60 / 782
旅路〜イルツク〜
59
しおりを挟む
通されたギルマス・ルゴーの部屋はポーレットのギルマス部屋よりも大きく、ギルマスのテーブルの前に長机が置かれていた。
さながら会議室である。
アレックスを先頭に着席をするとルゴーは真っ先にイオリに視線を向けた。
「君が“黒狼”イオリだな?
よく来てくれた。
ポーレットのコジモとは若い頃、競ったものだ。
奴が信頼する冒険者に期待している。
来てくれて感謝する。」
イオリは微笑むと頷いた。
「お役に立てるか分かりませんが、最善を尽くします。
こちらから従魔のゼンとアウラ・ソル。
双子のスコルとパティにナギとヒューゴ・ニナの兄妹です。
これが、俺の家族です。」
イオリの紹介に家族が挨拶をするとルゴーは静かに頷いた。
「ルゴーだ。宜しく頼む。
ヒューゴとやらもSランクに昇格したと聞く。
子供達も高ランクだとか?
コジモが自慢していたよ。
アレックスとロジャーも久しぶりだな。
心強い。」
2人は神妙に頷くとイオリ達に説明を始めた。
「4年くらい前、俺達がまだAランクだった時にイルツクに訪れているんだ。
ギルマスには、その時に世話になったんだ。
今回は難儀な事だな。ギルマス。
俺達の仕事は何だ?何でも言ってくれ。」
ルゴーは一枚の紙を差し出すとイオリ達を見渡した。
「お前達には最終の部屋・・・。
いわゆる、“エルフの里の戦士”と対峙してもらいたい。
仕留めろとは言わない。
奴らをダンジョンからイルツクから追い出したいんだ。」
難しい任務である事は間違いなく、ルゴーはそれぞれの反応を伺っている様だった。
すると・・・。
「やった!最深部に行けるね!」
「何がいるの?ドラゴンさん?
ニナ、ドラゴンさん見たいー。」
「ニナ・・・。
ドラゴンなんて簡単に会えないよ。
パティ・・・ダンジョンが目的じゃなくて“エルフの里の戦士”を仕留めるのが仕事だよ。」
「うーん。
でもさ。戦士が手をこまねくって、何がいるんだろう?」
パティとニナが嬉しそうに興奮し、スコルが嗜め、ナギが考え込んでいた。
子供達の反応にキョトンとしたルゴーをイオリは苦笑した。
「別に無鉄砲に喜んでいる訳じゃないんですよ。
この子達はポーレットの“明けない魔の森”で追いかけっこをするんです。
ダンジョンの危険も回避できます。
それに・・・ダメなら逃げます。」
「お前・・・ギルマス相手に。」
ケロッとしたイオリにヒューゴは呆れた顔をした。
「ギルマス。
イオリはダグスクに出たクラーケンを1人で倒した英雄です。
アンティティラの事件の話も聞いているでしょう?」
アレックスの言葉にルゴーは頷いた。
「知っているから期待して最深部を目指して欲しいと願っている。
・・・しかし、聞かせてもらえるか?
アンティティラで“エルフの里の戦士”と対峙したと聞いた。
その時は・・・。」
「ああ、アレは違いますよ。」
「何っ?」
イオリはしっかりとルゴーを見た。
「どのような話を聞いたかは知りませんが、俺が“エルフの里の戦士”を倒したわけではありません。
正確には、“エルフの里の戦士”の攻撃を止めたんです。
“エルフの里の戦士”は魔術師ドミトリー・ドナードの手によって吸収されました。
その後、増幅した魔力を利用したドミトリー・ドナードが宮殿を囲むほど大きくなった大蛇に変化し、それを俺が仕留めました。
だから正確には“エルフの里の戦士”を掌握したのはドミトリー・ドナードです。」
イオリの説明は明確である。
しかし、ルゴーを含めアレックスやロジャーは唖然としてイオリを見た。
「魔術師がエルフを吸収した?」
「人間が大蛇に変化しただと?」
「それをイオリが仕留めたの?」
「はい。
だから、“エルフの里の戦士”とは少ししか戦っていないんです。
期待させてスミマセン。」
恥ずかしそうなイオリに3人は立ち上がった。
「「「イヤイヤイヤ!!何だお前!」」」
「そうですよね。実際にお役に立てるか・・・。」
「何言ってんだ?あぁ、母上が言っていたのはこれか。」
アレックスはおでこに手を当てると溜息を吐いた。
「ソフィアンヌさんが?
