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旅路〜デザリア・ダンジョン〜
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「すみませんでした!すみませんでした!」
必死に謝るエリーヌの姿にウパは溜息を吐いた。
階段を駆け下りると受付に近づいた。
「どうしたんです!?
エリーヌ何をしたんです?」
案の定というべきか、泣き出しそうなエリーヌを男達が睨みつけていた。
「うちの職員が失礼をいたしましたか?」
ウパの問いかけに1人のガタイの良い金色の長髪の男が静かに話し出した。
「デザリアの冒険者ギルドでは個人の情報を声高に叫ぶ教育をしているのか?」
それを聞いたウパは眉間に皺を寄せエリーヌを睨みつけた。
「どういう事です?」
心底怯えたようにエリーヌは頭を下げた。
「すみません!
1週間ぶりに冒険者の方が来たと思ったらSランクの方だったので思わず・・・。」
言い訳を聞いてる内にウパは頭が痛くなった。
状況が分かるとエリーヌに続きウパも頭を下げた。
「すべてこちらの過ちです。
申し訳ございませんでした。
こちらの職員には十分な処分をいたしますので、何卒ご容赦ください。」
男は何も言わずにウパとエリーヌを見つめていたが、エルフと熊の獣人が納得いかなそうな顔で睨みつけた。
そこにサブマスのフォートナムが加わるとエリーナは益々ガクガクと震え出してしまった。
そんな時だった。
「ねー。俺はAランクだよ。」
「パティもAランク!」
「僕っ・・・僕はCランク。」
「ニナはDランク!」
大人の事情など気にする様子もなく子供達がニコニコとエリーヌに自分のギルドカードを差し出した。
「・・・あの。」
戸惑うエリーヌに背を向けるとパティは怒ったようにヒューゴとゴヴァンとサミーを睨みつけた。
「女の人を泣かせちゃダメ!」
それにはゴヴァンが慌てたように手をパタパタと動かした。
「でも、パティ様。
基本的にギルド職員は冒険者のランクを他人に知らせてはならないのですよ?」
「分かってるよ。
でも、今は職員さん以外人がいないじゃん。」
ゴヴァンに続きサミーまで汗を掻いている。
「こんな事では、ギルドを信頼して情報を渡すわけにはいかないんですよ?」
すると今度はスコルが受付のカウンターに登りエリーヌの口に何かを放り込んだ。
何が起こったか分からないエリーヌであったが、次第に口中に酷い苦味が広がると悶絶し始めた。
「ンー!!ンー!!ンー!!」
慌てたのはウパとフォートナムだ。
毒でも飲まされたのかとエリーヌを心配そうに伺っている。
「何を食べさせたの?」
呆れたようなイオリの声にスコルはニヤリとした。
「苦いチョコレートの塊。」
それを聞いてウパとフォートナムは安堵したように力を抜いた。
「これでお姉さんの罰は終わり。
いいでしょ?」
スコルの笑顔にイオリは笑い出した。
「あはははは!
そうだね。
他に冒険者もいなかったし、悪気があったわけじゃないだろうしね。
まさか、他の職員さんが言いふらしたりしないでしょう?」
ウパとフォートナムは何度も頷き、他の職員に強い視線を送った。
背筋を伸ばした職員達が一応に頷いている。
「はい!お約束いたします!」
フォートナムの答えにイオリは微笑んだ。
「って事ですから、もういいでしょう?
ヒューゴさん。ゴヴァンさん。サミーさん。
怒らないでください。」
溜息を吐いた3人は顔を見合わせると苦笑した。
「分かったよ。
ナギ。
飴をくれ。」
「うん。ハチミツ入りのにするね。」
ヒューゴはナギから飴を1つ受け取ると、エレーヌに差し出した。
「もう、ミスしないでくれよ。
これで苦味が緩和されると良いが。」
「あははは!
ヒューゴ、男前かよ!」
2階から笑い声がしたかと思えば、ロジャーが陽気に手を振っていた。
「ロジャー!」
パティが手を振りかえすとロジャーは上がって来いと手招きをする。
フォートナムの案内でイオリ達が階段を登っていくのを見送るとウパは力が抜けた様に椅子に座った。
「ハァ・・・エレーヌ・・・勘弁してくれよ。」
「・・・ゴメンなさい。」
小さくなるエレーヌだったが貰った飴を不思議そうに見つめてから恐々と口に入れた。
「あ・・・甘い。」
エレーヌはギルマスの部屋に入っていくヒューゴの背中を見つめ頬を赤らめたのだった。
必死に謝るエリーヌの姿にウパは溜息を吐いた。
階段を駆け下りると受付に近づいた。
「どうしたんです!?
