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旅路〜イルツク〜
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ーーーー3年前の“明けない魔の森”にて。
「イオリさん。
“エルフの里の戦士”と戦うにあたって、1つ教えておく事があります。」
ポーレット冒険者ギルドのサブマスター・エルノールの言葉にイオリは真剣な眼差しで頷いた。
「彼らの本質は“個”です。
里に属し、ダークエルフを崇拝している共通理念は強固なものです。
しかし、こと戦いに関しては1人1人がプライドの塊で協調性などは皆無なのです。
連携など有り得ません。
もし、そう見えているのなら考えを改めるべきでしょう。」
「チームプレーではない?
組織として成り立つんですか?」
イオリの不思議そうな顔にエルノールは頷いた。
「それこそが、ダークエルフの存在感というかカリスマ性が際立つのです。
《ダークエルフの為に・・・。》
これこそが、彼らを1つにしているのですよ。
自分が栄誉を得るために他のエルフを出し抜く・・・なんて事もあります。
1つの敵に対し、集団で攻撃するのは誰がトドメを指し、ダークエルフから賜る栄誉を勝ち取るのかと競っているのです。」
「成程・・・。
と言うことは、1人1人引き離しても?」
「そうです。
興味のある獲物でさえなければ、単独で挑んでくるでしょう。」
_______________
「イオリの言った通りだな。
俺が離れても興味もなさそうだ。
大怪我1つさせれば、俺が標的にでもなったかな?」
アレックスは魔法を使うエルフをヒューゴと双子に任せ、相棒であるロジャーの元に向かった。
まさか“エルフの里の戦士”の生態が此処で分かると思っていなかった。
戦うには相手を知るとは言ったものだ。
「待たせたな。相棒。」
アレックスはロジャーと刃を交わしていた“剣を持ったエルフ”を蹴り飛ばすと、ニヤリとレイピアを構えた。
「あっちは平気?」
「彼らを信じる。
こっちは?」
「問題なし!!」
壁に体を打ちつけたエルフは首を振ると立ち上がった。
「脆弱な種族が、ゾロゾロと・・・。
どれほど、我らの邪魔をすれば気が済むのだ。」
ブツブツと呟きながら剣の刃を触っているエルフを観察していたアレックスであったが、瞬き1つで目の前まで来る事を許してしまった。
「アレックス!!」
「グゥっ!
ハッ!!」
辛うじてレイピアで攻撃を受け止めると、力強く押し戻した。
「流石“エルフの里の戦士”か・・・。
イオリを見ていると、実に簡単に見える。
やってくれる。」
アレックスは前傾姿勢で特攻するとエルフの喉元を狙った。
「フン!
外で踏み潰してやった奴らよりも出来るらしい。
だが、そんな攻撃で我に刃は届かぬ。」
アレックスとエルフの攻撃は凄まじい速さで繰り広げられていた。
“一閃の貴公子”と呼ばれるアレックスの特徴は目にも止まらぬ速さである。
それに“エルフの里の戦士”は難なく合わせている。
「お前の剣は見切った。
つまらぬ勝負を終いにしよう。」
エルフがリズムを変えた時だった。
「どうかな?」
アレックスはニヤリとするとジャンプした。
すると、高い跳躍の下を潜り、剣が突き出してきた。
その刃はもろ肌のエルフの脇を切りつけた。
「チッ!
今度は貴様か・・・。」
「ざんねーん。
俺達はコンビなの。
2人、一緒に相手してよ。」
おちゃらけるロジャーにエルフは怒りの形相だ。
「1人で戦えぬ薄弱者め。
虫けら相手だ。
何人でも掛かってくるが良い。」
脇腹から滴る血を舐めるとエルフは剣を構えた。
対峙するアレックスは騎士の構えで覚悟を決めた。
「俺達をその辺の奴らと思うなよ。
Sランクの称号は脆弱と簡単に言える程、軽い物ではないぞ。」
「俺達はお前らより怖い人達に鍛えられたかんね。
ここでやられる訳にはいかないのよ。
・・・来いよ。」
ロジャーの言葉が合図だった。
1対2の戦いが激化する。
「イオリさん。
“エルフの里の戦士”と戦うにあたって、1つ教えておく事があります。」
ポーレット冒険者ギルドのサブマスター・エルノールの言葉にイオリは真剣な眼差しで頷いた。
「彼らの本質は“個”です。
里に属し、ダークエルフを崇拝している共通理念は強固なものです。
しかし、こと戦いに関しては1人1人がプライドの塊で協調性などは皆無なのです。
連携など有り得ません。
もし、そう見えているのなら考えを改めるべきでしょう。」
「チームプレーではない?
