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愛し子の帰還
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笑顔で登場したポルトスであったが、若い治安維持隊員とイオリ達の間で起こっている緊迫した状況に気付くと慌て出した。
「お前達、槍を降ろせ!
この人達はポーレット公爵専属冒険者と冒険者ギルドのサブマスだぞ!
帰還するって報告があっただろう?」
ポルトスが来た事に驚きを隠せない若い隊員達は戸惑いながらも槍を降ろした。
「でも、先輩。
その人達って2日後に来るって言ってませんでした?」
「あぁ、それは・・・。イオリ君、何でだい?
確かに公爵家からは2日後くらいにと通達があったけど・・・あぁ、なるほど・・・分かった。
聞くのやめとくよ。
うん。」
ポルトスはニヤニヤするイオリとエルノールに気づくと途中から呆れたように苦笑した。
「「「「ポルトスさん!!」」」」
我慢の限界を超えた子供達が馬車から飛び出るとポルトスは驚いたように感嘆した。
「みんな!お帰り!!
うわぁぁ、大きくなったね!」
ポルトスも馬から降りると、子供達の突撃を受け止めた。
「どうしたの?悪い人捕まえに来たの?」
「あの人達、良い人?」
「ポルトスさん、元気?」
「ただいまー。」
そんな状況を見て、呆気にとられていた若き治安維持隊員の腰をドンッ!と押すとゼンは「分かったか、新人。」と言うような目付きで通り過ぎイオリに甘えに行った。
子供達がポルトスと戯れているのを見ると、若い治安維持隊達はいよいよ自分達の早合点を悟り顔を青褪めていった。
「「「「申し訳ありません!!」」」」
頭を下げる治安維持隊一同にイオリは微笑んだ。
「こちらこそ、慌てさせて申し訳なかったです。
初めまして。どーも、冒険者をしてますイオリです。
誤解が解けたところで、この人達を引き取ってもらって良いですか?」
「はっ・・はい!!」
仲間達が背後で「黒狼だ。」「本物だ。」と囁いているのを叱咤し、リーダー格の男が馬車の後ろで気絶している盗賊達を連れて行った。
「申し訳ありませんでした。
この3年でポーレットを訪れる人が増えまして、犯罪も増えたことから治安維持隊の数も増やしたんですよ。
未熟な新人が担当時間だったもので、騒がせました。
再度、教育します。」
ポルトスは申し訳なさそうにエルノールに頭を下げた。
「いいえ。貴方がすぐに来てくださって助かりました。
我々はともかく、ゼンさんが不機嫌でしたからね。」
エルノールの言葉にゼンは「当然でしょ。」と言うように澄ました顔で頷いた。
「ゼン君も悪かったね。
お帰り。待っていたよ。」
ポルトスの謝罪に素直に機嫌を直すゼンであった。
_ _ _ _ _ _
「ほうほう。ゼン君の声に驚いた馬達が失神して、男達が落馬したところにスコル君とパティちゃんが追撃したと・・・。
そこは前回までと同じだね。
怪我はない?良かった。
えっ?ニナちゃんも手伝ったの?
そうか~、すごいな。
へっ?ナギ君も!?あぁ、馬に縛られてたのナギ君がやったのかぁ・・・。
イオリ君・・・俺、子供の成長の速さを舐めてたよ。」
馬車と並走しながら、調書を取っていたポルトスは信じられないと、驚いた顔をイオリに向けた。
「ふふふ。俺もです。
そう言えば皆さん、お元気ですか?」
「うん。ロディ隊長も元気だし、ギルマスも元気だよ。
ダンさんは2歳になったベルちゃんに甘々だし、ローズさんは大忙しさ。」
「「「「ベルちゃん!!」」」」
イオリ達がポーレットを出て1年後に“日暮れの暖炉”と言う名の宿を営む夫婦の元に生まれた女の子“ベル”。
報告を聞いた子供達は会いたくて会いたくて堪らなかったのだ。
「可愛い?」
「どっちに似てる?」
「僕、本読んであげるんだ。」
「ニナの妹よ。」
子供達の反応に微笑むと、ポルトスは1人1人に答えた。
「とっても可愛い女の子だよ。」
「どちらかと言うと、ローズさんに似てるかな。」
「本か。きっとベルちゃん喜ぶよ。」
「ニナちゃんに会えるの楽しみにしてるんじゃないかな。」
3年の流れた月日を感じさせてくれた。
「さぁ、壁門はもうすぐだよ!
