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旅路〜デザリア・ダンジョン〜
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冒険者ギルドの職員であるウパはギルマスの部屋に入るとデザリアの誉高き筆頭魔法使いに挨拶をした。
他の2人について不明であるが、シモン・ヤティムほどの人間が受付を通さずにギルマスに会わせたところをみると高ランクの冒険者で間違いない。
恐らくAランクもしくはSランク保持者だろう。
「お呼びですか?」
ウパが問いかけるとサブマスであるフォートナムが客人2人を紹介してくれた。
「こちらはアースガイルのSランク冒険者のアレックスさんとロジャーさんです。
王宮に滞在中のアースガイルの第2王子殿下の護衛として来られました。
ダンジョンの探索にお力を貸して頂く事になったので、登録をお願いします。」
やはりと言うべきか、ウパは2人に微笑むとギルドカードを受け取った。
「すまないが、もう少しで2人のSランクが来るはずだ。
彼らもこちらに来るように案内してもらえるかい?」
アレックスと紹介された男が微笑むとウパだけじゃなくギルマスであるウェッジが驚いたように溜息を吐いた。
「Sランクが4人・・・。
アースガイルは何だって4人ものSランク冒険者を王子につけた?」
睨みつけられても何のその。
ロジャーは笑いながら首を横に振った。
「俺達はただの護衛だよ。
むしろ、今回ディビット様が期待してるのはもう2人の方。
特に、若い方がお目当てなの。
忠告しておくよ。
彼らの機嫌を損ねない方がいい。」
それにはシモン・ヤティムは眉を顰めた。
「そんなに粗暴な人間か?」
「安心してください。
全くもって、優しい人間ですよ。
ロジャーが言っているのは本人ではなりません。
彼を怒らせると、彼を取り巻く全ての人間が貴方達の敵になる。
それくらい愛された人物であると言う事です。」
言いたい事は理解したとばかりに頷いたシモン・ヤティムやギルマスの反応を見てウパは早々に受付に戻ろうと扉を開いた。
すると、受付が騒々しい。
誰かが怒っているのが分かる。
気まずそうに振り返るウパにギルマスとサブマスが頭を抱えた。
「とりあえず、行って来ます!」
慌てて部屋を後にするウパをサブマスが後を追った。
気の毒そうに見送ったアレックスはロジャーの肩を押した。
「行って来てやれよ。」
「はいはい。了解。」
面倒臭そうに立ち上がるロジャーをアレックスは苦笑した。
不安そうなギルマスとシモン・ヤティムをアレックスは真剣な顔で見つめた。
「もう一度言います。
イオリは優しい人間です。
俺は本気で怒った彼を見た事がない。
彼はアースガイルの王弟ポーレット公爵の専属冒険者です。
国王からの信頼も厚い。
この国にも力のある者達はいるでしょう。
しかしダンジョンの結界は破れなかった。
貴方もだ。シモン・ヤティム様。
俺だって同じもんです。
でも、俺は信じてる。
今の状況を打開できる人間がいるとしたらイオリしかいない。」
Sランク冒険者とは自己肯定が強く、自信があるが上に他人を認めない人間が多い。
そんな1人であろうアレックスがここまで言う人材とはどんな人物だろう。
シモン・ヤティムはイオリという人間に興味が湧いた。
「ただ・・・アイツの代わりに周りが怒る事がありますけどね。」
何とも言えない顔をしたアレックスは再びギルマスと筆頭魔法使いを不安にさせるのだった。
他の2人について不明であるが、シモン・ヤティムほどの人間が受付を通さずにギルマスに会わせたところをみると高ランクの冒険者で間違いない。
恐らくAランクもしくはSランク保持者だろう。
「お呼びですか?」
ウパが問いかけるとサブマスであるフォートナムが客人2人を紹介してくれた。
「こちらはアースガイルのSランク冒険者のアレックスさんとロジャーさんです。
王宮に滞在中のアースガイルの第2王子殿下の護衛として来られました。
ダンジョンの探索にお力を貸して頂く事になったので、登録をお願いします。」
やはりと言うべきか、ウパは2人に微笑むとギルドカードを受け取った。
「すまないが、もう少しで2人のSランクが来るはずだ。
彼らもこちらに来るように案内してもらえるかい?」
アレックスと紹介された男が微笑むとウパだけじゃなくギルマスであるウェッジが驚いたように溜息を吐いた。
「Sランクが4人・・・。
アースガイルは何だって4人ものSランク冒険者を王子につけた?」
睨みつけられても何のその。
ロジャーは笑いながら首を横に振った。
「俺達はただの護衛だよ。
むしろ、今回ディビット様が期待してるのはもう2人の方。
特に、若い方がお目当てなの。
忠告しておくよ。
彼らの機嫌を損ねない方がいい。」
それにはシモン・ヤティムは眉を顰めた。
「そんなに粗暴な人間か?」
「安心してください。
全くもって、優しい人間ですよ。
ロジャーが言っているのは本人ではなりません。
彼を怒らせると、彼を取り巻く全ての人間が貴方達の敵になる。
それくらい愛された人物であると言う事です。」
言いたい事は理解したとばかりに頷いたシモン・ヤティムやギルマスの反応を見てウパは早々に受付に戻ろうと扉を開いた。
すると、受付が騒々しい。
誰かが怒っているのが分かる。
気まずそうに振り返るウパにギルマスとサブマスが頭を抱えた。
「とりあえず、行って来ます!」
慌てて部屋を後にするウパをサブマスが後を追った。
気の毒そうに見送ったアレックスはロジャーの肩を押した。
「行って来てやれよ。」
「はいはい。了解。」
面倒臭そうに立ち上がるロジャーをアレックスは苦笑した。
不安そうなギルマスとシモン・ヤティムをアレックスは真剣な顔で見つめた。
「もう一度言います。
イオリは優しい人間です。
俺は本気で怒った彼を見た事がない。
彼はアースガイルの王弟ポーレット公爵の専属冒険者です。
国王からの信頼も厚い。
この国にも力のある者達はいるでしょう。
しかしダンジョンの結界は破れなかった。
貴方もだ。シモン・ヤティム様。
俺だって同じもんです。
でも、俺は信じてる。
今の状況を打開できる人間がいるとしたらイオリしかいない。」
Sランク冒険者とは自己肯定が強く、自信があるが上に他人を認めない人間が多い。
そんな1人であろうアレックスがここまで言う人材とはどんな人物だろう。
シモン・ヤティムはイオリという人間に興味が湧いた。
「ただ・・・アイツの代わりに周りが怒る事がありますけどね。」
何とも言えない顔をしたアレックスは再びギルマスと筆頭魔法使いを不安にさせるのだった。
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