組織として成り立つんですか?」
イオリの不思議そうな顔にエルノールは頷いた。
「それこそが、ダークエルフの存在感というかカリスマ性が際立つのです。
《ダークエルフの為に・・・。》
これこそが、彼らを1つにしているのですよ。
自分が栄誉を得るために他のエルフを出し抜く・・・なんて事もあります。
1つの敵に対し、集団で攻撃するのは誰がトドメを指し、ダークエルフから賜る栄誉を勝ち取るのかと競っているのです。」
「成程・・・。
と言うことは、1人1人引き離しても?」
「そうです。
興味のある獲物でさえなければ、単独で挑んでくるでしょう。」
_______________
「イオリの言った通りだな。
俺が離れても興味もなさそうだ。
大怪我1つさせれば、俺が標的にでもなったかな?」
アレックスは魔法を使うエルフをヒューゴと双子に任せ、相棒であるロジャーの元に向かった。
まさか“エルフの里の戦士”の生態が此処で分かると思っていなかった。
戦うには相手を知るとは言ったものだ。
「待たせたな。相棒。」
アレックスはロジャーと刃を交わしていた“剣を持ったエルフ”を蹴り飛ばすと、ニヤリとレイピアを構えた。
「あっちは平気?」
「彼らを信じる。
こっちは?」
「問題なし!!」
壁に体を打ちつけたエルフは首を振ると立ち上がった。
「脆弱な種族が、ゾロゾロと・・・。
どれほど、我らの邪魔をすれば気が済むのだ。」
ブツブツと呟きながら剣の刃を触っているエルフを観察していたアレックスであったが、瞬き1つで目の前まで来る事を許してしまった。
「アレックス!!」
「グゥっ!
ハッ!!」
辛うじてレイピアで攻撃を受け止めると、力強く押し戻した。
「流石“エルフの里の戦士”か・・・。
イオリを見ていると、実に簡単に見える。
やってくれる。」
アレックスは前傾姿勢で特攻するとエルフの喉元を狙った。
「フン!
外で踏み潰してやった奴らよりも出来るらしい。
だが、そんな攻撃で我に刃は届かぬ。」
アレックスとエルフの攻撃は凄まじい速さで繰り広げられていた。
“一閃の貴公子”と呼ばれるアレックスの特徴は目にも止まらぬ速さである。
それに“エルフの里の戦士”は難なく合わせている。
「お前の剣は見切った。
つまらぬ勝負を終いにしよう。」
エルフがリズムを変えた時だった。
「どうかな?」
アレックスはニヤリとするとジャンプした。
すると、高い跳躍の下を潜り、剣が突き出してきた。
その刃はもろ肌のエルフの脇を切りつけた。
「チッ!
今度は貴様か・・・。」
「ざんねーん。
俺達はコンビなの。
2人、一緒に相手してよ。」
おちゃらけるロジャーにエルフは怒りの形相だ。
「1人で戦えぬ薄弱者め。
虫けら相手だ。
何人でも掛かってくるが良い。」
脇腹から滴る血を舐めるとエルフは剣を構えた。
対峙するアレックスは騎士の構えで覚悟を決めた。
「俺達をその辺の奴らと思うなよ。
Sランクの称号は脆弱と簡単に言える程、軽い物ではないぞ。」
「俺達はお前らより怖い人達に鍛えられたかんね。
ここでやられる訳にはいかないのよ。
・・・来いよ。」
ロジャーの言葉が合図だった。
1対2の戦いが激化する。
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