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旅路〜デザリア〜
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ーーーームジーザ
到着したオアシスは背の高い柵に覆われ、しっかりと強固な門扉が設置されてあった。
門には衛兵が待機し出入りをチェックしている。
「皆んな。
ムジーザに着いたよ。」
イオリが声をかけると眠そうな目を擦り子供達が起き上がる。
「順番が来るぞ。
ギルドカードを出しておけ。」
リルラ達が門で衛兵と話しているのを見てヒューゴが後ろを向いて声をかけると眠そうな返事が返ってくる。
「「「「は~い。」」」」
何やら慌てた様子で衛兵が走りよってくるとヒューゴに声をかけた。
「こちらの馬車に筆頭魔法使いであられるシモン・ヤティム様が同乗されていると聞きましたが。」
「あぁ。
私だ。」
顔を出したシモン・ヤティムが身分を示す腕輪を掲げ、衛兵が差し出す球体の魔道具に手を翳した。
「恐れ入ります。
我々は王都衛兵12部隊です。
1週間ほど前から配置されております。
ムジーザではダンジョンが閉鎖されていた時に冒険者や旅人が押しおせ、一時期騒がしかったのですが、現在は落ち着きを取り戻しております。」
「うむ。
話は聞いていた。
3部隊が緊急配置されたとな。
今が落ち着いているのなら良い。
この馬車の者達の身元は保証する。
後続はラバン商会の会頭の馬車だ。
共に旅をしている。
確認しておいてくれ。」
「はい!承知しました。
お進みください。」
身分証の確認もそこそこに入る事を許可され肩透かしのイオリはシモン・ヤティムに苦笑した。
「今、シモンさんが国の大物だって自覚しました。」
「おい。
一体、筆頭の文字をなんだと思っていたんだ。
役立つのはこんな時くらいさ。」
楽しそうに笑うシモン・ヤティムは《こんな時くらい》と言いながらも誇らしげに煌めく腕輪を撫でた。
リルラ逹の馬車を先頭にオアシスを進んで行くと先程まで眠た気だった子供達も興味津々に顔を出す。
入り口近くには商売を目的としたテントや馬車が並んでおり、中には飯屋なのか湯気を立てる鍋を置く店があった。
奥に進むにつれキャンプ地なのか、木々が増えていき早くもテントが見えていた。
「綺麗な場所だね。」
砂漠の中、疲れていたナギが嬉しそうに辺りを見渡す。
まだ、日も暮れていない時間。
中央に存在する湖が日中の光を溜めているようだ。
「テント張るの湖の側が良い!」
楽しそうなパティが叫ぶとリルラ達の馬車が湖に近づき停車した。
クスクスと笑いながら馬車を降りたリルラがパティに手を振る。
「ここで良いかしら?」
水辺に停車した馬車から子供達が飛び出す。
「バッチリだね!」
辺りを見渡し、満足そうに頷いたパティは親指を立ててリルラにニコッと笑った。
入り口から奥に入り、湖沿いに進んできた。
水辺に沿って所々にテントの姿が見える。
先程まで一面砂漠だったのに青々とした木々と煌めく湖が広がっているのは本当に不思議な光景だ。
見れば、一般の旅人よりも冒険者が多そうだ。
これからバッカスに向かい再開するダンジョンに行くのかもしれない。
「よしっ!
やりますか。」
イオリは馬車の後を開けると、野営の準備に入るのだった。
到着したオアシスは背の高い柵に覆われ、しっかりと強固な門扉が設置されてあった。
門には衛兵が待機し出入りをチェックしている。
「皆んな。
ムジーザに着いたよ。」
イオリが声をかけると眠そうな目を擦り子供達が起き上がる。
「順番が来るぞ。
ギルドカードを出しておけ。」
リルラ達が門で衛兵と話しているのを見てヒューゴが後ろを向いて声をかけると眠そうな返事が返ってくる。
「「「「は~い。」」」」
何やら慌てた様子で衛兵が走りよってくるとヒューゴに声をかけた。
「こちらの馬車に筆頭魔法使いであられるシモン・ヤティム様が同乗されていると聞きましたが。」
「あぁ。
私だ。」
顔を出したシモン・ヤティムが身分を示す腕輪を掲げ、衛兵が差し出す球体の魔道具に手を翳した。
「恐れ入ります。
我々は王都衛兵12部隊です。
1週間ほど前から配置されております。
ムジーザではダンジョンが閉鎖されていた時に冒険者や旅人が押しおせ、一時期騒がしかったのですが、現在は落ち着きを取り戻しております。」
「うむ。
話は聞いていた。
3部隊が緊急配置されたとな。
今が落ち着いているのなら良い。
この馬車の者達の身元は保証する。
後続はラバン商会の会頭の馬車だ。
共に旅をしている。
確認しておいてくれ。」
「はい!承知しました。
お進みください。」
身分証の確認もそこそこに入る事を許可され肩透かしのイオリはシモン・ヤティムに苦笑した。
「今、シモンさんが国の大物だって自覚しました。」
「おい。
一体、筆頭の文字をなんだと思っていたんだ。
役立つのはこんな時くらいさ。」
楽しそうに笑うシモン・ヤティムは《こんな時くらい》と言いながらも誇らしげに煌めく腕輪を撫でた。
リルラ逹の馬車を先頭にオアシスを進んで行くと先程まで眠た気だった子供達も興味津々に顔を出す。
入り口近くには商売を目的としたテントや馬車が並んでおり、中には飯屋なのか湯気を立てる鍋を置く店があった。
奥に進むにつれキャンプ地なのか、木々が増えていき早くもテントが見えていた。
「綺麗な場所だね。」
砂漠の中、疲れていたナギが嬉しそうに辺りを見渡す。
まだ、日も暮れていない時間。
中央に存在する湖が日中の光を溜めているようだ。
「テント張るの湖の側が良い!」
楽しそうなパティが叫ぶとリルラ達の馬車が湖に近づき停車した。
クスクスと笑いながら馬車を降りたリルラがパティに手を振る。
「ここで良いかしら?」
水辺に停車した馬車から子供達が飛び出す。
「バッチリだね!」
辺りを見渡し、満足そうに頷いたパティは親指を立ててリルラにニコッと笑った。
入り口から奥に入り、湖沿いに進んできた。
水辺に沿って所々にテントの姿が見える。
先程まで一面砂漠だったのに青々とした木々と煌めく湖が広がっているのは本当に不思議な光景だ。
見れば、一般の旅人よりも冒険者が多そうだ。
これからバッカスに向かい再開するダンジョンに行くのかもしれない。
「よしっ!
やりますか。」
イオリは馬車の後を開けると、野営の準備に入るのだった。
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