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旅路〜デザリア・王宮〜
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ギルマスの部屋を後にしたイオリ達は静まり返った冒険者ギルドに首を捻りながらも階段を降りて行った。
「お帰りですか?」
「はい。
お邪魔しました。
魔獣の買取の件お願いします。」
「承りました。
恐らく、絡んでくる愚か者はいないと思われますが、街を散策されるのでしたらお気をつけていってらっしゃませ。」
何をしたのだろう?
微笑むフォートナムの肩越しに受付係のウパの苦笑いが見えた。
「有難うございます。
それじゃ、また。」
パティとナギの肩を抱き、歩き出したイオリの後をスコルとゼンとアウラがついて来る。
ニナを抱き上げギルドを後にするヒューゴの背を惚れ惚れしたように見送るエリーヌの姿があった。
「・・・良いのか?
話しかけないで。
好きなんだろ?」
そう話しかけるウパにエリーヌは憤然とした。
「何言ってるんですか!
そんな汚れた気持ちなんてありませんよ!
ヒューゴ様は鑑賞対象として崇拝しているんです!
見ました?
妹さんを、あんなに優しく抱き上げて・・・。
なんて尊い・・・。」
うっとりとするエリーヌにウパの顔が引き攣っている。
「そっ・・・そうか。」
そんな2人をフォートナムは呆れた顔で睨みつけた。
「何してるんですか?
貴方達に暇なんてありませんよ。
仕事に戻りなさい。」
「「はい!」」
フォートナムは2人を連れて奥に向かうと扉を開いた。
そしてギュウギュウに押し込められていた冒険者達に冷たい笑顔を向けた。
「大人しくして頂いて、結構でした。
今後もイオリ様一行がデザリアを出るまで、良い子に出来ますね?」
コクコクと必死に頷く冒険者達にフォートナムは優しく微笑んだ。
「それなら結構。」
冒険者達はフォートナムの後ろから顔をだすウパとエリーヌに助けてくれと視線を送るが、2人は不敵な笑みを浮かべるだけだった。
何故か、その日から子連れ冒険者の噂が聞こえてきた。
《イルミナーレ
自身もSランクであり、アースガイルの英雄と名高い“黒狼”とパーティを組む男は二つ名に相応しく美しい技を使うらしい。
背中に大剣を背負った、その偉丈夫は妹である美少女を連れて旅をしていると目撃情報がある。
妹を事の他大切にしているイルミナーレの琴戦に触れる事なかれ、男の大剣が大地を割る事だろう。
加えて言えば、美少女は“黒狼”にも愛情を注がれている。
怒りを買えば、身を滅ぼす未来が見える。》
彼らを知っている人間からすると、あながち嘘でもないと答えるだろう。
イルミナーレ・・・そう言われる事を嫌うヒューゴが知ったらどうなる事か。
「さぁ、イオリ様だけでなくヒューゴ様を崇める話も広めるわよ~。」
デザリアの首都バッカスの冒険者ギルドの受付で1人の女が気合を入れる。
「・・・やめておけ。
後々、問題が起こったら面倒だぞ。」
止めるウパを気にするでもなくエリーヌはヒューゴの広報に力を入れる決意をするのだった。
「本当に知らないからな。
俺は止めたからな。」
汗をかくウパは旅立つヒューゴの耳に届かない事を祈るのだった。
「お帰りですか?」
「はい。
お邪魔しました。
魔獣の買取の件お願いします。」
「承りました。
恐らく、絡んでくる愚か者はいないと思われますが、街を散策されるのでしたらお気をつけていってらっしゃませ。」
何をしたのだろう?
微笑むフォートナムの肩越しに受付係のウパの苦笑いが見えた。
「有難うございます。
それじゃ、また。」
パティとナギの肩を抱き、歩き出したイオリの後をスコルとゼンとアウラがついて来る。
ニナを抱き上げギルドを後にするヒューゴの背を惚れ惚れしたように見送るエリーヌの姿があった。
「・・・良いのか?
話しかけないで。
好きなんだろ?」
そう話しかけるウパにエリーヌは憤然とした。
「何言ってるんですか!
そんな汚れた気持ちなんてありませんよ!
ヒューゴ様は鑑賞対象として崇拝しているんです!
見ました?
妹さんを、あんなに優しく抱き上げて・・・。
なんて尊い・・・。」
うっとりとするエリーヌにウパの顔が引き攣っている。
「そっ・・・そうか。」
そんな2人をフォートナムは呆れた顔で睨みつけた。
「何してるんですか?
貴方達に暇なんてありませんよ。
仕事に戻りなさい。」
「「はい!」」
フォートナムは2人を連れて奥に向かうと扉を開いた。
そしてギュウギュウに押し込められていた冒険者達に冷たい笑顔を向けた。
「大人しくして頂いて、結構でした。
今後もイオリ様一行がデザリアを出るまで、良い子に出来ますね?」
コクコクと必死に頷く冒険者達にフォートナムは優しく微笑んだ。
「それなら結構。」
冒険者達はフォートナムの後ろから顔をだすウパとエリーヌに助けてくれと視線を送るが、2人は不敵な笑みを浮かべるだけだった。
何故か、その日から子連れ冒険者の噂が聞こえてきた。
《イルミナーレ
自身もSランクであり、アースガイルの英雄と名高い“黒狼”とパーティを組む男は二つ名に相応しく美しい技を使うらしい。
背中に大剣を背負った、その偉丈夫は妹である美少女を連れて旅をしていると目撃情報がある。
妹を事の他大切にしているイルミナーレの琴戦に触れる事なかれ、男の大剣が大地を割る事だろう。
加えて言えば、美少女は“黒狼”にも愛情を注がれている。
怒りを買えば、身を滅ぼす未来が見える。》
彼らを知っている人間からすると、あながち嘘でもないと答えるだろう。
イルミナーレ・・・そう言われる事を嫌うヒューゴが知ったらどうなる事か。
「さぁ、イオリ様だけでなくヒューゴ様を崇める話も広めるわよ~。」
デザリアの首都バッカスの冒険者ギルドの受付で1人の女が気合を入れる。
「・・・やめておけ。
後々、問題が起こったら面倒だぞ。」
止めるウパを気にするでもなくエリーヌはヒューゴの広報に力を入れる決意をするのだった。
「本当に知らないからな。
俺は止めたからな。」
汗をかくウパは旅立つヒューゴの耳に届かない事を祈るのだった。
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