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旅路〜デザリア〜
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「お久しぶりです。イオリ様。」
膝を付き頭を下げる彼らにイオリは慌てふためいた。
「イヤイヤイヤ!
頭を上げて下さい!」
イオリに会えて感無量とばかりに目に涙を溜める彼らにイオリは戸惑った。
「皆さん。
お元気そうで何よりです。
・・・えっと。
ゴヴァンさんでしたね?」
先頭に立つエルフの男に声を掛ければ、ゴヴァンと呼ばれた男は嬉しそうに頷いた。
「覚えていて頂き光栄です。」
「本当にな。
それでいて、お前って貴族とかの名前は覚えてなかったりするんだよな。」
ヒューゴの呆れたような声に苦笑しながらイオリはゴヴァンに手を差し出した。
「本当にお久しぶりですね。
そちらはサミーさんとホセさんでしたか?」
ギュっと握り返したゴヴァンが仲間を振り返ると、自分達まで覚えていてくれたと喜ぶ熊の獣人とウサギの獣人は取れるんじゃないかと思う位にブンブンと首を縦に振った。
「はい!サミーです!」
「ホセです!」
大人が緊張している姿が可笑しいのか、クスクス笑う子供達を宥めてイオリは困った顔をした。
「それにしても、今まで船に乗っていたんですよね?
どうして教えてくれなかったんですか?」
そんなイオリに3人は気まずそうにモゾモゾとした。
「・・・あの・・リルラとラックが我慢していたので・・・
悪いなと・・・。」
懐かしい名前が聞こえたからか、双子が興奮気味に3人にしがみついた。
「ラック!
ラックはどこにいるの?」
「リルラも元気?
会いたいなぁー!!」
そんな双子に微笑むと代表してゴヴァンが答えた。
「あの日から我々は国を跨いで同胞達の捜索を続けてきました。
リルラ達とも一緒に行動する事もありました。
でも、今回は別行動でしたので“デザリア”の地で合流する手筈になっています。」
「それじゃ、この国でリルラさん達とも会えるんですね?
みんな、楽しみだね。」
改めてクロス伯爵に別れを告げ、喜ぶ子供達を連れて船を降りたイオリは遠くに聳え立つ王宮を見つめた。
「派手好きとは聞いていたけど・・・凄いですね。」
「あぁ・・・。」
唖然とするイオリとヒューゴにゴヴァンが微笑んだ。
「凄いでしょう?
白亜の建物に屋根には金と瑠璃が使われているのですよ。」
堂々たる姿で佇む“デザリア”の王宮は真っ白な家屋に球体の屋根がついていた。
屋根は空よりも青く、金で縁取られている。
その姿は太陽の光に反射して見事にキラキラと輝いていた。
「瑠璃ってラピスラズリ?
宝石をあんなに大量に飾り付けて良いんですか?」
再びゴヴァンは楽しそうに笑った。
「それが“デザリア”の強みでしてね。
“デザリア”に存在する・・・その中でも、ここ王都に限りなく近くにダンジョンが存在しまして、そのダンジョンというのが他のダンジョンに比べると比較的に簡単なんです。
入り口付近の階層では宝石やら魔石が取れるにも関わらず魔獣が素人でも手に追えるレベルなもんで、新人冒険者の小遣い稼ぎに人気なんですよ。
だから“デザリア”って国は煌びやかな宝石を余す事なく利用して派手を好むようになったそうです。」
「なんとも羨ましい話だな。」
苦笑するヒューゴに同意するように頷いたゴヴァン達だったが、ダンジョンと聞いてゼンと顔を見合わせ顔を顰めるイオリだった。
「ここが、“デザリア”の王都“バッカス”か・・・。」
膝を付き頭を下げる彼らにイオリは慌てふためいた。
「イヤイヤイヤ!
頭を上げて下さい!」
イオリに会えて感無量とばかりに目に涙を溜める彼らにイオリは戸惑った。
「皆さん。
お元気そうで何よりです。
・・・えっと。
ゴヴァンさんでしたね?」
先頭に立つエルフの男に声を掛ければ、ゴヴァンと呼ばれた男は嬉しそうに頷いた。
「覚えていて頂き光栄です。」
「本当にな。
それでいて、お前って貴族とかの名前は覚えてなかったりするんだよな。」
ヒューゴの呆れたような声に苦笑しながらイオリはゴヴァンに手を差し出した。
「本当にお久しぶりですね。
そちらはサミーさんとホセさんでしたか?」
ギュっと握り返したゴヴァンが仲間を振り返ると、自分達まで覚えていてくれたと喜ぶ熊の獣人とウサギの獣人は取れるんじゃないかと思う位にブンブンと首を縦に振った。
「はい!サミーです!」
「ホセです!」
大人が緊張している姿が可笑しいのか、クスクス笑う子供達を宥めてイオリは困った顔をした。
「それにしても、今まで船に乗っていたんですよね?
どうして教えてくれなかったんですか?」
そんなイオリに3人は気まずそうにモゾモゾとした。
「・・・あの・・リルラとラックが我慢していたので・・・
悪いなと・・・。」
懐かしい名前が聞こえたからか、双子が興奮気味に3人にしがみついた。
「ラック!
ラックはどこにいるの?」
「リルラも元気?
会いたいなぁー!!」
そんな双子に微笑むと代表してゴヴァンが答えた。
「あの日から我々は国を跨いで同胞達の捜索を続けてきました。
リルラ達とも一緒に行動する事もありました。
でも、今回は別行動でしたので“デザリア”の地で合流する手筈になっています。」
「それじゃ、この国でリルラさん達とも会えるんですね?
みんな、楽しみだね。」
改めてクロス伯爵に別れを告げ、喜ぶ子供達を連れて船を降りたイオリは遠くに聳え立つ王宮を見つめた。
「派手好きとは聞いていたけど・・・凄いですね。」
「あぁ・・・。」
唖然とするイオリとヒューゴにゴヴァンが微笑んだ。
「凄いでしょう?
白亜の建物に屋根には金と瑠璃が使われているのですよ。」
堂々たる姿で佇む“デザリア”の王宮は真っ白な家屋に球体の屋根がついていた。
屋根は空よりも青く、金で縁取られている。
その姿は太陽の光に反射して見事にキラキラと輝いていた。
「瑠璃ってラピスラズリ?
宝石をあんなに大量に飾り付けて良いんですか?」
再びゴヴァンは楽しそうに笑った。
「それが“デザリア”の強みでしてね。
“デザリア”に存在する・・・その中でも、ここ王都に限りなく近くにダンジョンが存在しまして、そのダンジョンというのが他のダンジョンに比べると比較的に簡単なんです。
入り口付近の階層では宝石やら魔石が取れるにも関わらず魔獣が素人でも手に追えるレベルなもんで、新人冒険者の小遣い稼ぎに人気なんですよ。
だから“デザリア”って国は煌びやかな宝石を余す事なく利用して派手を好むようになったそうです。」
「なんとも羨ましい話だな。」
苦笑するヒューゴに同意するように頷いたゴヴァン達だったが、ダンジョンと聞いてゼンと顔を見合わせ顔を顰めるイオリだった。
「ここが、“デザリア”の王都“バッカス”か・・・。」
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