104 / 782
旅路〜イルツク〜
112
しおりを挟む
ギロック伯爵邸での話し合いは、その後も続いた。
ホワイトキャビンのポーレットにおける働きを教えれば、アナスタシアもイルツクにも是非、図書館をと意気込んだ。
イオリはオルガ夫人に相談する事を助言した。
アンティティラにいるグラトニー商会のアンナへの連絡を渋っていたロビンであったが、覚悟をしたのかイオリに追加の質問をしてはメモをしていた。
ギロック伯爵邸を出た頃には陽も傾きかけていた。
馬車を用意すると言われたが、イオリはゼンと共に歩くと断りを入れた。
『結局、夜になるね。』
「みんなに悪い事したな。
出発を楽しみにしていたのに。
用事も押し付けちゃったしね。」
『ダンジョンの魔物の部位はいくらで売れたかな?』
「どうだろう。
下層の魔獣でも冒険者が食べていけるって言ってたから、それなりじゃないかな?」
イオリは自分に代わって、買い物や冒険者ギルドで魔獣の買取を請け負ってくれたヒューゴや子供達を思った。
申し訳なさそうな顔をしたイオリにヒューゴの「なんでも1人で抱えるな!」の激が飛んだのだ。
『みんなに任せれば大丈夫だよ。』
「そうだね。」
久しぶりにイオリを独り占めしているゼンはご機嫌だ。
歩きながらもイオリに擦り付いては甘えている。
広場の大ベルの前に来ると、今だに人が祈りを捧げていた。
鳴らないベルが鳴った・・・。
恐怖に包まれていた街が解放されたのだと人々は噂し合った。
「良い街だったね。」
『うん。
ダンジョン楽しかった。』
イオリはゼンと顔を見合わせ微笑むと“蓮の傘”に向かった。
すでに明かりが灯っている“蓮の傘”から賑やかな声がした。
イオリが扉を開くと食堂に大勢が集まっていた。
「イオリ!」
ナギが1番に気づきイオリに駆け寄り抱きついていた。
「お待たせ。
待たせてゴメン。」
ナギの頭を撫でていると、四方から残りの子供達が抱きついてきた。
「お仕事の話終わった?」
「出発はいつ?」
「ニナも抱っこー。」
イオリはニッコリとしてニナを抱き上げると双子の頭を撫でた。
「仕事終わったよ。
出発は明日。
今日は旅の準備してくれてたんでしょう?
ありがとう。」
パティに手を引かれテーブルに向かうとヒューゴがニヤリとした。
「結局、出発できなかったな。」
「すみません。
とりあえず、伝える事は伝えたんで後はイルツクの皆さんにお任せしますよ。
明日の早朝に出ましょう。」
「分かった。
魔獣の売却と旅の準備は出来てる。
いつでも出発出来る状態だ。」
「ありがとうございます。」
ヒューゴと話していると肩をガッっと掴まれた。
「イオリ!何してたんだ!
俺らとっくに飲んでたんだよ!?」
ロジャーが楽しそうに木のジョッキを片手にやってきた。
お酒臭いのが嫌なのかニナはすぐに洗浄魔法をかける。
「わっ!
・・・ニナちゃん。」
苦笑するロジャーを押し退けるとレンがやってきた。
「あの後さ。
冒険者ギルドに騎士団長がきてさ。
報酬とは別にって飲み代くれたんだよ。
好きに使えって。
で。アレックス達に声かけに行ったらヒューゴ達と会って。
今日は出発できそうにないって聞いて誘ったんだ。」
「そうでしたか、ありがとうございます。」
イオリが見渡すとイオリ達の家族に加えてアレックスとロジャー、レンのパーティーに他のパーティーもいた。
下層を担当していた冒険者達かもしれない。
みんなジョッキを片手に楽しそうにしている。
「ほらよ。」
“蓮の傘”の店主が大きなジョッキをドンッ!とイオリの前に置いた。
「なんですか?これ。」
「心配すんな。ただの果実水だ。
お前さん、酒はダメだろう?」
ニヤリとする店主に礼を言うとイオリはジョッキを持った。
「イオリに!」
アレックスがジョッキを掲げると、ロジャーも大声を上げた。
「イオリに!」
続けてレン達のパーティーが声を上げた。
「「「「イオリに!」」」」
無言でジョッキを掲げたヒューゴを見た子供達は嬉しそうに自分のコップを掲げた。
周りの冒険者はイオリが今回の立役者とは知らない。
それでも雰囲気でジョッキを掲げている。
イオリは苦笑すると、恥ずかしそうに呟いた。
「お疲れ様でした。」
「「「「「「お疲れ!!!」」」」」
大仕事を終えた冒険者達の夜は長そうだ。
ホワイトキャビンのポーレットにおける働きを教えれば、アナスタシアもイルツクにも是非、図書館をと意気込んだ。
イオリはオルガ夫人に相談する事を助言した。
アンティティラにいるグラトニー商会のアンナへの連絡を渋っていたロビンであったが、覚悟をしたのかイオリに追加の質問をしてはメモをしていた。
ギロック伯爵邸を出た頃には陽も傾きかけていた。
馬車を用意すると言われたが、イオリはゼンと共に歩くと断りを入れた。
『結局、夜になるね。』
「みんなに悪い事したな。
出発を楽しみにしていたのに。
用事も押し付けちゃったしね。」
『ダンジョンの魔物の部位はいくらで売れたかな?』
「どうだろう。
下層の魔獣でも冒険者が食べていけるって言ってたから、それなりじゃないかな?」
イオリは自分に代わって、買い物や冒険者ギルドで魔獣の買取を請け負ってくれたヒューゴや子供達を思った。
申し訳なさそうな顔をしたイオリにヒューゴの「なんでも1人で抱えるな!」の激が飛んだのだ。
『みんなに任せれば大丈夫だよ。』
「そうだね。」
久しぶりにイオリを独り占めしているゼンはご機嫌だ。
歩きながらもイオリに擦り付いては甘えている。
広場の大ベルの前に来ると、今だに人が祈りを捧げていた。
鳴らないベルが鳴った・・・。
恐怖に包まれていた街が解放されたのだと人々は噂し合った。
「良い街だったね。」
『うん。
ダンジョン楽しかった。』
イオリはゼンと顔を見合わせ微笑むと“蓮の傘”に向かった。
すでに明かりが灯っている“蓮の傘”から賑やかな声がした。
イオリが扉を開くと食堂に大勢が集まっていた。
「イオリ!」
ナギが1番に気づきイオリに駆け寄り抱きついていた。
「お待たせ。
待たせてゴメン。」
ナギの頭を撫でていると、四方から残りの子供達が抱きついてきた。
「お仕事の話終わった?」
「出発はいつ?」
「ニナも抱っこー。」
イオリはニッコリとしてニナを抱き上げると双子の頭を撫でた。
「仕事終わったよ。
出発は明日。
今日は旅の準備してくれてたんでしょう?
ありがとう。」
パティに手を引かれテーブルに向かうとヒューゴがニヤリとした。
「結局、出発できなかったな。」
「すみません。
とりあえず、伝える事は伝えたんで後はイルツクの皆さんにお任せしますよ。
明日の早朝に出ましょう。」
「分かった。
魔獣の売却と旅の準備は出来てる。
いつでも出発出来る状態だ。」
「ありがとうございます。」
ヒューゴと話していると肩をガッっと掴まれた。
「イオリ!何してたんだ!
俺らとっくに飲んでたんだよ!?」
ロジャーが楽しそうに木のジョッキを片手にやってきた。
お酒臭いのが嫌なのかニナはすぐに洗浄魔法をかける。
「わっ!
・・・ニナちゃん。」
苦笑するロジャーを押し退けるとレンがやってきた。
「あの後さ。
冒険者ギルドに騎士団長がきてさ。
報酬とは別にって飲み代くれたんだよ。
好きに使えって。
で。アレックス達に声かけに行ったらヒューゴ達と会って。
今日は出発できそうにないって聞いて誘ったんだ。」
「そうでしたか、ありがとうございます。」
イオリが見渡すとイオリ達の家族に加えてアレックスとロジャー、レンのパーティーに他のパーティーもいた。
下層を担当していた冒険者達かもしれない。
みんなジョッキを片手に楽しそうにしている。
「ほらよ。」
“蓮の傘”の店主が大きなジョッキをドンッ!とイオリの前に置いた。
「なんですか?これ。」
「心配すんな。ただの果実水だ。
お前さん、酒はダメだろう?」
ニヤリとする店主に礼を言うとイオリはジョッキを持った。
「イオリに!」
アレックスがジョッキを掲げると、ロジャーも大声を上げた。
「イオリに!」
続けてレン達のパーティーが声を上げた。
「「「「イオリに!」」」」
無言でジョッキを掲げたヒューゴを見た子供達は嬉しそうに自分のコップを掲げた。
周りの冒険者はイオリが今回の立役者とは知らない。
それでも雰囲気でジョッキを掲げている。
イオリは苦笑すると、恥ずかしそうに呟いた。
「お疲れ様でした。」
「「「「「「お疲れ!!!」」」」」
大仕事を終えた冒険者達の夜は長そうだ。
1,030
お気に入りに追加
10,436
あなたにおすすめの小説