何です?」
イオリは不思議そうに首を傾げるとアレックスは再び溜息を吐いた。
「・・・母上が言っていたんだ。
イオリは自分がやった事が如何に凄い事か分かっていないと。
お前、“エルフの里の戦士”の攻撃を止めたって言ったな?
それだって、どれほど凄い事か分かってないだろう?
アンティティラの宮殿を囲むほどの大蛇を倒しただと?
普通、それほどの魔獣は神が作り出した・・・言わば悪災だ。
人類は唯、耐える事しかできないんだ。
過去にあった“大戦争”アレと同じ位な大事だよ。」
「へー・・・。」
アレックスの力説にもイオリはピンと来ていないようだった。
「お前も苦労するな。」
大きな溜息を吐くヒューゴにロジャーは憐れみの視線を送った。
「・・・はい。」
さながら会議室である。
アレックスを先頭に着席をするとルゴーは真っ先にイオリに視線を向けた。
「君が“黒狼”イオリだな?
よく来てくれた。
ポーレットのコジモとは若い頃、競ったものだ。
奴が信頼する冒険者に期待している。
来てくれて感謝する。」
イオリは微笑むと頷いた。
「お役に立てるか分かりませんが、最善を尽くします。
こちらから従魔のゼンとアウラ・ソル。
双子のスコルとパティにナギとヒューゴ・ニナの兄妹です。
これが、俺の家族です。」
イオリの紹介に家族が挨拶をするとルゴーは静かに頷いた。
「ルゴーだ。宜しく頼む。
ヒューゴとやらもSランクに昇格したと聞く。
子供達も高ランクだとか?
コジモが自慢していたよ。
アレックスとロジャーも久しぶりだな。
心強い。」
2人は神妙に頷くとイオリ達に説明を始めた。
「4年くらい前、俺達がまだAランクだった時にイルツクに訪れているんだ。
ギルマスには、その時に世話になったんだ。
今回は難儀な事だな。ギルマス。
俺達の仕事は何だ?何でも言ってくれ。」
ルゴーは一枚の紙を差し出すとイオリ達を見渡した。
「お前達には最終の部屋・・・。
いわゆる、“エルフの里の戦士”と対峙してもらいたい。
仕留めろとは言わない。
奴らをダンジョンからイルツクから追い出したいんだ。」
難しい任務である事は間違いなく、ルゴーはそれぞれの反応を伺っている様だった。
すると・・・。
「やった!最深部に行けるね!」
「何がいるの?ドラゴンさん?
ニナ、ドラゴンさん見たいー。」
「ニナ・・・。
ドラゴンなんて簡単に会えないよ。
パティ・・・ダンジョンが目的じゃなくて“エルフの里の戦士”を仕留めるのが仕事だよ。」
「うーん。
でもさ。戦士が手をこまねくって、何がいるんだろう?」
パティとニナが嬉しそうに興奮し、スコルが嗜め、ナギが考え込んでいた。
子供達の反応にキョトンとしたルゴーをイオリは苦笑した。
「別に無鉄砲に喜んでいる訳じゃないんですよ。
この子達はポーレットの“明けない魔の森”で追いかけっこをするんです。
ダンジョンの危険も回避できます。
それに・・・ダメなら逃げます。」
「お前・・・ギルマス相手に。」
ケロッとしたイオリにヒューゴは呆れた顔をした。
「ギルマス。
イオリはダグスクに出たクラーケンを1人で倒した英雄です。
アンティティラの事件の話も聞いているでしょう?」
アレックスの言葉にルゴーは頷いた。
「知っているから期待して最深部を目指して欲しいと願っている。
・・・しかし、聞かせてもらえるか?
アンティティラで“エルフの里の戦士”と対峙したと聞いた。
その時は・・・。」
「ああ、アレは違いますよ。」
「何っ?」
イオリはしっかりとルゴーを見た。
「どのような話を聞いたかは知りませんが、俺が“エルフの里の戦士”を倒したわけではありません。
正確には、“エルフの里の戦士”の攻撃を止めたんです。
“エルフの里の戦士”は魔術師ドミトリー・ドナードの手によって吸収されました。
その後、増幅した魔力を利用したドミトリー・ドナードが宮殿を囲むほど大きくなった大蛇に変化し、それを俺が仕留めました。
だから正確には“エルフの里の戦士”を掌握したのはドミトリー・ドナードです。」
イオリの説明は明確である。
しかし、ルゴーを含めアレックスやロジャーは唖然としてイオリを見た。
「魔術師がエルフを吸収した?」
「人間が大蛇に変化しただと?」
「それをイオリが仕留めたの?」
「はい。
だから、“エルフの里の戦士”とは少ししか戦っていないんです。
期待させてスミマセン。」
恥ずかしそうなイオリに3人は立ち上がった。
「「「イヤイヤイヤ!!何だお前!」」」
「そうですよね。実際にお役に立てるか・・・。」
「何言ってんだ?あぁ、母上が言っていたのはこれか。」
アレックスはおでこに手を当てると溜息を吐いた。
「ソフィアンヌさんが?
