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旅路〜デザリア・王宮〜
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リルラの話によると、アースガイルの宰相グレン・ターナーの領地である“クリプト”の地の山間に許された隠れ里に居を構えた者等はホワイトキャビンの旅団に所属し、様々な国に行き、売り払われた同胞達を解放して回っているらしい。
多くの場合は貴族や富豪の奴隷として過酷な生活をしている事が多く、酷い時は命を落としている者もいたようだ。
時には隠されている場合もあるようで所在を掴むのも一苦労とか。
「絶対に諦めない。」
リルラの瞳はミズガルドの元貴族ルッツ・ヴァハマンの奴隷として生きていた時とは、まるで違っていた。
希望や怒り、様々な感情を持った瞳が煌めくのをイオリは静かに見守る事にした。
奴隷の紋様を持った彼らを解放する為に、アースガイルの魔法使い達も手助けをしてくれるとリルラは嬉しそうだった。
「みんな、イオリには感謝してるんだ。
会った事ない奴らもイオリのお陰で今があるって会えるのを楽しみにしているよ。」
「俺は何にもしてないじゃないですか。
彼らを助けたのはリルラさん達でしょう?」
特別視されても困るとイオリは否定した。
「きっかけはイオリだから、同じ事さ。
それに、ホワイトキャビンの隠されたトップに会いたいと誰もが思うものだろう?」
リルラが揶揄っていると分かって、イオリは苦笑した。
「それで?
ラックは今“ルーシュピケ”にいるんですか?」
ラックの名はを聞き、子供達も興味津々だ。
「普段は私たちと行動を共にしてるんだ。
あの子もホワイトキャビンの一員だよ。
でも、今はちょっと事情があってね。」
顔を曇らすリルラにイオリはヒューゴと顔を見合わせた。
「問題が?」
ヒューゴが問いかけるとリルラは溜息を吐いた。
「あの子が拐われた時に一緒に奴隷に売られたウサギの少女の話は聞いた事あるだろう?」
ラックもまた、出会った頃はルッツ・ヴァハマンの奴隷だった。
彼の言うところには、村を焼き払われ一度に多くの子供たちが拐われたらしい。
その中でもラックはトラの獣人の少年とウサギの獣人の少女を気にかけていた。
思い出したイオリは頷いた。
「捕まった時にラックを庇っていたっていうウサギの獣人の少女。
先月、彼女を保護したんだ。」
それは良かったとイオリ達が微笑むと、リルラは首を横に振った。
「随分と酷い扱いを受けたようでね。
身も心も疲弊しちまってるんだよ。
彼女を放っておけないって、ラックは側を離れないんだ。」
可哀想な少女を思い、イオリは天を仰いだ。
「彼女の様な子達は争い事を好まない。
私たちの里にいるのは戦闘も厭わない奴らばかりだからね。
“ルーシュピケ”の方が落ち着くだろうと送ったんだが・・・。」
どうやら、思っているようも疲弊しているようだ。
「可哀想。」
ポツリと言うニナにリルラは優しく微笑み、頭を撫でた。
「すべての人間がニナのように優しければ良いのにね。」
リルラも微笑みはどこか悲しそうであった。
多くの場合は貴族や富豪の奴隷として過酷な生活をしている事が多く、酷い時は命を落としている者もいたようだ。
時には隠されている場合もあるようで所在を掴むのも一苦労とか。
「絶対に諦めない。」
リルラの瞳はミズガルドの元貴族ルッツ・ヴァハマンの奴隷として生きていた時とは、まるで違っていた。
希望や怒り、様々な感情を持った瞳が煌めくのをイオリは静かに見守る事にした。
奴隷の紋様を持った彼らを解放する為に、アースガイルの魔法使い達も手助けをしてくれるとリルラは嬉しそうだった。
「みんな、イオリには感謝してるんだ。
会った事ない奴らもイオリのお陰で今があるって会えるのを楽しみにしているよ。」
「俺は何にもしてないじゃないですか。
彼らを助けたのはリルラさん達でしょう?」
特別視されても困るとイオリは否定した。
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それに、ホワイトキャビンの隠されたトップに会いたいと誰もが思うものだろう?」
リルラが揶揄っていると分かって、イオリは苦笑した。
「それで?
ラックは今“ルーシュピケ”にいるんですか?」
ラックの名はを聞き、子供達も興味津々だ。
「普段は私たちと行動を共にしてるんだ。
あの子もホワイトキャビンの一員だよ。
でも、今はちょっと事情があってね。」
顔を曇らすリルラにイオリはヒューゴと顔を見合わせた。
「問題が?」
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「あの子が拐われた時に一緒に奴隷に売られたウサギの少女の話は聞いた事あるだろう?」
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その中でもラックはトラの獣人の少年とウサギの獣人の少女を気にかけていた。
思い出したイオリは頷いた。
「捕まった時にラックを庇っていたっていうウサギの獣人の少女。
先月、彼女を保護したんだ。」
それは良かったとイオリ達が微笑むと、リルラは首を横に振った。
「随分と酷い扱いを受けたようでね。
身も心も疲弊しちまってるんだよ。
彼女を放っておけないって、ラックは側を離れないんだ。」
可哀想な少女を思い、イオリは天を仰いだ。
「彼女の様な子達は争い事を好まない。
私たちの里にいるのは戦闘も厭わない奴らばかりだからね。
“ルーシュピケ”の方が落ち着くだろうと送ったんだが・・・。」
どうやら、思っているようも疲弊しているようだ。
「可哀想。」
ポツリと言うニナにリルラは優しく微笑み、頭を撫でた。
「すべての人間がニナのように優しければ良いのにね。」
リルラも微笑みはどこか悲しそうであった。
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