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旅路〜デザリア・ガレー〜
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ピチチチ
リルラは飛んできた真っ赤な小鳥を手のひらに乗せると微笑んだ。
「あちらは終わったのですね?
ソル。
教えてくれて、ありがとうございます。」
リルラが礼を言うと、ソルはコクリと頷くと飛び立って行った。
ソルが木々の向こうに消えていくのを確認するとリルラは振り返った。
「行こうか。」
そこには、共に来たゴヴァンだけでなく、10はいる人の集まりがあった。
彼らはリルラ達によって、救い出された同胞達で内1人はガレーの地で宿屋を営みながら情報を収集している男だった。
残りはリルラの呼び声で駆けつけた者達である。
リルラの掛け声に頷くと、それぞれが愉しげに体を動かした。
「まさか、こうも早くイオリ様のお役に立てるとは思わなかったな。」
宿屋を営む男が呟くと、リルラとゴヴァンはクスクスと笑った。
「カカオが手に入ったら嬉しい・・・。
あの方は、それしか思っていないの。
本来は争いなんて好きじゃないだろうし、子供達と楽しく旅をしているのが1番幸せなのでしょうね。
でも、いつも何か事件が降りかかってくる・・・それがイオリ様。
あの方の真のすべき事は、まだ旅の先にある。
つまらない揉め事は汚い事に慣れている我々の仕事よ。」
リルラの微笑みに一同が不遜な笑いをした。
「違いない。」
「何であれ、返しきれない恩があるんだ。」
「そうね。」
楽しそうな同胞をリルラは嬉しそうに眺めた。
彼女達にとって、自然に笑う事すら許されない年月があったのだ。
この状況をもたらしてくれたイオリを彼らは崇めていた。
そんな事はイオリが望んでいないと知っていながらも、彼らは親愛の情を隠さずにいるのだ。
そのイオリがガレーの地に赴いた。
宿屋の男を始め、一同は気合が入っている。
ガッシャーン!!
建物から破壊音が聞こえた。
「あらあら、怒っちゃったかしら?」
小間使いが帰って暫くして、件のカズブール商会の建物が荒れているようだ。
「さぁ、リルラ。
行きましょう。」
ゴヴァンが急かすとリルラは苦笑しながら頷いた。
閉ざされた扉の向こうが騒がしい。
ゴヴァンは強めにドアノッカーを叩いた。
ガンガンガン!
突如として静まり返った建物が実に滑稽だった。
ギギッ
小さな音を立てて開いた扉から、先程の小間使いの男が顔を出す。
「も・・・申し訳ございません。
現在準備中で・・・ございます。
おっおおお・・お引き取り願います。」
弱々しい声にゴヴァンはニッコリとした。
「存じております。
退け。」
「あっ!
ちょっと!!
お待ちください!!」
力強く、扉をこじ開けるゴヴァンに続きリルラ達は不作法に中に入っていく。
騒ぐ小間使いの男は同胞が床に押さえつけた。
「会頭の部屋は2階の奥だ。」
宿屋の男の言葉に従い階段を駆け上がるリルラ達に迷いはない。
何事かと顔を出すカズブール商会の職員達を次々と掌握していく同胞達を背にリルラは会頭の部屋の前に立った。
コンコンコンッ
返事のない部屋の扉をリルラは微笑みながら開けた。
リルラは飛んできた真っ赤な小鳥を手のひらに乗せると微笑んだ。
「あちらは終わったのですね?
ソル。
教えてくれて、ありがとうございます。」
リルラが礼を言うと、ソルはコクリと頷くと飛び立って行った。
ソルが木々の向こうに消えていくのを確認するとリルラは振り返った。
「行こうか。」
そこには、共に来たゴヴァンだけでなく、10はいる人の集まりがあった。
彼らはリルラ達によって、救い出された同胞達で内1人はガレーの地で宿屋を営みながら情報を収集している男だった。
残りはリルラの呼び声で駆けつけた者達である。
リルラの掛け声に頷くと、それぞれが愉しげに体を動かした。
「まさか、こうも早くイオリ様のお役に立てるとは思わなかったな。」
宿屋を営む男が呟くと、リルラとゴヴァンはクスクスと笑った。
「カカオが手に入ったら嬉しい・・・。
あの方は、それしか思っていないの。
本来は争いなんて好きじゃないだろうし、子供達と楽しく旅をしているのが1番幸せなのでしょうね。
でも、いつも何か事件が降りかかってくる・・・それがイオリ様。
あの方の真のすべき事は、まだ旅の先にある。
つまらない揉め事は汚い事に慣れている我々の仕事よ。」
リルラの微笑みに一同が不遜な笑いをした。
「違いない。」
「何であれ、返しきれない恩があるんだ。」
「そうね。」
楽しそうな同胞をリルラは嬉しそうに眺めた。
彼女達にとって、自然に笑う事すら許されない年月があったのだ。
この状況をもたらしてくれたイオリを彼らは崇めていた。
そんな事はイオリが望んでいないと知っていながらも、彼らは親愛の情を隠さずにいるのだ。
そのイオリがガレーの地に赴いた。
宿屋の男を始め、一同は気合が入っている。
ガッシャーン!!
建物から破壊音が聞こえた。
「あらあら、怒っちゃったかしら?」
小間使いが帰って暫くして、件のカズブール商会の建物が荒れているようだ。
「さぁ、リルラ。
行きましょう。」
ゴヴァンが急かすとリルラは苦笑しながら頷いた。
閉ざされた扉の向こうが騒がしい。
ゴヴァンは強めにドアノッカーを叩いた。
ガンガンガン!
突如として静まり返った建物が実に滑稽だった。
ギギッ
小さな音を立てて開いた扉から、先程の小間使いの男が顔を出す。
「も・・・申し訳ございません。
現在準備中で・・・ございます。
おっおおお・・お引き取り願います。」
弱々しい声にゴヴァンはニッコリとした。
「存じております。
退け。」
「あっ!
ちょっと!!
お待ちください!!」
力強く、扉をこじ開けるゴヴァンに続きリルラ達は不作法に中に入っていく。
騒ぐ小間使いの男は同胞が床に押さえつけた。
「会頭の部屋は2階の奥だ。」
宿屋の男の言葉に従い階段を駆け上がるリルラ達に迷いはない。
何事かと顔を出すカズブール商会の職員達を次々と掌握していく同胞達を背にリルラは会頭の部屋の前に立った。
コンコンコンッ
返事のない部屋の扉をリルラは微笑みながら開けた。
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