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愛し子の帰還
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ポーレット公爵家の応接室には賑やかな声が響いていた。
「それでねー。ギルマスってば、サブマスに怒られてたんだよ~。」
「ラーラさん、ホッとしてたよね。」
「ギルマス明日から仕事だって、休まないのかな?」
「今日しっかり休むって言ってたよ。」
子供達の話に公爵家の面々とヒューゴが微笑んでいたところにイオリとゼンが戻ってきた。
「お風呂頂きました。
ありがとうございます。」
「おぉ、イオリ。
よく帰ってきたな。
さぁ、話を聞かせてくれ。」
ポーレット公爵テオルドは3年ぶりの専属冒険者に笑顔を見せた。
「はい。
ただいま帰りました。
テオさん。オルガ夫人。ニコライさん。
皆さん、お元気そうで何よりです。」
イオリが座ると、すかさずクリストフが紅茶を淹れてくれた。
「まぁまぁまぁ。
本当に、皆んなの元気な顔が見れて嬉しいわ。
3年の間に大きくなって。」
相変わらず、パワフルなオルガ夫人はニナとパティに囲まれ嬉しそうだ。
「普段着で帰ってきたそうだが、カサドのところに行ったのか?」
ニコライの言葉にイオリは頷いた。
「えぇ、“日暮れの暖炉”でベルちゃんと遊んだ後にダンさんに髪を切ってもらいましてね。
流れでカサドさんのところに寄ってきました。」
すると子供達がクスクスし出した。
「なんだ?なんだ?
何があった?」
ヴァルトが前屈みになってスコルに問いかけた。
「いつもみたいに、扉をドンドン叩いたらね。
やっぱり『うるせー!』って出てきて、僕たち見たらキョトンとしてたんだ。」
鍛冶屋のカサドとの再会が楽しかったのか、スコルは思い出し笑いが止まらなかった。
_________
時は戻りーーー
「髪もスッキリしたし、最後にカサドさんの所に行こう。
道具のメンテナンスしてもらわないとね。」
“日暮れの暖炉”を出るとイオリ達は鍛冶屋のカサドの元に向かった。
双子が足早に向かうのをナギとニナが追いかけ、アウラが心配そうについて行く。
「あいつら、カサドさん好きだよな。
普通、あんなに怒鳴られると怖がるもんだがな。」
苦笑するヒューゴにイオリは笑った。
「カサドさん、見た目や声の大きさに比べると優しいんですよね。
頼み事は断れないし、頼んでないのにアイディア満載の道具を作っては我々の安全を守ってくれています。
あの子達も分かってるんですよ。」
『そうかな・・・からかうのが楽しいだけだと思うけど。』
ゼンの言葉にイオリとヒューゴは顔を見合わせ笑い出した。
「やっぱり、そうかなー?」
「そうだろう。」
『絶対そうだよ。見てよ。』
3人が見たのは双子が扉を何度も叩いている姿だった。
「うるせー!!!何度も叩いてんじゃねーよ。スカポンタンが!」
ドワーフの武防具職人のカサドが怒り顔で飛び出してきた。
「「「「カサドさん!ただいまー!」」」」
子供達はカサドに飛びつくと纏わりついた。
「お前ら・・・。帰ってきたのか。」
突然の帰還に驚いたのか、カサドは持っていたトンカチを足の甲に落とした。
「グァっ!」
痛みでピョンピョン飛ぶカサドに子供達は大笑いしたのだった。
「それでねー。ギルマスってば、サブマスに怒られてたんだよ~。」
「ラーラさん、ホッとしてたよね。」
「ギルマス明日から仕事だって、休まないのかな?」
「今日しっかり休むって言ってたよ。」
子供達の話に公爵家の面々とヒューゴが微笑んでいたところにイオリとゼンが戻ってきた。
「お風呂頂きました。
ありがとうございます。」
「おぉ、イオリ。
よく帰ってきたな。
さぁ、話を聞かせてくれ。」
ポーレット公爵テオルドは3年ぶりの専属冒険者に笑顔を見せた。
「はい。
ただいま帰りました。
テオさん。オルガ夫人。ニコライさん。
皆さん、お元気そうで何よりです。」
イオリが座ると、すかさずクリストフが紅茶を淹れてくれた。
「まぁまぁまぁ。
本当に、皆んなの元気な顔が見れて嬉しいわ。
3年の間に大きくなって。」
相変わらず、パワフルなオルガ夫人はニナとパティに囲まれ嬉しそうだ。
「普段着で帰ってきたそうだが、カサドのところに行ったのか?」
ニコライの言葉にイオリは頷いた。
「えぇ、“日暮れの暖炉”でベルちゃんと遊んだ後にダンさんに髪を切ってもらいましてね。
流れでカサドさんのところに寄ってきました。」
すると子供達がクスクスし出した。
「なんだ?なんだ?
何があった?」
ヴァルトが前屈みになってスコルに問いかけた。
「いつもみたいに、扉をドンドン叩いたらね。
やっぱり『うるせー!』って出てきて、僕たち見たらキョトンとしてたんだ。」
鍛冶屋のカサドとの再会が楽しかったのか、スコルは思い出し笑いが止まらなかった。
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時は戻りーーー
「髪もスッキリしたし、最後にカサドさんの所に行こう。
道具のメンテナンスしてもらわないとね。」
“日暮れの暖炉”を出るとイオリ達は鍛冶屋のカサドの元に向かった。
双子が足早に向かうのをナギとニナが追いかけ、アウラが心配そうについて行く。
「あいつら、カサドさん好きだよな。
普通、あんなに怒鳴られると怖がるもんだがな。」
苦笑するヒューゴにイオリは笑った。
「カサドさん、見た目や声の大きさに比べると優しいんですよね。
頼み事は断れないし、頼んでないのにアイディア満載の道具を作っては我々の安全を守ってくれています。
あの子達も分かってるんですよ。」
『そうかな・・・からかうのが楽しいだけだと思うけど。』
ゼンの言葉にイオリとヒューゴは顔を見合わせ笑い出した。
「やっぱり、そうかなー?」
「そうだろう。」
『絶対そうだよ。見てよ。』
3人が見たのは双子が扉を何度も叩いている姿だった。
「うるせー!!!何度も叩いてんじゃねーよ。スカポンタンが!」
ドワーフの武防具職人のカサドが怒り顔で飛び出してきた。
「「「「カサドさん!ただいまー!」」」」
子供達はカサドに飛びつくと纏わりついた。
「お前ら・・・。帰ってきたのか。」
突然の帰還に驚いたのか、カサドは持っていたトンカチを足の甲に落とした。
「グァっ!」
痛みでピョンピョン飛ぶカサドに子供達は大笑いしたのだった。
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