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旅路〜パライソの森⒉〜
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「さてさて。」
どうするべきかと考えるイオリにヒューゴが声をかける。
「パライソの森に来た時の魔獣の暴走とは、ちょっと違う気がするするな。
フラフラと歩みを止めない・・・まるで催眠のようだ。」
「・・・そうですね。」
「イオリ様」
魔獣の川を見つめていたイオリの側に、リルラが降り立った。
ガーディアン達にとっても見慣れたホワイトキャビンの旅団長だ。
「周辺を確認して来ました。
洞窟がある小山の周辺一帯が同じように魔獣が集まっています。
今のところ、何処も暴走の予兆は見られません。
コナーの所見では、今だに洞窟から人の気配がするそうです。
人数は4人。
ガーディアン“サバト”が確認している人数と合致します。
彼らも魔獣の川のお陰で身動きが出来ないのでしょう。」
リルラの報告にイオリは頷いた。
魔獣の異常行動はパライソ・・・ルーシュピケとしても無視はできない。
「どうする?」
ヒューゴは考え込むイオリの様子を伺った。
「行きましょう。
恐らく、魔獣は問題ないです。
これが、アマメの言っていた足止めってやつなのでしょう。
だとしたら、俺達に危害は加えられないはずです。」
イオリの言葉にガーディアン達が騒ついた。
しかし、ここ迄来てイオリの事は信頼に値すると判断している。
イオリが静かに魔獣の川に近づくのを誰1人として止める者はいなかった。
「通りますよー。」
効果があるかどうか分からない挨拶をしながら、魔獣の川にに近づいたイオリの頬を優しい風が撫でた。
何処か楽しげに笑っているかのような風が、魔獣達を誘導する。
パッカリと開いた魔獣の川を前にイオリは苦笑しながら振り返った。
「先を進んで良いみたいです。
行きましょう。」
あんぐりと口を開け驚いてる面々を前にイオリはあくまでもイオリだった。
さぁ、来いとばかりに手招きしている。
「ちょっと待て!
皆んなが皆んな、お前のように能天気じゃないんだ!」
流石のヒューゴも慌てて声を荒げた。
「全員で行っても仕方ないですよね?」
ヒューゴが問いかけるとイドリアルが頷いた。
「それなら、私とタイタンが同行しよう。
エルフと獣人の両方がいた方が皆の納得を得る事が出来る。」
タイタンに視線を向ければ、それならばと頷いてる。
「他は此処に残れ。
先は洞窟だけだ。
件の奴らが抵抗するのか、大人しく着いてくるか分からないが、戦闘が起こっても問題ないだろう。」
そうだろう?とばかりに眉を上げたイドリアルにヒューゴは苦笑した。
「そうですね。
それよりも、皆さんには眠っている“エルフの里の戦士”を見張っていて貰いたい。」
「分かった。
任せてくれ。」
頷くガーディアンを代表してハルラスが了承の声を上げた。
「お前達もだ。
中の奴らだって、魔獣が暴走しないと分かれば出てくるだろう。
逃走だって考えられる。
気合い入れて退路を断て。」
一緒に行けない不満の代わりに役割を与えられた双子はニッコリと頷いた。
「任せて。」
「逃がさないよ。」
ニナをナギに託すと、ハルラスとエフェリアの夫婦が2人の肩を掴み頷いた。
ヒューゴは安心してイオリに合流すると、何故だが頬を膨らまして不満そうに見上げている。
「なんだ?」
「別にー。」
プイッと顔を背けるイオリにヒューゴは首を傾げた。
「恐らくですが・・・。
ヒューゴ様がイオリ様を能天気とおっしゃったのに不満があるのではないでしょうか?」
そう、リルラに耳打ちをされたヒューゴは吹き出した。
「プハッ!
