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旅路〜デザリア〜
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「テント張れたよ~。」
「薪の用意も出来たぞ!」
「テーブルと椅子のセッティングも完了したよ。」
「スコル。冷蔵庫から鍋とってきて。」
「了解。
他に必要なのある?」
「お風呂の準備が出来たら、アウラのブラッシングしてくるね。」
シモン・ヤティムとタージ・ラバンはイオリ達の動きの速さにお届きを隠せずに唖然としていた。
「・・・ふむ。」
「みんな、働き者ですね。
手伝おうと思いましたが、手も出せません。」
そこに自分達のテントを張り終えたリルラが合流した。
「野営馴れしているのですよ。
イオリ様の馬車の後方をご覧になったでしょう?
旅の中でも快適に料理ができるようにご自身で手を入れてらっしゃるのです。
私も以前は驚きましたが、慣れました。」
クスクス笑ったリルラはイオリ達に近づくと手伝う事はあるかと声をかけに行った。
「ダンジョンの中でも楽しそうだった。
毎度、彼らには驚かされる。」
シモン・ヤティムが微笑ましく見つめているのとは違い、タージ・ラバンは唖然としていた顔を瞬時に切り替えイオリ達の輪に加わるのだった。
「これ何ですか!?」
楽しそうなタージ・ラバンにシモン・ヤティムは溜息を吐いた。
「あの男も忙しないな。」
ーーーーーーーー
陽が落ち、木々の間にテントが設置され焚き火に炎が灯るとムジーザは幻想的な光景に変わっていく。
「昼も綺麗でしたけど、夜も素晴らしいですね。
オアシスとは、常にこんな感じなんですか?」
イオリが質問すると、シモン・ヤティムはなんとも言えない顔をした。
「晴れていれば、こんなものだ。
しかし、オアシスと言っても砂漠と面しているからな。
嵐が来れば砂は舞うし、逃げ場を求める魔獣がやって来て忙しない事もある。
砂の嵐は通常と違って、痛くて目を開けてられないくらいに酷くなる。
オアシスは木々が守ってくれるが、それでも被害が出る事もあるぞ。」
「今日みたいに穏やかな日だけではないと言う事ですね。
勉強になります。」
神妙な顔つきで頷くとイオリは焚き火の中に放り込んでいる鍋を掻き回し、味の調整をする。
「それは?」
芳醇な香りにシモン・ヤティムの顔が緩む。
「ブラウンシチューですよ。
お肉もたっぷり入っていて美味しく出来ました。
今、パンの用意をしているので待ってくださいね。」
パンと言えば、ダンジョン内で“おやき”をご馳走になった事を思い出したシモン・ヤティムは微笑んだ。
ホワイトキャビンとイオリの関係を知り、即座に“おやき”のレシピの登録をお願いしたのだ。
それにはラバン商会も乗り気で自身の商会で保存食として売りに出すとの事だった。
国にとっても軍の行軍に利用できると願ってもない商品だ。
シモン・ヤティムはイオリが差し出すハーブティーに和んでいた。
そこに騒がしい声が響いた。
タージ・ラバンやリルラ達に風呂を貸していたのだ。
男女で分かれて大きな浴槽に浸かって気分が良いらしい。
商人としても経験豊富なタージ・ラバンだったがイオリのテントは見た事ない最上級品のようだ。
興奮しているのが分かる。
すっかり子供達も慣れたのか、タージ・ラバンに絡んでいる。
「ほらっ!
みんな、ご飯にするよ。
明日も先に進むんだから、早く寝るんだよ。」
イオリの呼び声に子供達だけじゃなく、大人達が嬉しそうに近づいて来る。
「さぁ、皆さん。
しっかり食べて、しっかり休みましょう。
そして明日も頑張りましょうね。」
イオリ特製のブラウンシチューは大好評のうちに鍋を空にするのだった。
「薪の用意も出来たぞ!」
「テーブルと椅子のセッティングも完了したよ。」
「スコル。冷蔵庫から鍋とってきて。」
「了解。
他に必要なのある?」
「お風呂の準備が出来たら、アウラのブラッシングしてくるね。」
シモン・ヤティムとタージ・ラバンはイオリ達の動きの速さにお届きを隠せずに唖然としていた。
「・・・ふむ。」
「みんな、働き者ですね。
手伝おうと思いましたが、手も出せません。」
そこに自分達のテントを張り終えたリルラが合流した。
「野営馴れしているのですよ。
イオリ様の馬車の後方をご覧になったでしょう?
旅の中でも快適に料理ができるようにご自身で手を入れてらっしゃるのです。
私も以前は驚きましたが、慣れました。」
クスクス笑ったリルラはイオリ達に近づくと手伝う事はあるかと声をかけに行った。
「ダンジョンの中でも楽しそうだった。
毎度、彼らには驚かされる。」
シモン・ヤティムが微笑ましく見つめているのとは違い、タージ・ラバンは唖然としていた顔を瞬時に切り替えイオリ達の輪に加わるのだった。
「これ何ですか!?」
楽しそうなタージ・ラバンにシモン・ヤティムは溜息を吐いた。
「あの男も忙しないな。」
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陽が落ち、木々の間にテントが設置され焚き火に炎が灯るとムジーザは幻想的な光景に変わっていく。
「昼も綺麗でしたけど、夜も素晴らしいですね。
オアシスとは、常にこんな感じなんですか?」
イオリが質問すると、シモン・ヤティムはなんとも言えない顔をした。
「晴れていれば、こんなものだ。
しかし、オアシスと言っても砂漠と面しているからな。
嵐が来れば砂は舞うし、逃げ場を求める魔獣がやって来て忙しない事もある。
砂の嵐は通常と違って、痛くて目を開けてられないくらいに酷くなる。
オアシスは木々が守ってくれるが、それでも被害が出る事もあるぞ。」
「今日みたいに穏やかな日だけではないと言う事ですね。
勉強になります。」
神妙な顔つきで頷くとイオリは焚き火の中に放り込んでいる鍋を掻き回し、味の調整をする。
「それは?」
芳醇な香りにシモン・ヤティムの顔が緩む。
「ブラウンシチューですよ。
お肉もたっぷり入っていて美味しく出来ました。
今、パンの用意をしているので待ってくださいね。」
パンと言えば、ダンジョン内で“おやき”をご馳走になった事を思い出したシモン・ヤティムは微笑んだ。
ホワイトキャビンとイオリの関係を知り、即座に“おやき”のレシピの登録をお願いしたのだ。
それにはラバン商会も乗り気で自身の商会で保存食として売りに出すとの事だった。
国にとっても軍の行軍に利用できると願ってもない商品だ。
シモン・ヤティムはイオリが差し出すハーブティーに和んでいた。
そこに騒がしい声が響いた。
タージ・ラバンやリルラ達に風呂を貸していたのだ。
男女で分かれて大きな浴槽に浸かって気分が良いらしい。
商人としても経験豊富なタージ・ラバンだったがイオリのテントは見た事ない最上級品のようだ。
興奮しているのが分かる。
すっかり子供達も慣れたのか、タージ・ラバンに絡んでいる。
「ほらっ!
みんな、ご飯にするよ。
明日も先に進むんだから、早く寝るんだよ。」
イオリの呼び声に子供達だけじゃなく、大人達が嬉しそうに近づいて来る。
「さぁ、皆さん。
しっかり食べて、しっかり休みましょう。
そして明日も頑張りましょうね。」
イオリ特製のブラウンシチューは大好評のうちに鍋を空にするのだった。
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