お帰り!!みんな!」
一行は大きな門に並ぶ列に続くのだった。
「お前達、槍を降ろせ!
この人達はポーレット公爵専属冒険者と冒険者ギルドのサブマスだぞ!
帰還するって報告があっただろう?」
ポルトスが来た事に驚きを隠せない若い隊員達は戸惑いながらも槍を降ろした。
「でも、先輩。
その人達って2日後に来るって言ってませんでした?」
「あぁ、それは・・・。イオリ君、何でだい?
確かに公爵家からは2日後くらいにと通達があったけど・・・あぁ、なるほど・・・分かった。
聞くのやめとくよ。
うん。」
ポルトスはニヤニヤするイオリとエルノールに気づくと途中から呆れたように苦笑した。
「「「「ポルトスさん!!」」」」
我慢の限界を超えた子供達が馬車から飛び出るとポルトスは驚いたように感嘆した。
「みんな!お帰り!!
うわぁぁ、大きくなったね!」
ポルトスも馬から降りると、子供達の突撃を受け止めた。
「どうしたの?悪い人捕まえに来たの?」
「あの人達、良い人?」
「ポルトスさん、元気?」
「ただいまー。」
そんな状況を見て、呆気にとられていた若き治安維持隊員の腰をドンッ!と押すとゼンは「分かったか、新人。」と言うような目付きで通り過ぎイオリに甘えに行った。
子供達がポルトスと戯れているのを見ると、若い治安維持隊達はいよいよ自分達の早合点を悟り顔を青褪めていった。
「「「「申し訳ありません!!」」」」
頭を下げる治安維持隊一同にイオリは微笑んだ。
「こちらこそ、慌てさせて申し訳なかったです。
初めまして。どーも、冒険者をしてますイオリです。
誤解が解けたところで、この人達を引き取ってもらって良いですか?」
「はっ・・はい!!」
仲間達が背後で「黒狼だ。」「本物だ。」と囁いているのを叱咤し、リーダー格の男が馬車の後ろで気絶している盗賊達を連れて行った。
「申し訳ありませんでした。
この3年でポーレットを訪れる人が増えまして、犯罪も増えたことから治安維持隊の数も増やしたんですよ。
未熟な新人が担当時間だったもので、騒がせました。
再度、教育します。」
ポルトスは申し訳なさそうにエルノールに頭を下げた。
「いいえ。貴方がすぐに来てくださって助かりました。
我々はともかく、ゼンさんが不機嫌でしたからね。」
エルノールの言葉にゼンは「当然でしょ。」と言うように澄ました顔で頷いた。
「ゼン君も悪かったね。
お帰り。待っていたよ。」
ポルトスの謝罪に素直に機嫌を直すゼンであった。
_ _ _ _ _ _
「ほうほう。ゼン君の声に驚いた馬達が失神して、男達が落馬したところにスコル君とパティちゃんが追撃したと・・・。
そこは前回までと同じだね。
怪我はない?良かった。
えっ?ニナちゃんも手伝ったの?
そうか~、すごいな。
へっ?ナギ君も!?あぁ、馬に縛られてたのナギ君がやったのかぁ・・・。
イオリ君・・・俺、子供の成長の速さを舐めてたよ。」
馬車と並走しながら、調書を取っていたポルトスは信じられないと、驚いた顔をイオリに向けた。
「ふふふ。俺もです。
そう言えば皆さん、お元気ですか?」
「うん。ロディ隊長も元気だし、ギルマスも元気だよ。
ダンさんは2歳になったベルちゃんに甘々だし、ローズさんは大忙しさ。」
「「「「ベルちゃん!!」」」」
イオリ達がポーレットを出て1年後に“日暮れの暖炉”と言う名の宿を営む夫婦の元に生まれた女の子“ベル”。
報告を聞いた子供達は会いたくて会いたくて堪らなかったのだ。
「可愛い?」
「どっちに似てる?」
「僕、本読んであげるんだ。」
「ニナの妹よ。」
子供達の反応に微笑むと、ポルトスは1人1人に答えた。
「とっても可愛い女の子だよ。」
「どちらかと言うと、ローズさんに似てるかな。」
「本か。きっとベルちゃん喜ぶよ。」
「ニナちゃんに会えるの楽しみにしてるんじゃないかな。」
3年の流れた月日を感じさせてくれた。
「さぁ、壁門はもうすぐだよ!
お帰り!!みんな!」
一行は大きな門に並ぶ列に続くのだった。
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