと決めている。
アイツが自分の家族を守ってくれと言ったから、その望みを叶えようと思っていた。
でも、子供達と過ごす内にアイツが・・・イオリが願ったからって理由を超えて、俺にとっても子供達は命にも変えられない存在になった。
くだらないと諦めていた俺の人生もアイツ等に出会えた事で、マシになったよ。」
何処か照れくさそうに笑うヒューゴをソウスケは羨ましそうに見つめた。
「・・・今までも主人の為に生きてきたんです。
ムネタカと共に生きる事が望みでした。
でも・・・俺は自分が1番、許せない事をした。
どうしても、自分を許す事が出来ないんです。」
悔しそうなソウスケをキクが気遣うように寄り添った。
「だからって、自分の命の使い方を無駄にするなよ。
死んで楽な道を選ぶな。
死んでまで、主人に面倒をかけるなんて、それこそ家臣失格だろう。
自分が尽くすと決めた主人だろう?
だったら、主人の望みを理解した上で自分にとってより良い道を選択するべきだ。」
ーーー考える事、それすら罪滅ぼしの第一歩だ。
笑いながら花畑を歩いて行くヒューゴの背が広く見えたソウスケだった。
「コーラル!
遊ぼう!」
「ニナもー!」
パティとニナが走り寄り、3人で笑いながら花冠を作っている。
足を止めてムネタカが眩しそうに目を細めた。
「・・・イオリさん。
コーラルは私を優しいと言っていたそうですが、私はそんな人間じゃないんです。
姫巫女の屋敷の様子を伺う為にコーラルを利用したんですよ。
あの日の後にコーラルの姿が見えなくなった時、始末されてしまったと思いました。
私の所為で犠牲になってしまったと・・・。」
イオリはコーラルを見つめるムネタカの表情の正体に気づいた。
罪悪感だ。
「親を殺され、誘拐され、売られて疲弊していたコーラルの心は、優しい言葉をかけてくれたお兄さんの存在が救いだったでんしょうね。
だから、駄目な事だと分かっていても貴方に秘密の通路を教えたんです。
彼女にとって、ムネタカさんは“優しいお兄さん”、それが真実ですよ。」
ポンッと肩を叩かれるとムネタカは花を楽しそうに摘む少女達に、ゆっくりと近づいて行った。
満面の笑みで出迎える彼女に、今度は自分が救われるムネタカだった。
「主、嬉しそうっスね。」
「・・・あぁ。」
「良かった。」
3人の家臣達はぎこちなくも微笑み、少女達に花冠の作り方を教わっている主人の姿に安堵した。
「本来なら、あの笑顔は我等が守らねばならなかった。」
今だに自分の行い・・・主人に対する裏切り行為を許す事が出来ずにいたソウスケは顔を歪めた。
「再び与えられた命の使い道は誰にも譲るなよ。」
後ろから声を掛けられ、ドキッとして振り返ればスコルとナギを引連れたヒューゴが立っていた。
スコルとナギはニコッと笑うとイオリの元に走って行く。
「自分の人生なのに人に奪われる事以上に不幸な事はない。
折角、自由になったんだ。
誰に言われるでもなく、命の使い方は自分で決めろ。」
ヒューゴの目の奥に優しさを見たソウスケは目を見開いた。
「・・・貴方は。」
続きを言えずにいるソウスケであったが、目の前の男も過去に何かあったのだと悟った。
そんな事をおくびにも出さないヒューゴはクスッと笑った。
「アイツは家族と言ってくれるが、俺は自分の命は奴の為に使うと決めている。
アイツが自分の家族を守ってくれと言ったから、その望みを叶えようと思っていた。
でも、子供達と過ごす内にアイツが・・・イオリが願ったからって理由を超えて、俺にとっても子供達は命にも変えられない存在になった。
くだらないと諦めていた俺の人生もアイツ等に出会えた事で、マシになったよ。」
何処か照れくさそうに笑うヒューゴをソウスケは羨ましそうに見つめた。
「・・・今までも主人の為に生きてきたんです。
ムネタカと共に生きる事が望みでした。
でも・・・俺は自分が1番、許せない事をした。
どうしても、自分を許す事が出来ないんです。」
悔しそうなソウスケをキクが気遣うように寄り添った。
「だからって、自分の命の使い方を無駄にするなよ。
死んで楽な道を選ぶな。
死んでまで、主人に面倒をかけるなんて、それこそ家臣失格だろう。
自分が尽くすと決めた主人だろう?
だったら、主人の望みを理解した上で自分にとってより良い道を選択するべきだ。」
ーーー考える事、それすら罪滅ぼしの第一歩だ。
笑いながら花畑を歩いて行くヒューゴの背が広く見えたソウスケだった。
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