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旅路〜イルツク〜
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「これがイルツク・・・。
おとぎ話の世界みたいだ・・・。」
前に広がる街並みにイオリ達はあんぐりと口を開けた。
可愛らしい建物が立ち並ぶ街並みは外から見るよりも色合いも合わさって可愛らしい作りだった。
「これは、マッチ売りの少女の世界だな。」
イオリが呟くと子供達が目を見開いた。
「あの可哀想な子?
どこ?どこに居るの?」
物語が大好きなニナは馬車の上からキョロキョロした。
「本当のマッチ売りの少女はいないさ。
俺の知ってる絵の街に似てるなって思っただけ。
でも、本当に助けを求めている人には手を差し伸べてあげるんだよ。」
「「「「うん!」」」」
イオリの言葉に子供達はニッコリと頷いた。
「でも、お前達の優しさに漬け込んで騙す人間もいるからな。
しっかり見極めろ。
自分1人じゃなく、みんなで助けるんだ。」
「「「「うん!」」」」
ヒューゴはしっかりと現実を教える事を忘れない。
優しいイオリとバランスの取れた教えに子供達も素直に育っていた。
「そろそろ冒険者ギルドに着くぞ。
降りる準備をしとけよ。」
ヒューゴの声かけにスコルをリーダーに子供達は片付けを始めた。
見えてきた冒険者ギルドの入り口には人だかりが出来ていた。
「ギルドの前が騒がしいですね。
此処で降りましょうか。」
「分かった。
おじさん。
店先借りるよ。
馬車から降りたいんだ。」
ヒューゴは店から顔を出し冒険者ギルドを方を見ている店主に声を掛けた。
「良いが、そのまま置かれると困るよ。
冒険者だろう?
ギルドの裏手に留める所があるよ。行ってごらん。
おやおや?」
馬車から子供達がピョンピョン降りると目を細めて微笑む店主にイオリは声をかけた。
「馬車は収納しちゃうんで大丈夫です。
ご親切に教えてくれて有難うございます。
あそこが冒険者ギルドですね?
あの騒ぎは何事ですか?」
店主は肩を竦めると冒険者ギルドの方に目をやった。
「ほら、最近話題のダンジョンの事件があるだろう?
それで他の街から高ランク冒険者が流れてきてるんだが揉め事も多くてね。
今度のは依頼されてない冒険者が金目当てでイルツクにやってきたはいいが、今は領主の許可のない冒険者はダンジョンに入れない決まりなんだ。
あれはダンジョンに入るのを拒否された冒険者が騒いでいるのさ。
お前さん達も依頼状が無いと無理だよ?」
「なるほどね。
情報ありがとうございます。
大丈夫です。
俺達は依頼状を持ってますから。」
「ほぉぉ。
それじゃ、どこぞの貴族のお抱えってとこかい?」
「まあ、そんなところです。
情報ついでにイルツクの良い宿ってどこです?」
すると店主はニコッとすると自分の店の扉を開いた。
「従魔も含めて全員同じ部屋で良いなら安くするよ。
部屋にはトイレも風呂もついている。
飯代は別だが1日1人銀貨1枚で銀貨6枚と従魔達の分の銀貨1枚合わせて銀貨7枚でどうだい?」
「銀貨7枚って事は7万円?
こんな大通りの良い場所で安すぎません?」
イオリの驚いた顔を見ると店主はますます笑顔になった。
「この街を助けに来てくれたんだろう?
そんな冒険者にはサービスもするさ。
お前さんの様な丁寧な物腰の冒険者も少ない。
どこぞに取られるより、よっぽどマシさ。
どうだい?
ウチのは飯も美味いよ。」
イオリが振り返るとヒューゴは苦笑して頷いた。
「それじゃ、お世話になります。
とりあえず1日でも良いですか?
ダンジョンに入る許可が降り次第、出て行きますんで宜しくお願いします。」
「よしっ!決まった。
どうする?
騒ぎの中のギルドに突っ込むか、少し休んでいくかい?」
店主のセリフに、すかさず双子の元気な声が揃った。
「「突っ込む!!」」
イオリは笑いヒューゴは天を仰ぐと店主もゲラゲラと笑い出した。
「猶予もない事ですし、挨拶はしてきますよ。
とりあえず銀貨7枚お支払いします。」
「あいよ!毎度!
部屋の準備はしておくよ。
いつでも良いから宿に来な。」
イオリはハーネスを外したアウラを労うと馬車を腰バックにしまった。
アウラはギュッっとストレッチをすると一気に小さくなった。
一連を見ていた店主は目を丸くして見ていたが、子供達が手を振ると釣られるように手をふり返した。
「それじゃ、また後で。」
イオリを先頭に去っていく一行を見つめ店主は小刻みに頷いた。
「良い客を捕まえたかもしれねぇな。
こんな事はしてられない。おい!
