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旅路〜ダグスク〜
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「エナ達の所に行くのならフリオをお連れください。」
カイの提案にイオリはフリオを振り返った。
「来月の入荷についてのエナばあちゃん達の店には用事があるんです。
ご案内しますよ。」
「それじゃ、お願いします。」
イオリ達はカイに別れを告げてグラトニー商会を後にした。
暫く海沿いに歩くとフリオは1つの建物を指を刺した。
「あれがエナ婆ちゃんの店“海の恵み”です。
元々は名前なんて付いてなかったんですけど、商会を立ち上げるにあたり名付けたんですよ。
エナばあちゃん達の家や元の加工場はそのままに残し、漁師の共同エリアを乾物の加工工場にしました。
漁が終わって直接行けるようにしています。
ちなみに、反対側が塩の精製場ですよ。」
色とりどりのダグスクの街の景観を壊さずに加工工場と呼ばれる建物はあった。
色も様式も違うが、イオリの知っている港になんとなく似ている。
「漁師達は漁から帰れば、朝市で魚や貝を売ります。
その後、変わりがわる工場で乾物の仕込みをしているんです。
その統括を息子のテンさんと孫のディスが担っているんですよ。
技術そのものは2人の血筋の物ですし、今では守り続けていたエナばあちゃんを漁師達は崇めているんですよ。」
「それはそれは・・・。」
フリオの話にイオリは苦笑した。
きっと「迷惑だ!」とでも言ってそうだ。
話している間に加工工場についていた。
フリオは働いている若い漁師に声をかけた。
「グラトニー商会だ。
テンとディスはいるかい?」
「おう。グラトニー商会かい。
テンの親父さんなら、さっき昆布の方に行ったけどディスなら・・・。
おいっ!ディス!!
グラトニー商会から人が来てるぞ!」
さすが漁師と言わざるおえない大きな声で若い漁師が叫ぶと、奥から日焼けをした男が出てきた。
「おうよ。
フリオさんだろ?
明日の納品の事だろう・・・。
あれ?
・・・旦那?イオリの旦那じゃないか!?」
フリオの後にいたイオリを見つけるやディスは満面の笑みで走ってきた。
「なんだよ、旦那!
来てたのかよ!
うわっ!
みんなも揃ってるじゃないかよ!」
ディスの声に作業をしていた漁師達の手を止めて様子を見ている。
「お久しぶりですね。
ディスさん。
いつも届けてくれている乾物に助けられてます。
ありがとう。」
イオリが微笑むと、ディスは照れながら手をブンブンと振った。
「そんな事、言わないでくれよ。
俺たちの方が感謝してるよ。
見てくれ。
侯爵様とグラトニー商会の力を借りて、こんなに便利な工場が出来たんだ。
金の事は今だに苦手だけど、グラトニーの旦那が毎月詳しく説明してくれるから安心して皆んなに仕事を回せてるんだ。」
「何よりです。
エナばあちゃんとテンさん、それにグレータさんはお元気ですか?」
「うん。
親父とは喧嘩もするけど二人三脚で頑張ってる。
ばあちゃんは、自分の工場があるってあんまり此処には来ないんだ。
たまに見にきて良い悪いを助言してくれる。
母ちゃんは・・・結婚しろって煩くなったかな。」
充実しているのが分かるディスの話にイオリはホッとした。
その後は工場に興味がある子供達を案内してくれて、出来立ての鰹節を見せてくれた。
「良い匂い・・・。
この鰹節一本で鍋いっぱいに出汁が取れるね。」
料理好きのスコルが頬擦りをするように鰹節を見つめる姿に作業をしていた漁師達はキョトンとするのだった。
カイの提案にイオリはフリオを振り返った。
「来月の入荷についてのエナばあちゃん達の店には用事があるんです。
ご案内しますよ。」
「それじゃ、お願いします。」
イオリ達はカイに別れを告げてグラトニー商会を後にした。
暫く海沿いに歩くとフリオは1つの建物を指を刺した。
「あれがエナ婆ちゃんの店“海の恵み”です。
元々は名前なんて付いてなかったんですけど、商会を立ち上げるにあたり名付けたんですよ。
エナばあちゃん達の家や元の加工場はそのままに残し、漁師の共同エリアを乾物の加工工場にしました。
漁が終わって直接行けるようにしています。
ちなみに、反対側が塩の精製場ですよ。」
色とりどりのダグスクの街の景観を壊さずに加工工場と呼ばれる建物はあった。
色も様式も違うが、イオリの知っている港になんとなく似ている。
「漁師達は漁から帰れば、朝市で魚や貝を売ります。
その後、変わりがわる工場で乾物の仕込みをしているんです。
その統括を息子のテンさんと孫のディスが担っているんですよ。
技術そのものは2人の血筋の物ですし、今では守り続けていたエナばあちゃんを漁師達は崇めているんですよ。」
「それはそれは・・・。」
フリオの話にイオリは苦笑した。
きっと「迷惑だ!」とでも言ってそうだ。
話している間に加工工場についていた。
フリオは働いている若い漁師に声をかけた。
「グラトニー商会だ。
テンとディスはいるかい?」
「おう。グラトニー商会かい。
テンの親父さんなら、さっき昆布の方に行ったけどディスなら・・・。
おいっ!ディス!!
グラトニー商会から人が来てるぞ!」
さすが漁師と言わざるおえない大きな声で若い漁師が叫ぶと、奥から日焼けをした男が出てきた。
「おうよ。
フリオさんだろ?
明日の納品の事だろう・・・。
あれ?
・・・旦那?イオリの旦那じゃないか!?」
フリオの後にいたイオリを見つけるやディスは満面の笑みで走ってきた。
「なんだよ、旦那!
来てたのかよ!
うわっ!
みんなも揃ってるじゃないかよ!」
ディスの声に作業をしていた漁師達の手を止めて様子を見ている。
「お久しぶりですね。
ディスさん。
いつも届けてくれている乾物に助けられてます。
ありがとう。」
イオリが微笑むと、ディスは照れながら手をブンブンと振った。
「そんな事、言わないでくれよ。
俺たちの方が感謝してるよ。
見てくれ。
侯爵様とグラトニー商会の力を借りて、こんなに便利な工場が出来たんだ。
金の事は今だに苦手だけど、グラトニーの旦那が毎月詳しく説明してくれるから安心して皆んなに仕事を回せてるんだ。」
「何よりです。
エナばあちゃんとテンさん、それにグレータさんはお元気ですか?」
「うん。
親父とは喧嘩もするけど二人三脚で頑張ってる。
ばあちゃんは、自分の工場があるってあんまり此処には来ないんだ。
たまに見にきて良い悪いを助言してくれる。
母ちゃんは・・・結婚しろって煩くなったかな。」
充実しているのが分かるディスの話にイオリはホッとした。
その後は工場に興味がある子供達を案内してくれて、出来立ての鰹節を見せてくれた。
「良い匂い・・・。
この鰹節一本で鍋いっぱいに出汁が取れるね。」
料理好きのスコルが頬擦りをするように鰹節を見つめる姿に作業をしていた漁師達はキョトンとするのだった。
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