悪かったよ。
信頼してるぜ。英雄。」
「・・・誤魔化されませんよ。」
肩に手をかけてくるヒューゴを白い目で見つめるイオリであった。
どうするべきかと考えるイオリにヒューゴが声をかける。
「パライソの森に来た時の魔獣の暴走とは、ちょっと違う気がするするな。
フラフラと歩みを止めない・・・まるで催眠のようだ。」
「・・・そうですね。」
「イオリ様」
魔獣の川を見つめていたイオリの側に、リルラが降り立った。
ガーディアン達にとっても見慣れたホワイトキャビンの旅団長だ。
「周辺を確認して来ました。
洞窟がある小山の周辺一帯が同じように魔獣が集まっています。
今のところ、何処も暴走の予兆は見られません。
コナーの所見では、今だに洞窟から人の気配がするそうです。
人数は4人。
ガーディアン“サバト”が確認している人数と合致します。
彼らも魔獣の川のお陰で身動きが出来ないのでしょう。」
リルラの報告にイオリは頷いた。
魔獣の異常行動はパライソ・・・ルーシュピケとしても無視はできない。
「どうする?」
ヒューゴは考え込むイオリの様子を伺った。
「行きましょう。
恐らく、魔獣は問題ないです。
これが、アマメの言っていた足止めってやつなのでしょう。
だとしたら、俺達に危害は加えられないはずです。」
イオリの言葉にガーディアン達が騒ついた。
しかし、ここ迄来てイオリの事は信頼に値すると判断している。
イオリが静かに魔獣の川に近づくのを誰1人として止める者はいなかった。
「通りますよー。」
効果があるかどうか分からない挨拶をしながら、魔獣の川にに近づいたイオリの頬を優しい風が撫でた。
何処か楽しげに笑っているかのような風が、魔獣達を誘導する。
パッカリと開いた魔獣の川を前にイオリは苦笑しながら振り返った。
「先を進んで良いみたいです。
行きましょう。」
あんぐりと口を開け驚いてる面々を前にイオリはあくまでもイオリだった。
さぁ、来いとばかりに手招きしている。
「ちょっと待て!
皆んなが皆んな、お前のように能天気じゃないんだ!」
流石のヒューゴも慌てて声を荒げた。
「全員で行っても仕方ないですよね?」
ヒューゴが問いかけるとイドリアルが頷いた。
「それなら、私とタイタンが同行しよう。
エルフと獣人の両方がいた方が皆の納得を得る事が出来る。」
タイタンに視線を向ければ、それならばと頷いてる。
「他は此処に残れ。
先は洞窟だけだ。
件の奴らが抵抗するのか、大人しく着いてくるか分からないが、戦闘が起こっても問題ないだろう。」
そうだろう?とばかりに眉を上げたイドリアルにヒューゴは苦笑した。
「そうですね。
それよりも、皆さんには眠っている“エルフの里の戦士”を見張っていて貰いたい。」
「分かった。
任せてくれ。」
頷くガーディアンを代表してハルラスが了承の声を上げた。
「お前達もだ。
中の奴らだって、魔獣が暴走しないと分かれば出てくるだろう。
逃走だって考えられる。
気合い入れて退路を断て。」
一緒に行けない不満の代わりに役割を与えられた双子はニッコリと頷いた。
「任せて。」
「逃がさないよ。」
ニナをナギに託すと、ハルラスとエフェリアの夫婦が2人の肩を掴み頷いた。
ヒューゴは安心してイオリに合流すると、何故だが頬を膨らまして不満そうに見上げている。
「なんだ?」
「別にー。」
プイッと顔を背けるイオリにヒューゴは首を傾げた。
「恐らくですが・・・。
ヒューゴ様がイオリ様を能天気とおっしゃったのに不満があるのではないでしょうか?」
そう、リルラに耳打ちをされたヒューゴは吹き出した。
「プハッ!
悪かったよ。
信頼してるぜ。英雄。」
「・・・誤魔化されませんよ。」
肩に手をかけてくるヒューゴを白い目で見つめるイオリであった。
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