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2巻

2-1

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 山神やまがみが手厚く保護していた子狼こおおかみを助けるために、命を落とした青年、相沢庵あいざわいおり
 彼の勇敢な行動を見ていた輪廻りんねの案内役である神リュオンの力で、イオリと真っ白な子狼――ゼンは異世界に転移した。
 転移の際に、リュオンの力でイオリは13歳に戻り、ゼンは神獣しんじゅうであるフェンリルへと変化をげた。それに加えてリュオンは、ハンターであるイオリが持っていた銃を魔道具まどうぐに変えて、その他の便利な魔道具と共に授けた。
 そんなふうにして、神によっていわば規格外にされた2人が降り立ったのは、アースガイル王国にある、人が寄り付かない危険地帯〝明けない魔の森〟であった。
 その明けない魔の森で、危険をものともせずに、2人が幸せな生活を送っていたある日。
 近隣にあるポーレットの街から冒険者ヴァルトの一行が訪れる。
 ヴァルト一行は、規格外な少年イオリに驚きながらも彼を気に入り、友情をはぐくんだ。そうして再会を約束して、惜しまれつつも去っていくのであった。


 それから5年後。
 両親を失った双子の狼獣人おおかみじゅうじん――兄のスコルと妹のパティと出会い、行動を共にするようになったイオリとゼンは、ヴァルト達と会うためについに明けない魔の森を離れ、ポーレットの街を目指すことにした。
 そして、あっという間にポーレットに到着したイオリ達。
 ひとまず生計を立てるために、冒険者として生きていくことを決意した彼らが冒険者ギルドにたどり着くと、そこではヴァルトが待ち構えていた。
 何と彼はこの街を治める公爵家こうしゃくけの次男だったのだ。


 ポーレットの街で生活をする中で、その規格外さが露呈ろていしていくイオリ。
 そして、イオリの知識に興味を持ったヴァルトから、兄のニコライを紹介されることになり、ついには、現公爵である、ヴァルトの父親と会って欲しいと頼まれてしまう。
 そうして謁見の日が訪れた。公爵家を訪れたイオリ達を、現公爵であるテオルド――テオはこころよく受け入れてくれた。
 もちろん、テオはイオリが持つ目新しい知識に興味を示した。
 そのようになごやかな雰囲気だったのも束の間、イオリがリュオンからもらった銃を紹介したところ、その性能の高さから、ニコライの従者じゅうしゃフランに危険視されてしまう。
 イオリが疑われることを許せないゼンが怒りを爆発させたことでその場は大きく荒れたが、テオの謝罪によってその場は収まったのであった。



 第1章 これから ~ポーレット~



 1


 ゼン達を落ち着かせたイオリは、話を戻した。

「それで、砂糖の話はどこまでお父様に話したんですか?」
「一連の流れを話した」

 ニコライがそう言ってテオに顔を向けると、テオはうなずく。

「驚いた。ビートは確かに甘いが、ビートから砂糖が出来るなんてな。〝畑人はたけびと〟の助けになるし、その収益で我々の負担も軽くなる」

 ニコライは、本来奴隷どれいに身を落とすはずだった者達のことも、守るべき領民として考えていた。畑人とは、奴隷廃止をうたうポーレット公爵家によって、公爵家の領内にある畑での仕事を与えられた者達のことだ。
 奴隷になるのをまぬがれた彼らは、畑人として街の食を支えるという重要な役割をになっているのである。
 ヴァルトが立ち上がって窓の外を指差す。

「それだけではありません。イオリは、作物がらなくなった不浄ふじょうの土地を復活出来るかもしれないと」
「何!?」

 大人達の視線に居心地が悪くなったイオリは、はにかんで答えた。

「出来ると言っただけです」
「魔法を使っても作物を実らせられなくなった土地をよみがえらせる力が、あなたにはあるのですか?」

 ヴァルトの従者であるトゥーレの質問に、イオリは首を横に振る。

「俺自身が出来るのではなく、方法を提示するだけです。そもそも魔法に頼り過ぎてませんか?」
「「「「魔法に頼り過ぎている?」」」」

 首をかしげる面々にイオリは言う。

「魔法は便利で、生活向上に利用するなら非常に効果的です。でも、自然に関することに使うとイマイチなんです」
「自然に関することとは?」

 疑問を投げかけるテオにイオリは答える。

「自然界では、土に種が落ち、芽が出て、雨と太陽の恵みを得て実が生ります。放置していても魔の森の草木は青々としているでしょう? 自然とは本来そういうものなんです。そもそも、俺の育った所には魔法がありませんでした。だから人は知恵をみがいたんです。どうすれば大きな実をつけるのか、どうすれば美味おいしく食べられるのか、どうすれば枯れた畑を戻すことが出来るのか……」

