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旅路〜イルツク〜
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出発して10日経った日の夜だった。
焚き火を囲み夕飯にありついていると、ゼンの耳がピクンと動いた。
『何か来る。』
食べている手を止めて一同が探れば、確かし微かに人の気配がする。
「あと10分は時間あるかな。
みんな片付けてテントに入りな。
ヒューゴさんは焚き火を消してください。
洗浄魔法も忘れずに。」
「分かった。
さっき張ったシールドの確認してくる。
ほら、スコル。
鍋は気をつけて持てよ。
ニナ。
焦らずにパティに着いていけ。」
それぞれが動き出すとイオリはテーブルを片付け、停めていた馬車を腰バックにしまい、子供達がテントに入るのを確認すると木に登った。
『ヒューゴとアウラもテントに入ったよ。
どう?
見える??』
イオリに続いて木に飛び乗ってきたゼンが顔を近づけて聞く。
「まだだね。
夜だから向こうも気をつけて歩いてるみたい。
俺達を襲う気はないみたいだけど一応は注意しとかないとね。」
イオリは銃のグリップを握ると人の気配を探っていた。
ガサガサガサ・・・
人が草を踏みつける音が聞こえた。
「あれー?人がいる気配したんだけどな。
気のせいだった?」
男が1人、首を回し辺りを見渡している。
「・・・いや。
気のせいじゃないだろう。
美味そうな匂いもする。
ここでキャンプでも張ってたんじゃないか?」
もう1人が地面を触り確認をしている。
イオリは真下に歩いてくる男達を目で追うと音も立てずに観察をした。
2人は冒険者のようだ。
1人は剣士なのかレイピアの剣を腰に刺し、もう1人は盾と片手剣を背負っていた。
警戒を怠らずに歩いてくる男達にイオリも集中した。
「・・・俺達に気づいて移動したか?」
「マジで?
だとしたら、相当なやり手だぞ。
後を追うか?」
2人は暫く考えると自分達の旅を続ける事にしたらしい。
「後数日でイルツクだ。
この辺りから異変が起きてもおかしくしない。
気を引き締めろよ。
ロジャー。」
「あいよ。相棒!
とりあえずは文明のあるところに行こうぜ。」
冒険者2人が去っていき、暫くしてイオリとゼンは静かに木から飛び降りた。
「イルツクに向かう冒険者のようだね。
どこからか派遣されてきたのかな?」
『結構するどかったね。
イルツクに行くなら会うかもよ。』
イオリは静かに頷くとテントに手をかけた。
隠密スキルのあるテントは先程の冒険者には見えていなかった。
木陰に設置したテントの中は明るく、子供達の笑い声が聞こえていた。
「おう。問題ないか?」
玄関に立っていたヒューゴはイオリ達の姿にホッとすると大剣をおろし腰バックにしまった。
「はい。
どうやらイルツクに向かう冒険者みたいです。
人の気配を追っていましたが、いないと確認するとイルツクに向かいましたよ。
何かあっても面倒なんで声も掛けませんでした。」
「そうか・・・。それで良いさ。
まぁ、そろそろ人と会うかもしれないな。
とりあえず、今は飯を食い終わろう。
イルツクまで数日だ。
一気に進んだ方が良いかもしれないな。」
「そう思います。
とりあえず、明日はノンストップですね。」
ご飯の続きと聞けばゼンは飛び上がり滑り台で階下まで降りると子供達が楽しく食事をするダウンフロアに潜り込んだ。
「あー!ゼンちゃん。
お外からきたら足洗った?」
掃除にうるさいニナに見つかると、ゼンは早速に洗浄魔法をかけたれていた。
『お腹すいた・・・。』
ゼンの弱々しい声に笑うイオリだった。
焚き火を囲み夕飯にありついていると、ゼンの耳がピクンと動いた。
『何か来る。』
食べている手を止めて一同が探れば、確かし微かに人の気配がする。
「あと10分は時間あるかな。
みんな片付けてテントに入りな。
ヒューゴさんは焚き火を消してください。
洗浄魔法も忘れずに。」
「分かった。
さっき張ったシールドの確認してくる。
ほら、スコル。
鍋は気をつけて持てよ。
ニナ。
焦らずにパティに着いていけ。」
それぞれが動き出すとイオリはテーブルを片付け、停めていた馬車を腰バックにしまい、子供達がテントに入るのを確認すると木に登った。
『ヒューゴとアウラもテントに入ったよ。
どう?
見える??』
イオリに続いて木に飛び乗ってきたゼンが顔を近づけて聞く。
「まだだね。
夜だから向こうも気をつけて歩いてるみたい。
俺達を襲う気はないみたいだけど一応は注意しとかないとね。」
イオリは銃のグリップを握ると人の気配を探っていた。
ガサガサガサ・・・
人が草を踏みつける音が聞こえた。
「あれー?人がいる気配したんだけどな。
気のせいだった?」
男が1人、首を回し辺りを見渡している。
「・・・いや。
気のせいじゃないだろう。
美味そうな匂いもする。
ここでキャンプでも張ってたんじゃないか?」
もう1人が地面を触り確認をしている。
イオリは真下に歩いてくる男達を目で追うと音も立てずに観察をした。
2人は冒険者のようだ。
1人は剣士なのかレイピアの剣を腰に刺し、もう1人は盾と片手剣を背負っていた。
警戒を怠らずに歩いてくる男達にイオリも集中した。
「・・・俺達に気づいて移動したか?」
「マジで?
だとしたら、相当なやり手だぞ。
後を追うか?」
2人は暫く考えると自分達の旅を続ける事にしたらしい。
「後数日でイルツクだ。
この辺りから異変が起きてもおかしくしない。
気を引き締めろよ。
ロジャー。」
「あいよ。相棒!
とりあえずは文明のあるところに行こうぜ。」
冒険者2人が去っていき、暫くしてイオリとゼンは静かに木から飛び降りた。
「イルツクに向かう冒険者のようだね。
どこからか派遣されてきたのかな?」
『結構するどかったね。
イルツクに行くなら会うかもよ。』
イオリは静かに頷くとテントに手をかけた。
隠密スキルのあるテントは先程の冒険者には見えていなかった。
木陰に設置したテントの中は明るく、子供達の笑い声が聞こえていた。
「おう。問題ないか?」
玄関に立っていたヒューゴはイオリ達の姿にホッとすると大剣をおろし腰バックにしまった。
「はい。
どうやらイルツクに向かう冒険者みたいです。
人の気配を追っていましたが、いないと確認するとイルツクに向かいましたよ。
何かあっても面倒なんで声も掛けませんでした。」
「そうか・・・。それで良いさ。
まぁ、そろそろ人と会うかもしれないな。
とりあえず、今は飯を食い終わろう。
イルツクまで数日だ。
一気に進んだ方が良いかもしれないな。」
「そう思います。
とりあえず、明日はノンストップですね。」
ご飯の続きと聞けばゼンは飛び上がり滑り台で階下まで降りると子供達が楽しく食事をするダウンフロアに潜り込んだ。
「あー!ゼンちゃん。
お外からきたら足洗った?」
掃除にうるさいニナに見つかると、ゼンは早速に洗浄魔法をかけたれていた。
『お腹すいた・・・。』
ゼンの弱々しい声に笑うイオリだった。
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