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旅路〜イルツク〜
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真っ暗の中、火花が散っていた。
2人のエルフは攻撃の手を緩める事をしない。
「まるで岩山と対峙しているようだ。
岩山の方が、まだ脆い。
コイツは・・・。」
「どけ!
お前の攻撃では埒が開かん!
私の魔法で・・・!!」
エルフが投げつけた火玉はソレにぶつかると、弾けるように爆発した。
ドンッ!!
傷1つ付いていないのを確認すると、魔法を放ったエルフは舌打ちをした。
「チッ!やはり、さっき傷つけた足を狙うしかないか・・・。
何とか引きずり出せないものか。」
エルフに苦心の表情が見えた時だった。
ゴゴゴゴゴォォォォ
大きな音と共にソレが襲ってきた。
「煩わしい!」
2人のエルフはそれぞれ避けると、飛び上がり洞窟の高い壁に張り付いた。
気を抜いたのも束の間だった。
シュパンッ!
乾いた音が耳を掠めると、掴んでいた岩肌が崩れ体制も整う前に落ちてしまった。
「クソっ・・・誰だ!」
辛うじて着地すると音がする方に殺気を飛ばした。
次の瞬間、辺りが明るくなり見通しが良くなるとエルフは目を細めた。
「“エルフの里の戦士”とあろう者が他者が近づいているのも気づかないとはな。
よっぽど追い込まれているらしい。」
カチャカチャと音をさせ2人の男が姿を表した。
「アレックス、そんな事言ってやるなよ。
アイツらだって必死だんだからさ。」
「まぁな。
アレの相手を数日とは・・・恐れ入る。
ついでだ、我々とも遊んでくれ。」
1人は細い剣を取り出し、もう一人は片手剣を手にした。
「お前達・・・騎士ではないな。
何奴だ?」
エルフはポーションを取り出すとグィっと飲んだ。
「ご名答!!
よく分かってるじゃん!
俺達は冒険者。
分かる?冒・険・者!
依頼を受けて仕事すんの。
で、今回はお前らの排除を依頼されたわけ。
大人しく出ていってくれると有り難いけど、どう?
アイツに苦労してんでしょ?」
ロジャーは気後れする事なく、対峙する1人のエルフに話しかけた。
「愚かな。
我らが人間如きの言う事を聞く訳なかろう。
死して、この地に埋もれてしまえ。」
エルフが放った火の玉が獅子の形になりアレックスとロジャーを襲った。
「アイツ、魔法使いかよ!
めんどくせー!」
「ロジャー!
目を逸らすな!
次が来るぞ!」
2人が火の獅子から逃げると、もう1匹の火の獣が現れた。
「アチー!!
次は猿かよ!
火魔法をどんな使い方してんだよ。」
騒ぐロジャーに別角度から煌めく刃が襲いかかった。
「死ね!」
もう1人のエルフが飛び出てくるとロジャーの首を狙っていた。
間一髪で避けたロジャーの首筋から一筋の汗が流れた。
「あっぶねー!
アレックス!
もう1人、来たー!」
アレックスが魔法を使うエルフを相手取っているのを確認するとロジャーは剣を手にしたエルフを蹴り飛ばし、自身も片手剣を手に襲いかかった。
「我々の邪魔をする、脆弱な人間め。」
再び、火魔法を繰り出しアレックスに襲いかかったエルフであったが見えないシールドに阻まれ攻撃を弾かれてしまった。
「何だと・・・。」
瞠目するエルフであったが、堅いの良い男と双子の獣人の子供が現れるとニヤリとした。
「お前の仕業か?
わざわざ、子供を差し向けてくる事を考えれば人間共は人手がないに等しいな。
恥知らずの蛆虫どもが。」
堅いの良い男・・・ヒューゴはアレックスを見やると顎でしゃくった。
「コイツは俺達がやりましょう。
魔法攻撃には俺の能力が有効です。」
アレックスはフードを被り直すスコルとポニーテールをギュッと縛り直すパティを見てニコッとした。
「承知した。
俺の相棒が手をこまねいている様だから手伝ってくるとしよう。
みんな武運を!」
走り去るアレックスを気にするでもなく、エルフは双子をニヤニヤと見ていた。
「人間も脆弱な者を生贄に選ぶらしい。」
「それは違うな。
我々の世界では弱い者は守るものだ。
弱き者を生贄にする?
・・・それはクズがする事だ。
この子達が弱く見えるのなら、お前くらいが丁度良いだろう。
我らが主がお怒りだ。
せめてお前だけでも此処で対処する。」
ヒューゴは腕輪を触ると、コートの防具服から真っ黒な鉄鋼の鎧姿に変化した。
「戦いに飢えていたんだ。
相手をしてくれよ。」
“エルフの里の戦士”は憤怒の顔を隠そうとせず、襲いかかるのであった。
2人のエルフは攻撃の手を緩める事をしない。
「まるで岩山と対峙しているようだ。
岩山の方が、まだ脆い。
コイツは・・・。」
「どけ!