 みんな真剣に聞いている。

「先人達は、自然の力を借りるという答えを出しました。毎年毎年、同じ畑で作ると大地が疲弊ひへいする。だったら、たっぷりの栄養を与えて休ませればいい。栄養とは、腐葉土ふようどなどのことです。森では葉や実が落ち、腐食ふしょくし、栄養となり、木々の生育を助けます。この真似をすればいいんです。ただ、畑は作物を作り続けることで自然の活力を失ってしまいます。だから、自然と同じ状況になるように人が手伝いをすればいいんです」
「腐葉土は……魔の森から持ってくるのか?」

 ニコライが聞くとイオリは頷いた。

「当面はそれで良いと思います」
「魔法を使わないで畑を作る、か。考えたこともないな」
「魔法は素晴らしいと思います。初めて体験した時、こんなに便利なものがあるのかと感動すらしました。とはいえ、使いどころなのではないでしょうか。俺の知らないことを皆さんが知っていて、皆さんの知らないことを俺が知っている。2つを合わせれば、もっと素敵なことになるなぁって思ったんですよね」

 …………。

「……ぷ。わははははは。そうか! そうだな。知ることは大切なことだ」

 沈黙の後、テオが笑い出した。
 ヴァルトとニコライはニヤニヤし、トゥーレと、彼と同じくヴァルトの従者であるマルクルは微笑ほほえんでいる。

「にしても、確かに貴族様が騒ぎそうな話ですね」

 それまで黙っていたニコライの従者エドガーはそう言うと、話題を砂糖の話に戻して話し始めた。

「安価に手に入る砂糖は、流通し始めたらすぐに広まるでしょう。貴族の特権だと思っていた甘味料かんみりょうが単価の安いビートから作れ、一般人も手に入れられるとなると混乱が起きますね……」

 すると、ニコライはイオリに微笑む。

「だから、公爵家が砂糖を扱い、コストを除いた全てを社会奉仕に使えとイオリは言っている。そして、商業ギルドに砂糖を使ったレシピを何品か売ると。物ではなく使用方法を売る。そうすれば、あとは商業ギルドが勝手に考えるだろうと」
「ほう……」

 続いてヴァルトが力説する。

「それだけじゃない! イオリは牛のちちの加工方法も教えてくれた。牛乳屋の一家にも教えて、現在は試作中だそうだ。そこで私は、その家族も巻き込んだ商会を作れたらと考えている。イオリの代理の者を代表として商業ギルドに登録し、ある程度流通を管理する。そうすればイオリは表舞台に立たなくてもいいだろう?」
「そんなことが出来るんですか?」

 イオリがそう尋ねて首を傾げると、今度はトゥーレが答える。

「出来ますね。規則上は何の問題もありません」

 イオリは納得した。

「その案なら、良い代理人を見つけることが重要になりますね」
「だから、アーベルを呼びませんか?」

 ヴァルトは、テオの顔色をうかがいながら提案する。

「アーベルか……」
「アーベルさんなら……」

 うんうんと頷き合う大人達。

「アーベルさんとは?」

 イオリの言葉にエドガーが答える。

「グラトニー商会という王国一の商会がありましてね。アーベルさんは、そのグラトニー商会の34代目の会頭かいとうでした。今は一線から退しりぞかれていますが、未だに影響力は強く、王国中にネットワークをお持ちです」
「それだけではない。富は民に返すべきという考え方を持つ人物で、貴族の頼みでも悪事には手を貸さず、むしろたたきのめす傑物けつぶつだ。イオリ君と話が合うのではないかな?」

 テオの従者ノアはそう言うとイオリに視線を向けた。

(面白そうな人だ。話を聞く限りでは……)

 イオリはアーベルに興味を持った。

「お会いしてみたいですね。あと、ふと思い出したんですが、牛乳屋のご家族にも話をしないといけませんね。牧場を見に行くと約束してるんです」

 イオリの言葉に、ニコライが言う。

「私も同行しよう。公爵家からの説明も必要になるほど、乳にも価値があるのだろう?」
「はい!」

 イオリは満面の笑みを浮かべた。

「そうだろうな。乳の価値を知っている双子がにやけておる」

 テオが笑いながら指摘したように、スコルとパティはニヤニヤしている。

道筋みちすじは見えたな。アーベルには私が手紙を書こう。魅力的な商材があるとそれとなくにおわせれば食いつくだろう。ククク」

 テオの言葉にニコライが頷く。

「私はまず、魔の森から腐葉土を持ってこようと思います。ビートを育てるのにも必要ですから」

 それぞれがこれからのことを話す中、イオリが再び爆弾を落とす。

「あの、魔の森のことでお話が……」
「……? 何だ?」

 ヴァルトが首を傾げる。

「まだ、仮の話なんですけどね。一応、言っておこうかと」

 慎重に言葉を選ぶように言うイオリに対して、テオが話の続きをうながす。

「何でも言ってくれ。イオリの話は面白い」
「では。以前、ヴァルトさんがポーレットの街の構造を説明してくれた時、魔の森で魔獣まじゅうが暴走する話をしてくれました」
「あぁ、スタンピードのことだな」
「スタンピード……というんですね。以前、俺が住んでいた所でも似たようなことが起きていました。普段は山で暮らしていた動物達が、気候変動による雨不足などの理由で山でえ、人里に下りてきて畑を荒らしたんです。魔の森でも同じことが起こっているのではないかと」