何です?」
イオリは不思議そうに首を傾げるとアレックスは再び溜息を吐いた。
「・・・母上が言っていたんだ。
イオリは自分がやった事が如何に凄い事か分かっていないと。
お前、“エルフの里の戦士”の攻撃を止めたって言ったな?
それだって、どれほど凄い事か分かってないだろう?
アンティティラの宮殿を囲むほどの大蛇を倒しただと?
普通、それほどの魔獣は神が作り出した・・・言わば悪災だ。
人類は唯、耐える事しかできないんだ。
過去にあった“大戦争”アレと同じ位な大事だよ。」
「へー・・・。」
アレックスの力説にもイオリはピンと来ていないようだった。
「お前も苦労するな。」
大きな溜息を吐くヒューゴにロジャーは憐れみの視線を送った。
「・・・はい。」
1,118
お気に入りに追加
10,436
あなたにおすすめの小説

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です
詳細説明
生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。
そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。
そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。
しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。
赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。
色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。
家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。
※小説家になろう様でも投稿しております

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉
陣ノ内猫子
ファンタジー
神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。
お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。
チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO!
ーーーーーーーーー
これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。
ご都合主義、あるかもしれません。
一話一話が短いです。
週一回を目標に投稿したと思います。
面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。
誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。
感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)

辺境の街で雑貨店を営む錬金術士少女ノヴァ ~魔力0の捨てられ少女はかわいいモフモフ聖獣とともにこの地では珍しい錬金術で幸せをつかみ取ります~
あきさけ
ファンタジー
とある平民の少女は四歳のときに受けた魔力検査で魔力なしと判定されてしまう。
その結果、森の奥深くに捨てられてしまった少女だが、獣に襲われる寸前、聖獣フラッシュリンクスに助けられ一命を取り留める。
その後、フラッシュリンクスに引き取られた少女はノヴァと名付けられた。
さらに、幼いフラッシュリンクスの子と従魔契約を果たし、その眠っていた才能を開花させた。
様々な属性の魔法が使えるようになったノヴァだったが、その中でもとりわけ珍しかったのが、素材の声を聞き取り、それに応えて別のものに作り替える〝錬金術〟の素養。
ノヴァを助けたフラッシュリンクスは母となり、その才能を育て上げ、人の社会でも一人前になれるようノヴァを導きともに暮らしていく。
そして、旅立ちの日。
母フラッシュリンクスから一人前と見なされたノヴァは、姉妹のように育った末っ子のフラッシュリンクス『シシ』とともに新米錬金術士として辺境の街へと足を踏み入れることとなる。
まだ六歳という幼さで。
※この小説はカクヨム様、アルファポリス様で連載中です。
上記サイト以外では連載しておりません。

その最弱冒険者、実は査定不能の規格外~カースト最底辺のG級冒険者ですが、実力を知った周りの人たちが俺を放っておいてくれません~
詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)
ファンタジー
※おかげさまでコミカライズが決定致しました!
時は魔法適正を査定することによって冒険者ランクが決まっていた時代。
冒険者である少年ランスはたった一人の魔法適正Gの最弱冒険者としてギルドでは逆の意味で有名人だった。なのでランスはパーティーにも誘われず、常に一人でクエストをこなし、ひっそりと冒険者をやっていた。
実はあまりの魔力数値に測定不可能だったということを知らずに。
しかしある日のこと。ランスはある少女を偶然助けたことで、魔法を教えてほしいと頼まれる。自分の力に無自覚だったランスは困惑するが、この出来事こそ彼の伝説の始まりだった。
「是非とも我がパーティーに!」
「我が貴族家の護衛魔術師にならぬか!?」
彼の真の実力を知り、次第にランスの周りには色々な人たちが。
そしてどんどんと広がっている波紋。
もちろん、ランスにはそれを止められるわけもなく……。
彼はG級冒険者でありながらいつしかとんでもない地位になっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる