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旅路〜王都〜
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3年ぶりの冒険者ギルド本部は変わらずに広かった。
すでに仕事を終え、酒を片手に語らう者もいれば、依頼の達成を手にし誇らしげに受付に並ぶ者もいる。
イオリ達は正面に並ぶ受付をスルーして右側の小さな受付に歩み寄った。
「おばーちゃんいないね。」
パティが受付を覗き込むが、いつも座っているミラチュラの姿がない。
するとバタバタと走り寄ってきた男性職員が手招きする。
「そこはSランクの受付ですよ。
あちらの列に並んで下さい。」
イオリはギルドカードを差し出すと微笑んだ。
「知ってます。
サブマスのミラさんはいらっしゃらないんですか?」
職員は差し出されたギルドカードにギョッとした。
何故なら、イオリだけじゃなく、ヒューゴやアレックスにロジャーまでもがプラチナに輝くカードを取り出していたのだ。
「これは、失礼しました!
サブマスは現在ギルマスと会議中です。
ギルマスのお部屋にご案内します!」
カクカクと歩き出した職員を心配しながらイオリ達は後を追った。
_________
「ですからね。ミラの考えじゃ駄目なんですよ。」
「何が駄目なもんかい!
ここまでコケにされたんだ。
オンリールの街のギルドを壊滅させるしかないだろう!」
「ミラの怒りも理解しますよ。
上を据え変えるだけじゃ意味はありませんからね。
しかし、それでは住民達が困りますよ。」
「困るもへったくれもあるもんか!
早急に手を打たない方が問題だろうよ!」
「混乱するオンリールの街に追い打ちをかけるのですか?
構いませんが・・・今、動くと本質にたどり着けなくなりますよ。」
怒り浸透のミラは握っていたクッションをハンターにぶつけた。
甘んじて受け入れたハンターであったが、オンリールの問題そのものよりもミラの怒りがいつ終わるのか溜息を吐いた。
コンコンコン!
慌てたようなノックにミラは扉を睨みつけた。
「なんだい?」
「あの・・・Sランクの方々がいらっしゃいまして。
その・・・サブマスにお会いしたいと・・・。」
「ほう・・・Sランクの方々ね。
入って貰ってください。」
ハンターが面白がって声をかけると安堵したような声がして扉が開いた。
「おじいちゃん!おばあちゃん!久しぶり!」
薄紫のゆるふわの髪を躍らせ、狼の獣人の少女が飛び込んできた。
「おやまぁ。」
目を丸くするミラであったが、すぐに強張った顔を緩めた。
「パティ。ご挨拶はみんなでするんだよ。」
同じ髪色の少年が入ってくるなり、少女に呆れた顔をして頬を突っついた。
「ほら、みんな入ってご挨拶だよ。」
真っ黒な青年や妹を肩に乗せた男が穏やかな顔で入ってくると、ハンターとミラの2人はいよいよ嬉しそうに微笑んだ。
「なんだい。王都にまで来たのかい?
イルツクはご苦労だったね。」
「お久しぶりですね。イオリ君。
今回は世話になりましたね。」
「お久しぶりです。
お元気でしたか?
無事、イルツクからの依頼を達成してきましたよ。
今日は俺たちだけじゃないんです。」
イオリが振り返り手招きすると、アレックスとロジャーが顔を出した。
「お久しぶりです。」
「っす!」
するとハンターは含みのある微笑みをした。
「おやおや。」
比べてミラは目をギラつかせた。
「なんだい。
ダグスクの小僧共も一緒かい。
ソフィアンナがお前達の事を愚痴っていたよ。
ほら、おいで。
久しぶりだ。話をしよう。」
頬を引き攣らせたアレックスとロジャーを子供達はニヤニヤして見上げたのであった。
すでに仕事を終え、酒を片手に語らう者もいれば、依頼の達成を手にし誇らしげに受付に並ぶ者もいる。
イオリ達は正面に並ぶ受付をスルーして右側の小さな受付に歩み寄った。
「おばーちゃんいないね。」
パティが受付を覗き込むが、いつも座っているミラチュラの姿がない。
するとバタバタと走り寄ってきた男性職員が手招きする。
「そこはSランクの受付ですよ。
あちらの列に並んで下さい。」
イオリはギルドカードを差し出すと微笑んだ。
「知ってます。
サブマスのミラさんはいらっしゃらないんですか?」
職員は差し出されたギルドカードにギョッとした。
何故なら、イオリだけじゃなく、ヒューゴやアレックスにロジャーまでもがプラチナに輝くカードを取り出していたのだ。
「これは、失礼しました!
サブマスは現在ギルマスと会議中です。
ギルマスのお部屋にご案内します!」
カクカクと歩き出した職員を心配しながらイオリ達は後を追った。
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「ですからね。ミラの考えじゃ駄目なんですよ。」
「何が駄目なもんかい!
ここまでコケにされたんだ。
オンリールの街のギルドを壊滅させるしかないだろう!」
「ミラの怒りも理解しますよ。
上を据え変えるだけじゃ意味はありませんからね。
しかし、それでは住民達が困りますよ。」
「困るもへったくれもあるもんか!
早急に手を打たない方が問題だろうよ!」
「混乱するオンリールの街に追い打ちをかけるのですか?
構いませんが・・・今、動くと本質にたどり着けなくなりますよ。」
怒り浸透のミラは握っていたクッションをハンターにぶつけた。
甘んじて受け入れたハンターであったが、オンリールの問題そのものよりもミラの怒りがいつ終わるのか溜息を吐いた。
コンコンコン!
慌てたようなノックにミラは扉を睨みつけた。
「なんだい?」
「あの・・・Sランクの方々がいらっしゃいまして。
その・・・サブマスにお会いしたいと・・・。」
「ほう・・・Sランクの方々ね。
入って貰ってください。」
ハンターが面白がって声をかけると安堵したような声がして扉が開いた。
「おじいちゃん!おばあちゃん!久しぶり!」
薄紫のゆるふわの髪を躍らせ、狼の獣人の少女が飛び込んできた。
「おやまぁ。」
目を丸くするミラであったが、すぐに強張った顔を緩めた。
「パティ。ご挨拶はみんなでするんだよ。」
同じ髪色の少年が入ってくるなり、少女に呆れた顔をして頬を突っついた。
「ほら、みんな入ってご挨拶だよ。」
真っ黒な青年や妹を肩に乗せた男が穏やかな顔で入ってくると、ハンターとミラの2人はいよいよ嬉しそうに微笑んだ。
「なんだい。王都にまで来たのかい?
イルツクはご苦労だったね。」
「お久しぶりですね。イオリ君。
今回は世話になりましたね。」
「お久しぶりです。
お元気でしたか?
無事、イルツクからの依頼を達成してきましたよ。
今日は俺たちだけじゃないんです。」
イオリが振り返り手招きすると、アレックスとロジャーが顔を出した。
「お久しぶりです。」
「っす!」
するとハンターは含みのある微笑みをした。
「おやおや。」
比べてミラは目をギラつかせた。
「なんだい。
ダグスクの小僧共も一緒かい。
ソフィアンナがお前達の事を愚痴っていたよ。
ほら、おいで。
久しぶりだ。話をしよう。」
頬を引き攣らせたアレックスとロジャーを子供達はニヤニヤして見上げたのであった。
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