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旅路〜デザリア・王宮〜
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大体の方向性が決められるとラバン商会を後にしたイオリは肩の力を抜き大きな溜息を吐いた。
「はぁぁぁぁ。
また、なんか変な事になった・・・」
「お疲れ様。」
クスクスと笑い声を上げたのは、優しく微笑むリルラである。
「「「「リルラ!」」」」
ラバン商会では空気を呼んで我慢していた子供達も嬉しそうにリルラに抱きついた。
「みんな久しぶりね。
元気そうで嬉しいよ。」
先程と違って、口調が戻ってきたリルラにイオリは安心した様に微笑んだ。
「で?
どうして、ホワイトキャビンに旅団なんか出来ているんです?」
ジトっとした目で見つめられ、リルラはニヤニヤとした。
「元々、前職でも旅商人っていう肩書きを便利に使っていたんだ。
あの後も、同胞探しで国を跨ぐのに一番当たり障りないないからね。
グレン・ターナー様に相談したら、グラトニー商会のロスさんを紹介されてね。」
アースガイルの宰相の名を出されイオリは納得するように頷いた。
「それじゃ、ロスさんは知っているんですね?」
「あぁ、彼はね。
流石に、ホワイトキャビンの名を使うのに知ってる人間がいた方が良いと判断されたらしい。
まぁ、ロスさんには最初は随分と警戒されたけどね。
当然と言えば、当然だけどね。今では受け入れてくれているよ。
グラトニー商会ならロスさんとリロイさん、あと大旦那さんも知ってる。
バートさんは知らされていないけど、良くしてくれているよ。」
直属の上司であるにも関わらず、知らされていない哀れなバート。
そんな彼だからこそ、イオリだけじゃなく多くの人間に愛されているのだ。
「ポーレット公爵家はご存じだよ。
挨拶に行った時に歓迎されたからね。」
揶揄うようなリルラを見てイオリは溜息を吐いた。
「何にも言ってなかったのに・・・。」
「あの人達の事だ。
イオリを驚かせたかったんだろう。
いつもはお前が心配かけているんだから、今回は我慢するんだな。」
楽しそうなヒューゴにリルラも一緒に笑っている。
「あの時に助けられた全員がホワイトキャビンの旅団だよ。
グレン様の領地に隠れ里を与えて貰って、あの後に助け出された奴らを保護している。
それに・・・。」
声を顰めたリルラはイオリ達だけに聞こえる声で囁いた。
「希望者は“ルーシュピケ”で生活しているんだ。」
ここに来て、“ルーシュピケ”の名が出されイオリは目を丸くした。
「私たちの同胞の多くがエルフや獣人だからね。
ミズガルドに近いアースガイルより心が落ち着くんだ。
“ルーシュピケ”の首脳陣も受け入れてくれてね。
あの国は我々にとっての楽園だからね。
辛い思いをした奴らも幸せを感じてくれると嬉しい。」
《誰にも縛られない国》
リュオンが言っていた“ルーシュピケ”と言う名の小国。
リルラの話を聞いて嬉しそうに見上げる双子とナギをイオリは頭を撫でた。
「ここからは私も同行するよ。
一緒に“ルーシュピケ”に行こう。
ラックもみんなが来るのを待っているはずよ。」
「「「「ラック!会いたい!」」」」
喜ぶ子供達に微笑むとイオリは猫の獣人の少年の姿を思い出していた。
「はぁぁぁぁ。
また、なんか変な事になった・・・」
「お疲れ様。」
クスクスと笑い声を上げたのは、優しく微笑むリルラである。
「「「「リルラ!」」」」
ラバン商会では空気を呼んで我慢していた子供達も嬉しそうにリルラに抱きついた。
「みんな久しぶりね。
元気そうで嬉しいよ。」
先程と違って、口調が戻ってきたリルラにイオリは安心した様に微笑んだ。
「で?
どうして、ホワイトキャビンに旅団なんか出来ているんです?」
ジトっとした目で見つめられ、リルラはニヤニヤとした。
「元々、前職でも旅商人っていう肩書きを便利に使っていたんだ。
あの後も、同胞探しで国を跨ぐのに一番当たり障りないないからね。
グレン・ターナー様に相談したら、グラトニー商会のロスさんを紹介されてね。」
アースガイルの宰相の名を出されイオリは納得するように頷いた。
「それじゃ、ロスさんは知っているんですね?」
「あぁ、彼はね。
流石に、ホワイトキャビンの名を使うのに知ってる人間がいた方が良いと判断されたらしい。
まぁ、ロスさんには最初は随分と警戒されたけどね。
当然と言えば、当然だけどね。今では受け入れてくれているよ。
グラトニー商会ならロスさんとリロイさん、あと大旦那さんも知ってる。
バートさんは知らされていないけど、良くしてくれているよ。」
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そんな彼だからこそ、イオリだけじゃなく多くの人間に愛されているのだ。
「ポーレット公爵家はご存じだよ。
挨拶に行った時に歓迎されたからね。」
揶揄うようなリルラを見てイオリは溜息を吐いた。
「何にも言ってなかったのに・・・。」
「あの人達の事だ。
イオリを驚かせたかったんだろう。
いつもはお前が心配かけているんだから、今回は我慢するんだな。」
楽しそうなヒューゴにリルラも一緒に笑っている。
「あの時に助けられた全員がホワイトキャビンの旅団だよ。
グレン様の領地に隠れ里を与えて貰って、あの後に助け出された奴らを保護している。
それに・・・。」
声を顰めたリルラはイオリ達だけに聞こえる声で囁いた。
「希望者は“ルーシュピケ”で生活しているんだ。」
ここに来て、“ルーシュピケ”の名が出されイオリは目を丸くした。
「私たちの同胞の多くがエルフや獣人だからね。
ミズガルドに近いアースガイルより心が落ち着くんだ。
“ルーシュピケ”の首脳陣も受け入れてくれてね。
あの国は我々にとっての楽園だからね。
辛い思いをした奴らも幸せを感じてくれると嬉しい。」
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リルラの話を聞いて嬉しそうに見上げる双子とナギをイオリは頭を撫でた。
「ここからは私も同行するよ。
一緒に“ルーシュピケ”に行こう。
ラックもみんなが来るのを待っているはずよ。」
「「「「ラック!会いたい!」」」」
喜ぶ子供達に微笑むとイオリは猫の獣人の少年の姿を思い出していた。
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