お前の攻撃では埒が開かん!
私の魔法で・・・!!」
エルフが投げつけた火玉はソレにぶつかると、弾けるように爆発した。
ドンッ!!
傷1つ付いていないのを確認すると、魔法を放ったエルフは舌打ちをした。
「チッ!やはり、さっき傷つけた足を狙うしかないか・・・。
何とか引きずり出せないものか。」
エルフに苦心の表情が見えた時だった。
ゴゴゴゴゴォォォォ
大きな音と共にソレが襲ってきた。
「煩わしい!」
2人のエルフはそれぞれ避けると、飛び上がり洞窟の高い壁に張り付いた。
気を抜いたのも束の間だった。
シュパンッ!
乾いた音が耳を掠めると、掴んでいた岩肌が崩れ体制も整う前に落ちてしまった。
「クソっ・・・誰だ!」
辛うじて着地すると音がする方に殺気を飛ばした。
次の瞬間、辺りが明るくなり見通しが良くなるとエルフは目を細めた。
「“エルフの里の戦士”とあろう者が他者が近づいているのも気づかないとはな。
よっぽど追い込まれているらしい。」
カチャカチャと音をさせ2人の男が姿を表した。
「アレックス、そんな事言ってやるなよ。
アイツらだって必死だんだからさ。」
「まぁな。
アレの相手を数日とは・・・恐れ入る。
ついでだ、我々とも遊んでくれ。」
1人は細い剣を取り出し、もう一人は片手剣を手にした。
「お前達・・・騎士ではないな。
何奴だ?」
エルフはポーションを取り出すとグィっと飲んだ。
「ご名答!!
よく分かってるじゃん!
俺達は冒険者。
分かる?冒・険・者!
依頼を受けて仕事すんの。
で、今回はお前らの排除を依頼されたわけ。
大人しく出ていってくれると有り難いけど、どう?
アイツに苦労してんでしょ?」
ロジャーは気後れする事なく、対峙する1人のエルフに話しかけた。
「愚かな。
我らが人間如きの言う事を聞く訳なかろう。
死して、この地に埋もれてしまえ。」
エルフが放った火の玉が獅子の形になりアレックスとロジャーを襲った。
「アイツ、魔法使いかよ!
めんどくせー!」
「ロジャー!
目を逸らすな!
次が来るぞ!」
2人が火の獅子から逃げると、もう1匹の火の獣が現れた。
「アチー!!
次は猿かよ!
火魔法をどんな使い方してんだよ。」
騒ぐロジャーに別角度から煌めく刃が襲いかかった。
「死ね!」
もう1人のエルフが飛び出てくるとロジャーの首を狙っていた。
間一髪で避けたロジャーの首筋から一筋の汗が流れた。
「あっぶねー!
アレックス!
もう1人、来たー!」
アレックスが魔法を使うエルフを相手取っているのを確認するとロジャーは剣を手にしたエルフを蹴り飛ばし、自身も片手剣を手に襲いかかった。
「我々の邪魔をする、脆弱な人間め。」
再び、火魔法を繰り出しアレックスに襲いかかったエルフであったが見えないシールドに阻まれ攻撃を弾かれてしまった。
「何だと・・・。」
瞠目するエルフであったが、堅いの良い男と双子の獣人の子供が現れるとニヤリとした。
「お前の仕業か?
わざわざ、子供を差し向けてくる事を考えれば人間共は人手がないに等しいな。
恥知らずの蛆虫どもが。」
堅いの良い男・・・ヒューゴはアレックスを見やると顎でしゃくった。
「コイツは俺達がやりましょう。
魔法攻撃には俺の能力が有効です。」
アレックスはフードを被り直すスコルとポニーテールをギュッと縛り直すパティを見てニコッとした。
「承知した。
俺の相棒が手をこまねいている様だから手伝ってくるとしよう。
みんな武運を!」
走り去るアレックスを気にするでもなく、エルフは双子をニヤニヤと見ていた。
「人間も脆弱な者を生贄に選ぶらしい。」
「それは違うな。
我々の世界では弱い者は守るものだ。
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・・・それはクズがする事だ。
この子達が弱く見えるのなら、お前くらいが丁度良いだろう。
我らが主がお怒りだ。
せめてお前だけでも此処で対処する。」
ヒューゴは腕輪を触ると、コートの防具服から真っ黒な鉄鋼の鎧姿に変化した。
「戦いに飢えていたんだ。
相手をしてくれよ。」
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