続・拾ったものは大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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旅路〜イルツク〜

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 ロレンツォ・カーラが出した火の玉がイオリを襲った。
 
「イオリ!」
「イオリ君!!」

 レンやディエゴ・ギロック騎士団長が思わず声を上げた。

 ーーーー次の瞬間。

バシャーン!!

 何が起こったのか分からなかった。
 火の玉はイオリに到達する前に消えてしまったのだ。
 
 それだけではない。
 ディエゴ・ギロック騎士団長達が目にしたのは全身ずぶ濡れになったロレンツォ・カーラとそのパーティーだったのだ。

「・・・これは?」

 驚くギロック騎士団長が振り向くと小さな小さな少女が杖を掲げていた。

「火遊びはダメだよ。サブマスが魔法で人を傷つけちゃダメって言ってたもん。」

 ニナが頬を膨らませて腰に手をやるとヒューゴが後ろから抱き上げた。

「偉いぞ。
 よく出来たな。」

 他の子供達も大喜びだ。

「ニナ凄い!!」
「あの大きな火を消しちゃったね。」
「ナイス!」

 褒められて喜ぶニナはイオリを見つめた。

「ありがとう。ニナ。
 助かったよ。
 やっぱりニナの魔法は綺麗だね。
 エルノールさんが見たら喜ぶよ。」

 イオリにも褒められたニナは目をキラキラさせて頷いた。


____________

ーーーー3年前。

「良いですか?ニナ。
 高位の魔法使いが扱う魔法は美しいのです。」

 エルノールは手を頭上に挙げると大量の落ち葉を回転させた。
 
「うわぁ。凄いね~。」

 回転していた落ち葉の中に人間の様に踊っているものもいた。
 ニナはクスクスとエルノールを見上げた。

「純度の高い魔力は美しく、自在に操る事が出来ます。
 ニナも魔力量が高いので、やがて扱える様になるでしょう。」

「本当!?」

 嬉しくてピョンピョンと飛び跳ねるニナにエルノールは微笑んだ。
 そして膝をつきニナを正面から見やると優しい顔をした。

「ニナは魔法を何の為に使いたいですか?」

 ニナはしばらく考えると、ヒューゴを見つめた。
 そしてヒューゴと剣の練習をしている双子を、次にライアーの弦調整をしているナギを・・・。
 側ではアウラがソルと戯れあっている。

「ニナは・・・。」

 小さく呟くとニナは最後に竈門で料理をしているイオリを見つめた。
 イオリはゼンと楽しそうに笑っている。

「ニナは兄様と家族が幸せに・・・いつでも笑顔でいる為に魔法を使いたいです。」

 ニナの解答に満足したのか、エルノールは頷くと頭を撫でた。
 
「力ある者は、人を敬い人を愛す事が大切です。
 魔法は誰かを助ける為に存在するのであって、無闇に人を傷つけるものではありません。
 それでは誰も幸せになりません。

 何の為に魔法を使うのか、決して忘れないでください。」

「はい!ニナは家族を守るの!」

 その後、ニナはエルノールが驚くべき速度で魔力のコントロールを身につけていったのだが、小さな魔法少女の成長はまた別の時に話すとしよう・・・。
________

「なんて事だ。
 あんなに小さな子供がSランク冒険者の攻撃を一瞬で止めただと・・・?」

 ディエゴ・ギロック騎士団長は、褒め称える子供達の中心で照れている少女を唖然として見ていた。

 騎士団長だけではない。
 他の騎士やレンなどの冒険者達も驚いていて声を出す事もできていない。

「ポーレット・・・。
 良い冒険者が育っているようだな。」

 ディエゴ・ギロック騎士団長は剣を下ろしながら思わず微笑んだのであった。
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