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旅路〜イルツク〜
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シュパンッ!!
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
乾いた音がしたかと思えば、大男であるロレンツォ・カーラが倒れ大の字で横たわっていた。
「「「「ロレンツォ様!!」」」」
「「スキあり!!」」
慌てて駆け寄ろうとした子分達であったが、その一瞬の内に双子とヒューゴに打ち取られてしまった。
一瞬の出来事にディエゴ・ギロック騎士団長を筆頭に呆然としていた一同にイオリはニッコリとした。
「終わりました。
まぁ、俺もロレンツォ・カーラと似た卑怯な戦術が得意なんですよ。」
クスクス笑うイオリであったが、双子が頬を膨らませて走って寄ってきた。
「イオリは卑怯じゃないよ!!
体術だったら未だに勝てないし、空中戦なんかは誰もイオリに勝てないもん!!」
「そうだよ!
イオリは武器なしでも強いよ。
Sランクなんて誰かが決めたものには当てはまらないもん。」
双子が抗議するのをイオリはニコニコと頭を撫でた。
ついていけてない大人達が次に耳にしたのは美しい弦の音だった。
ポロン♪ポロン♪
先程まで戦っていた洞窟とは思えない和やかな音にイルツクの騎士団が戸惑っているとエルフの少年が倒れているロレンツォ・カーラ達に近づいていった。
「少年!!
まだ、危ないぞ!」
すると少年・・・ナギはポケットから何かを取り出すとロレンツォ・カーラ達の周りに撒いた。
撒いたソレは瞬時に芽を出し成長すると蔓として長くなり、器用にロレンツォ・カーラ達一同を縛り上げていくのだった。
「こっちも終わったよ。」
トコトコと帰ってくるナギを労うとイオリはディエゴ・ギロック騎士団長に向き直った。
「ロレンツォ・カーラも2時間ほどしたら目を覚ますでしょう。
拘束はしてありますが、あとはお任せします。」
「・・・あぁ。感謝する。
さっきは何をしたんだ?」
視線で部下に指示を送るとディエゴ・ギロック騎士団長はイオリに疑問を投げかけた。
「睡眠弾と言って、瞬時に眠らせました。
普段は魔獣に襲われた時に無用な戦闘を避ける為に使います。
彼らに罰を与えるのは俺の仕事でありませんから、拘束に留めました。」
「なるほど、承知した。」
頷くディエゴ・ギロック騎士団長とは別にロジャーがナギのライアーを指さした。
「ナギのは楽器だろう?
あんな使い方するのかい?」
「うん。僕は戦闘が苦手なんだ。
だけど、色んな魔法は使えるよ。
植物は友達だから手伝ってもらってるんだ。」
照れたように顔を赤くするナギをロジャーは破顔して抱きついた。
「凄いや!俺、冒険者で魔法を使ってる奴を何人も知ってるけどさあ。
こんな使い方する奴は初めてだよ。」
「ナギは更地に花畑を作る事だって出来るよ。
ナギとニナの魔法は綺麗なんだって。
サブマスが言ってたもん。」
パティが自分の事のように自慢すると胸を張った。
「随分と変わったパーティーだな。」
笑い出したアレックスであったが、イオリ達を称賛していた。
「まだ、本気を見せてないんだろう?
まぁ、当然か・・・。」
相手がいかに強かったとはいえ、双子とヒューゴが手を抜いていた事は剣士であるアレックスには分かっていた。
大方、イオリが動くまで様子を見ていたんだろうと考えた。
最短でダンジョンを進んできたとはいえ、“深淵のダンジョン”の最深部で無邪気に笑う子供達にアレックスは苦笑するのだった。
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
乾いた音がしたかと思えば、大男であるロレンツォ・カーラが倒れ大の字で横たわっていた。
「「「「ロレンツォ様!!」」」」
「「スキあり!!」」
慌てて駆け寄ろうとした子分達であったが、その一瞬の内に双子とヒューゴに打ち取られてしまった。
一瞬の出来事にディエゴ・ギロック騎士団長を筆頭に呆然としていた一同にイオリはニッコリとした。
「終わりました。
まぁ、俺もロレンツォ・カーラと似た卑怯な戦術が得意なんですよ。」
クスクス笑うイオリであったが、双子が頬を膨らませて走って寄ってきた。
「イオリは卑怯じゃないよ!!
体術だったら未だに勝てないし、空中戦なんかは誰もイオリに勝てないもん!!」
「そうだよ!
イオリは武器なしでも強いよ。
Sランクなんて誰かが決めたものには当てはまらないもん。」
双子が抗議するのをイオリはニコニコと頭を撫でた。
ついていけてない大人達が次に耳にしたのは美しい弦の音だった。
ポロン♪ポロン♪
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「少年!!
まだ、危ないぞ!」
すると少年・・・ナギはポケットから何かを取り出すとロレンツォ・カーラ達の周りに撒いた。
撒いたソレは瞬時に芽を出し成長すると蔓として長くなり、器用にロレンツォ・カーラ達一同を縛り上げていくのだった。
「こっちも終わったよ。」
トコトコと帰ってくるナギを労うとイオリはディエゴ・ギロック騎士団長に向き直った。
「ロレンツォ・カーラも2時間ほどしたら目を覚ますでしょう。
拘束はしてありますが、あとはお任せします。」
「・・・あぁ。感謝する。
さっきは何をしたんだ?」
視線で部下に指示を送るとディエゴ・ギロック騎士団長はイオリに疑問を投げかけた。
「睡眠弾と言って、瞬時に眠らせました。
普段は魔獣に襲われた時に無用な戦闘を避ける為に使います。
彼らに罰を与えるのは俺の仕事でありませんから、拘束に留めました。」
「なるほど、承知した。」
頷くディエゴ・ギロック騎士団長とは別にロジャーがナギのライアーを指さした。
「ナギのは楽器だろう?
あんな使い方するのかい?」
「うん。僕は戦闘が苦手なんだ。
だけど、色んな魔法は使えるよ。
植物は友達だから手伝ってもらってるんだ。」
照れたように顔を赤くするナギをロジャーは破顔して抱きついた。
「凄いや!俺、冒険者で魔法を使ってる奴を何人も知ってるけどさあ。
こんな使い方する奴は初めてだよ。」
「ナギは更地に花畑を作る事だって出来るよ。
ナギとニナの魔法は綺麗なんだって。
サブマスが言ってたもん。」
パティが自分の事のように自慢すると胸を張った。
「随分と変わったパーティーだな。」
笑い出したアレックスであったが、イオリ達を称賛していた。
「まだ、本気を見せてないんだろう?
まぁ、当然か・・・。」
相手がいかに強かったとはいえ、双子とヒューゴが手を抜いていた事は剣士であるアレックスには分かっていた。
大方、イオリが動くまで様子を見ていたんだろうと考えた。
最短でダンジョンを進んできたとはいえ、“深淵のダンジョン”の最深部で無邪気に笑う子供達にアレックスは苦笑するのだった。
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