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です
詳細説明
生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。
そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。
そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。
しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。
赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。
色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。
家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。
※小説家になろう様でも投稿しております

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)

辺境の街で雑貨店を営む錬金術士少女ノヴァ ~魔力0の捨てられ少女はかわいいモフモフ聖獣とともにこの地では珍しい錬金術で幸せをつかみ取ります~
あきさけ
ファンタジー
とある平民の少女は四歳のときに受けた魔力検査で魔力なしと判定されてしまう。
その結果、森の奥深くに捨てられてしまった少女だが、獣に襲われる寸前、聖獣フラッシュリンクスに助けられ一命を取り留める。
その後、フラッシュリンクスに引き取られた少女はノヴァと名付けられた。
さらに、幼いフラッシュリンクスの子と従魔契約を果たし、その眠っていた才能を開花させた。
様々な属性の魔法が使えるようになったノヴァだったが、その中でもとりわけ珍しかったのが、素材の声を聞き取り、それに応えて別のものに作り替える〝錬金術〟の素養。
ノヴァを助けたフラッシュリンクスは母となり、その才能を育て上げ、人の社会でも一人前になれるようノヴァを導きともに暮らしていく。
そして、旅立ちの日。
母フラッシュリンクスから一人前と見なされたノヴァは、姉妹のように育った末っ子のフラッシュリンクス『シシ』とともに新米錬金術士として辺境の街へと足を踏み入れることとなる。
まだ六歳という幼さで。
※この小説はカクヨム様、アルファポリス様で連載中です。
上記サイト以外では連載しておりません。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる