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愛し子の帰還
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「あぁぁぁ。感動っす。
なんだ、このプリン!
こっちは煎餅?
ショユの実って、あのしょっぱいのでしょ?
香ばしいっすね~。」
まだ、何とも言い難い格好であるが言葉遣いが変わったセドリックは貪るように菓子を手にしていた。
「このパイはパティのだからダメ!」
好物のパイシュガーを守るパティとパイに興味のあるセドリックの攻防戦を横に置きイオリは店内を見渡した。
店内はカウンターと数個のテーブルと椅子でギュウギュウだった。
辛うじて奥の調理場が、それなりの場所をとっていて安心する。
「これだけ手狭だとテーブルとかはいらないですね。」
「元々は大きな倉庫から店舗までの中継の為に作られた小規模倉庫として使われていた建物ですからね。
それに菓子が置かれている店はカフェも併設しているのが当たり前なので無理矢理置いたようなんですよ。」
バートの説明にイオリは頷いた。
「セドリックさんはカフェをやりたいんですか?
それとも作ったお菓子を売りたいんですか?」
突然聞かれて咽せ返るセドリックにナギが背中をさする。
「ゴホゴホっ!
・・・・ありがとう。
作りたいっす!!
作って売りたいんです。
でも、カフェもやらないといけないから・・・。」
「それならセドリックさんはパティシエですね。
カフェも作らなければいけない、その感覚を捨てましょう。
バートさんも仰ってましたが、他人と同じでなくて良いんです。
売る事に特化しましょう。」
「え・・・。大丈夫なんでしょうか?
それにパテ・・パチシェ?
何ですか?」
不安そうなセドリックにイオリは頷いた。
「パティシエです。
ケーキ職人さんなどお菓子の職人さんを、そう呼ぶそうです。
それに、よく考えてください。
セドリックさんが菓子屋さん巡りをしていて男性のお客さんはいました?」
「うーん?確か・・・少なかったように思います。」
セドリックの答えにイオリは満足そうに頷いた。
「それではヒューゴさん、どうです?
可愛らしい店内に1人で入って可愛いお菓子を買ってきてと言われたら。」
「・・・まぁ、頼まれれば行くが躊躇するな。
女性が楽しんでる中に1人で入っていく勇気がない。
頼まれたという名目以外で1人では入らないだろう。」
ヒューゴの答えにバートもセドリックも唖然とした。
「御2人は仕事目線だから、入る事に戸惑いも低いでしょうが一般男性の答えはこうです。
でしたら、サクッと買って帰るという店があっても良い。
男性も女性も入りやすいシンプルな店を目指しましょう。
あくまでも売るのは商品であり、空間ではありません。
セドリックさんは作ることに特化し、店頭を任せるスタッフを雇いましょう。
回転率をあげるんです。」
イオリのプレゼンはどうやら2人に響いたらしい。
ヒューゴも納得したのか、何度も頷いていた。
「それなら入りやすいな。
子供に買ってやりたい父親や恋人にプレゼントしたい若い男。
甘い物を食べて疲れを取りたい冒険者。
それに、忙しい主婦や仕事の合間に女性達だって買っていくぞ。」
「「やります!!それ!!」」
バートとセドリックが声を合わせた事にイオリは微笑んだ。
「じゃぁ、続きをお話ししましょうか。」
再びイオリと仕事が出来る事にバートは心が弾んでいた。
なんだ、このプリン!
こっちは煎餅?
ショユの実って、あのしょっぱいのでしょ?
香ばしいっすね~。」
まだ、何とも言い難い格好であるが言葉遣いが変わったセドリックは貪るように菓子を手にしていた。
「このパイはパティのだからダメ!」
好物のパイシュガーを守るパティとパイに興味のあるセドリックの攻防戦を横に置きイオリは店内を見渡した。
店内はカウンターと数個のテーブルと椅子でギュウギュウだった。
辛うじて奥の調理場が、それなりの場所をとっていて安心する。
「これだけ手狭だとテーブルとかはいらないですね。」
「元々は大きな倉庫から店舗までの中継の為に作られた小規模倉庫として使われていた建物ですからね。
それに菓子が置かれている店はカフェも併設しているのが当たり前なので無理矢理置いたようなんですよ。」
バートの説明にイオリは頷いた。
「セドリックさんはカフェをやりたいんですか?
それとも作ったお菓子を売りたいんですか?」
突然聞かれて咽せ返るセドリックにナギが背中をさする。
「ゴホゴホっ!
・・・・ありがとう。
作りたいっす!!
作って売りたいんです。
でも、カフェもやらないといけないから・・・。」
「それならセドリックさんはパティシエですね。
カフェも作らなければいけない、その感覚を捨てましょう。
バートさんも仰ってましたが、他人と同じでなくて良いんです。
売る事に特化しましょう。」
「え・・・。大丈夫なんでしょうか?
それにパテ・・パチシェ?
何ですか?」
不安そうなセドリックにイオリは頷いた。
「パティシエです。
ケーキ職人さんなどお菓子の職人さんを、そう呼ぶそうです。
それに、よく考えてください。
セドリックさんが菓子屋さん巡りをしていて男性のお客さんはいました?」
「うーん?確か・・・少なかったように思います。」
セドリックの答えにイオリは満足そうに頷いた。
「それではヒューゴさん、どうです?
可愛らしい店内に1人で入って可愛いお菓子を買ってきてと言われたら。」
「・・・まぁ、頼まれれば行くが躊躇するな。
女性が楽しんでる中に1人で入っていく勇気がない。
頼まれたという名目以外で1人では入らないだろう。」
ヒューゴの答えにバートもセドリックも唖然とした。
「御2人は仕事目線だから、入る事に戸惑いも低いでしょうが一般男性の答えはこうです。
でしたら、サクッと買って帰るという店があっても良い。
男性も女性も入りやすいシンプルな店を目指しましょう。
あくまでも売るのは商品であり、空間ではありません。
セドリックさんは作ることに特化し、店頭を任せるスタッフを雇いましょう。
回転率をあげるんです。」
イオリのプレゼンはどうやら2人に響いたらしい。
ヒューゴも納得したのか、何度も頷いていた。
「それなら入りやすいな。
子供に買ってやりたい父親や恋人にプレゼントしたい若い男。
甘い物を食べて疲れを取りたい冒険者。
それに、忙しい主婦や仕事の合間に女性達だって買っていくぞ。」
「「やります!!それ!!」」
バートとセドリックが声を合わせた事にイオリは微笑んだ。
「じゃぁ、続きをお話ししましょうか。」
再びイオリと仕事が出来る事にバートは心が弾んでいた。
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