エリーヌ何をしたんです?」
案の定というべきか、泣き出しそうなエリーヌを男達が睨みつけていた。
「うちの職員が失礼をいたしましたか?」
ウパの問いかけに1人のガタイの良い金色の長髪の男が静かに話し出した。
「デザリアの冒険者ギルドでは個人の情報を声高に叫ぶ教育をしているのか?」
それを聞いたウパは眉間に皺を寄せエリーヌを睨みつけた。
「どういう事です?」
心底怯えたようにエリーヌは頭を下げた。
「すみません!
1週間ぶりに冒険者の方が来たと思ったらSランクの方だったので思わず・・・。」
言い訳を聞いてる内にウパは頭が痛くなった。
状況が分かるとエリーヌに続きウパも頭を下げた。
「すべてこちらの過ちです。
申し訳ございませんでした。
こちらの職員には十分な処分をいたしますので、何卒ご容赦ください。」
男は何も言わずにウパとエリーヌを見つめていたが、エルフと熊の獣人が納得いかなそうな顔で睨みつけた。
そこにサブマスのフォートナムが加わるとエリーナは益々ガクガクと震え出してしまった。
そんな時だった。
「ねー。俺はAランクだよ。」
「パティもAランク!」
「僕っ・・・僕はCランク。」
「ニナはDランク!」
大人の事情など気にする様子もなく子供達がニコニコとエリーヌに自分のギルドカードを差し出した。
「・・・あの。」
戸惑うエリーヌに背を向けるとパティは怒ったようにヒューゴとゴヴァンとサミーを睨みつけた。
「女の人を泣かせちゃダメ!」
それにはゴヴァンが慌てたように手をパタパタと動かした。
「でも、パティ様。
基本的にギルド職員は冒険者のランクを他人に知らせてはならないのですよ?」
「分かってるよ。
でも、今は職員さん以外人がいないじゃん。」
ゴヴァンに続きサミーまで汗を掻いている。
「こんな事では、ギルドを信頼して情報を渡すわけにはいかないんですよ?」
すると今度はスコルが受付のカウンターに登りエリーヌの口に何かを放り込んだ。
何が起こったか分からないエリーヌであったが、次第に口中に酷い苦味が広がると悶絶し始めた。
「ンー!!ンー!!ンー!!」
慌てたのはウパとフォートナムだ。
毒でも飲まされたのかとエリーヌを心配そうに伺っている。
「何を食べさせたの?」
呆れたようなイオリの声にスコルはニヤリとした。
「苦いチョコレートの塊。」
それを聞いてウパとフォートナムは安堵したように力を抜いた。
「これでお姉さんの罰は終わり。
いいでしょ?」
スコルの笑顔にイオリは笑い出した。
「あはははは!
そうだね。
他に冒険者もいなかったし、悪気があったわけじゃないだろうしね。
まさか、他の職員さんが言いふらしたりしないでしょう?」
ウパとフォートナムは何度も頷き、他の職員に強い視線を送った。
背筋を伸ばした職員達が一応に頷いている。
「はい!お約束いたします!」
フォートナムの答えにイオリは微笑んだ。
「って事ですから、もういいでしょう?
ヒューゴさん。ゴヴァンさん。サミーさん。
怒らないでください。」
溜息を吐いた3人は顔を見合わせると苦笑した。
「分かったよ。
ナギ。
飴をくれ。」
「うん。ハチミツ入りのにするね。」
ヒューゴはナギから飴を1つ受け取ると、エレーヌに差し出した。
「もう、ミスしないでくれよ。
これで苦味が緩和されると良いが。」
「あははは!
ヒューゴ、男前かよ!」
2階から笑い声がしたかと思えば、ロジャーが陽気に手を振っていた。
「ロジャー!」
パティが手を振りかえすとロジャーは上がって来いと手招きをする。
フォートナムの案内でイオリ達が階段を登っていくのを見送るとウパは力が抜けた様に椅子に座った。
「ハァ・・・エレーヌ・・・勘弁してくれよ。」
「・・・ゴメンなさい。」
小さくなるエレーヌだったが貰った飴を不思議そうに見つめてから恐々と口に入れた。
「あ・・・甘い。」
エレーヌはギルマスの部屋に入っていくヒューゴの背中を見つめ頬を赤らめたのだった。
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