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旅路〜デザリア・ダンジョン〜
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ステルス魔法が切れたのか、姿を隠す事すら無駄な怒りを携えて剣のエルフが襲い掛かって来る姿が見えた。
「あれ?
あの人、さっき倒さなかったかな?」
確かに睡眠弾で始末をつけたはずであったが、簡単には倒れてはくれないらしい。
イオリが撃ち込む銃弾を避けたり弾いたりと剣のエルフが間合いを詰めてくる。
「これならどうかな?」
イオリは素早い動きの剣のエルフに2丁の拳銃でゆっくりと狙いを定めると引き金を引いた。
ドォンッ!!
大きなインパクトが剣のエルフを襲う。
イオリに近づいたと思っていた自身の体が弾き飛んだ。
「クソッ!
もう少しだった!」
衝撃波で飛ばされた剣のエルフは土壁に激突間際になって体制を立て直した。
土壁に足の裏をつけて、反動で飛び付こうと勢いそのままに足に力を込めた。
「今度は俺の番だ。」
歪んだ笑みを浮かべる剣のエルフが踏み出そうとした時だった。
「グッ!クソッ!何だぁ!!」
足元を見ると自身の足が土壁にメリ混み抜けなくなっている。
「どういうことだ!」
もがく剣のエルフを“デザリア”の筆頭魔法使いはニヤリとして見ていた。
「フンっ。
その土壁には私の魔力が練り込んである。
触れさえすれば土の中に閉じ込めてやる事も容易い。」
剣のエルフは抜け出せない土壁を何度も蹴るが、その度に両足が沈んでいく。
まるで縦に出来上がった底抜け沼のようだ。
「クソっ!クソッ!クソがぁぁぁ!!」
怒号を上げる剣のエルフに大剣が襲い掛かる。
双子をシールドで守っていたヒューゴが剣のエルフを仕留めに来たのだ。
「ガァぁぁ!!次から次へと下等生物がぁぁぁ!!」
剣のエルフはヒューゴの重い剣を必死で受け止めた弾いた。
「チッ!」
弾かれたヒューゴは舌打ちをして次の一手に備える。
次第に飲み込まれていく土壁から這いあがろうと暴れる剣のエルフに子供の声が聞こえた。
「「せーの!!」」
双子の剣がエルフの肩を切り裂いた。
「グアぁ。」
だらりと下がった腕は言う事を聞かない。
「クソが!許さん!
許さねーぞ!!獣のガキ共ぉぉ!」
そんな剣のエルフにスコルとパティは「「アッカンベー!」」とバックステップで離れていく。
「戻ってこい!クソガキ共!!」
もはや口しか動かない剣のエルフを影が覆った。
「うちの子供達に汚い言葉を投げかけるな。
教育に良くない。
お前は眠れ。」
ドゴンっ!!
ヒューゴが振り下ろした大剣が剣のエルフの意識を奪った。
_________
「やはり、アイツは使えない奴だったか。」
魔法のエルフは剣のエルフが敵の手に落ちたと呆れた顔で溜息を吐いた。
それは、決して仲間を想っての表情ではなかった。
彼らの里では使えなくなった戦士は捨てられる。
当然の事だった。
少しでもダークエルフ・ルミエール様の力になれれば、彼らにしてみれば死も名誉な事だ。
それでも下劣とコケ下ろす人間に負けるとは・・・
「恥ずかしい奴め。」
相方がいなくなって1人になった。
どうやら真っ黒な男は下等な人間にしてはやる様だ。
大剣の男も手間がかかるだろう。
《さて、手っ取り早くここにいる人間達を殲滅するには・・・》
何かを思いついた魔法のエルフはニヤリと口元を歪めると己の杖を敵の馬車に向けた。
馬車には敵の子供達がいたと知っている。
魔法のエルフは何の気にも止めずに構えていた杖を振り下ろした。
一瞬にして炎に包まれた馬車を魔法のエルフは満足そうに見つめていた。
大剣の男や獣の子供達が騒いでいる声が心地が良い。
己が醜悪な顔で笑っている事などお構いなしで微笑む魔法のエルフ。
そんな彼の後頭部に冷たい鉄筒が突きつけられた。
「家族を傷つけるな。
さっき教えたよね?」
振り返る事も許さない声に魔法のエルフはコントロールの効かない体の震えに襲われた。
「あれ?
あの人、さっき倒さなかったかな?」
確かに睡眠弾で始末をつけたはずであったが、簡単には倒れてはくれないらしい。
イオリが撃ち込む銃弾を避けたり弾いたりと剣のエルフが間合いを詰めてくる。
「これならどうかな?」
イオリは素早い動きの剣のエルフに2丁の拳銃でゆっくりと狙いを定めると引き金を引いた。
ドォンッ!!
大きなインパクトが剣のエルフを襲う。
イオリに近づいたと思っていた自身の体が弾き飛んだ。
「クソッ!
もう少しだった!」
衝撃波で飛ばされた剣のエルフは土壁に激突間際になって体制を立て直した。
土壁に足の裏をつけて、反動で飛び付こうと勢いそのままに足に力を込めた。
「今度は俺の番だ。」
歪んだ笑みを浮かべる剣のエルフが踏み出そうとした時だった。
「グッ!クソッ!何だぁ!!」
足元を見ると自身の足が土壁にメリ混み抜けなくなっている。
「どういうことだ!」
もがく剣のエルフを“デザリア”の筆頭魔法使いはニヤリとして見ていた。
「フンっ。
その土壁には私の魔力が練り込んである。
触れさえすれば土の中に閉じ込めてやる事も容易い。」
剣のエルフは抜け出せない土壁を何度も蹴るが、その度に両足が沈んでいく。
まるで縦に出来上がった底抜け沼のようだ。
「クソっ!クソッ!クソがぁぁぁ!!」
怒号を上げる剣のエルフに大剣が襲い掛かる。
双子をシールドで守っていたヒューゴが剣のエルフを仕留めに来たのだ。
「ガァぁぁ!!次から次へと下等生物がぁぁぁ!!」
剣のエルフはヒューゴの重い剣を必死で受け止めた弾いた。
「チッ!」
弾かれたヒューゴは舌打ちをして次の一手に備える。
次第に飲み込まれていく土壁から這いあがろうと暴れる剣のエルフに子供の声が聞こえた。
「「せーの!!」」
双子の剣がエルフの肩を切り裂いた。
「グアぁ。」
だらりと下がった腕は言う事を聞かない。
「クソが!許さん!
許さねーぞ!!獣のガキ共ぉぉ!」
そんな剣のエルフにスコルとパティは「「アッカンベー!」」とバックステップで離れていく。
「戻ってこい!クソガキ共!!」
もはや口しか動かない剣のエルフを影が覆った。
「うちの子供達に汚い言葉を投げかけるな。
教育に良くない。
お前は眠れ。」
ドゴンっ!!
ヒューゴが振り下ろした大剣が剣のエルフの意識を奪った。
_________
「やはり、アイツは使えない奴だったか。」
魔法のエルフは剣のエルフが敵の手に落ちたと呆れた顔で溜息を吐いた。
それは、決して仲間を想っての表情ではなかった。
彼らの里では使えなくなった戦士は捨てられる。
当然の事だった。
少しでもダークエルフ・ルミエール様の力になれれば、彼らにしてみれば死も名誉な事だ。
それでも下劣とコケ下ろす人間に負けるとは・・・
「恥ずかしい奴め。」
相方がいなくなって1人になった。
どうやら真っ黒な男は下等な人間にしてはやる様だ。
大剣の男も手間がかかるだろう。
《さて、手っ取り早くここにいる人間達を殲滅するには・・・》
何かを思いついた魔法のエルフはニヤリと口元を歪めると己の杖を敵の馬車に向けた。
馬車には敵の子供達がいたと知っている。
魔法のエルフは何の気にも止めずに構えていた杖を振り下ろした。
一瞬にして炎に包まれた馬車を魔法のエルフは満足そうに見つめていた。
大剣の男や獣の子供達が騒いでいる声が心地が良い。
己が醜悪な顔で笑っている事などお構いなしで微笑む魔法のエルフ。
そんな彼の後頭部に冷たい鉄筒が突きつけられた。
「家族を傷つけるな。
さっき教えたよね?」
振り返る事も許さない声に魔法のエルフはコントロールの効かない体の震えに襲われた。
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