客だ!大部屋の準備だ!」
イオリ達の新たな出会いであった。
おとぎ話の世界みたいだ・・・。」
前に広がる街並みにイオリ達はあんぐりと口を開けた。
可愛らしい建物が立ち並ぶ街並みは外から見るよりも色合いも合わさって可愛らしい作りだった。
「これは、マッチ売りの少女の世界だな。」
イオリが呟くと子供達が目を見開いた。
「あの可哀想な子?
どこ?どこに居るの?」
物語が大好きなニナは馬車の上からキョロキョロした。
「本当のマッチ売りの少女はいないさ。
俺の知ってる絵の街に似てるなって思っただけ。
でも、本当に助けを求めている人には手を差し伸べてあげるんだよ。」
「「「「うん!」」」」
イオリの言葉に子供達はニッコリと頷いた。
「でも、お前達の優しさに漬け込んで騙す人間もいるからな。
しっかり見極めろ。
自分1人じゃなく、みんなで助けるんだ。」
「「「「うん!」」」」
ヒューゴはしっかりと現実を教える事を忘れない。
優しいイオリとバランスの取れた教えに子供達も素直に育っていた。
「そろそろ冒険者ギルドに着くぞ。
降りる準備をしとけよ。」
ヒューゴの声かけにスコルをリーダーに子供達は片付けを始めた。
見えてきた冒険者ギルドの入り口には人だかりが出来ていた。
「ギルドの前が騒がしいですね。
此処で降りましょうか。」
「分かった。
おじさん。
店先借りるよ。
馬車から降りたいんだ。」
ヒューゴは店から顔を出し冒険者ギルドを方を見ている店主に声を掛けた。
「良いが、そのまま置かれると困るよ。
冒険者だろう?
ギルドの裏手に留める所があるよ。行ってごらん。
おやおや?」
馬車から子供達がピョンピョン降りると目を細めて微笑む店主にイオリは声をかけた。
「馬車は収納しちゃうんで大丈夫です。
ご親切に教えてくれて有難うございます。
あそこが冒険者ギルドですね?
あの騒ぎは何事ですか?」
店主は肩を竦めると冒険者ギルドの方に目をやった。
「ほら、最近話題のダンジョンの事件があるだろう?
それで他の街から高ランク冒険者が流れてきてるんだが揉め事も多くてね。
今度のは依頼されてない冒険者が金目当てでイルツクにやってきたはいいが、今は領主の許可のない冒険者はダンジョンに入れない決まりなんだ。
あれはダンジョンに入るのを拒否された冒険者が騒いでいるのさ。
お前さん達も依頼状が無いと無理だよ?」
「なるほどね。
情報ありがとうございます。
大丈夫です。
俺達は依頼状を持ってますから。」
「ほぉぉ。
それじゃ、どこぞの貴族のお抱えってとこかい?」
「まあ、そんなところです。
情報ついでにイルツクの良い宿ってどこです?」
すると店主はニコッとすると自分の店の扉を開いた。
「従魔も含めて全員同じ部屋で良いなら安くするよ。
部屋にはトイレも風呂もついている。
飯代は別だが1日1人銀貨1枚で銀貨6枚と従魔達の分の銀貨1枚合わせて銀貨7枚でどうだい?」
「銀貨7枚って事は7万円?
こんな大通りの良い場所で安すぎません?」
イオリの驚いた顔を見ると店主はますます笑顔になった。
「この街を助けに来てくれたんだろう?
そんな冒険者にはサービスもするさ。
お前さんの様な丁寧な物腰の冒険者も少ない。
どこぞに取られるより、よっぽどマシさ。
どうだい?
ウチのは飯も美味いよ。」
イオリが振り返るとヒューゴは苦笑して頷いた。
「それじゃ、お世話になります。
とりあえず1日でも良いですか?
ダンジョンに入る許可が降り次第、出て行きますんで宜しくお願いします。」
「よしっ!決まった。
どうする?
騒ぎの中のギルドに突っ込むか、少し休んでいくかい?」
店主のセリフに、すかさず双子の元気な声が揃った。
「「突っ込む!!」」
イオリは笑いヒューゴは天を仰ぐと店主もゲラゲラと笑い出した。
「猶予もない事ですし、挨拶はしてきますよ。
とりあえず銀貨7枚お支払いします。」
「あいよ!毎度!
部屋の準備はしておくよ。
いつでも良いから宿に来な。」
イオリはハーネスを外したアウラを労うと馬車を腰バックにしまった。
アウラはギュッっとストレッチをすると一気に小さくなった。
一連を見ていた店主は目を丸くして見ていたが、子供達が手を振ると釣られるように手をふり返した。
「それじゃ、また後で。」
イオリを先頭に去っていく一行を見つめ店主は小刻みに頷いた。
「良い客を捕まえたかもしれねぇな。
こんな事はしてられない。おい!
客だ!大部屋の準備だ!」
イオリ達の新たな出会いであった。
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