 ………………。
 驚いて声も出ない大人達を置いてイオリは続ける。

「木の実や植物が主食の生物を食べる魔獣がいて、さらにその魔獣を食べる大型の魔獣がいる。それが食物連鎖です。魔の森の恵みにありつけなかった生き物が森を出て食べ物を探せば、それを追って魔獣が出てきます。当然、それを追う魔獣もいる。そんな魔獣達が今度目にするのは、人という捕食ほしょく対象です。結果、魔獣達が街を目指して暴走する……もちろん、これは推論です。確証がない。それに、たとえ正解だとしても自然の流れは変えられない。でも、原因が分かれば対処方法は考えられます」
「……そんなことが、そんなことがあるのか?」

 テオはふるえながらそう口にすると、ゆっくりと立ち上がった。

「俺の村の先人達はそう考えていました。とはいえ、魔の森に人間が手を加えていいはずはない。そこが悩みどころですね。俺は5年間、魔の森で暮らしていました。木の実が豊富な年もあれば、全くれない年もありましたよ。なぁ?」

 イオリが声をかけるとゼンは頷いた。

『その年は暑かったね。魔獣達もせわしなかった』

 テオの従魔であるカーバンクルのデニが言う。

『それが続くとスタンピードになると……イオリはすごいですね。アースガイルが建国される以前から研究者達が悩んでいたことに、1つの答えを出してしまいました』
「確証はありませんよ? それに俺が凄いんじゃなくて、先人が凄いんです! 俺はじーちゃ……祖父に教わっただけですから!」
「それでも、知識を伝える者がいなくては意味がない。私はイオリと出会えたことに感謝する!」

 ヴァルトはそう言って、従魔であるカーバンクルのクロムスを抱き上げた。
 照れるイオリとたわむれるゼンやヴァルト達。
 テオはそれを見て、目を細めて微笑んだ。

「見事なことよ。ノア、これで領地の心配事が1つなくなったろう?」
「あぁ、イオリ君はまさに神の使いだな」

 ニコライは自分の従者に自慢げに話す。

「どうだ! イオリは面白いだろう?」
「はい。今日の時間は有意義でした」
「……私はフェンリルに嫌われた」
「あとでもう一度謝ればいい」

 ゼンに嫌われたと口にするフランは、他の従者になぐさめられている。
 テオがイオリに尋ねる。

「時に、イオリはポーレットの街に住んでくれていると聞いたが?」
「はい。旅は続けますが、拠点としてポーレットの街にお世話になりたいと思っています」
「それは嬉しい限りだが、家は見つかっているのか? こちらで用意してもいいぞ?」
「ありがとうございます。それを悩んでるんですよね。家は持ってる……というか、魔法のテントがあります。一番落ち着くんで、土地だけあればと思ったんですけど、ポーレットの街に空いてる土地なんてないし……街の外で暮らそうとも考えたんですけど……」

 するとテオは、両手を広げて提案した。

「なら、この屋敷の裏に住めばいい。魔法のテントとやらを張る場所などいくらでもある。家賃などはいらん。その代わり、イオリの知恵を借りたい」
「それはいい! いつでも会えるな!」

 ヴァルトはクロムスと喜んでいる。

「え? いいんですか? 俺、火をきますよ? 石窯いしがまだって作るし、これから馬車だって作ります。ご迷惑では?」
「いい! 許す! イオリは面白いからな!」

 テオが大声で言う。
 ノアは主人のテンションに苦笑し、ニコライ達も笑っている。

「あとで案内する! 裏手に木が沢山たくさん植えられてる所があるんだ。職人を呼ぼう。石窯とやらを作らせる!」

 興奮したヴァルトが畳みかけるように言うと、イオリは慌てて話す。

「場所だけお借り出来れば良いんです。あとは自分達で手を加えるので」
「作らせなくて良いのか? 大変じゃないか?」

 そこでイオリは満面の笑みで言った。

「だって、用意された物だけを使うんじゃつまらないじゃないですか! 自分で手を加えるから楽しいんです!」
「おぉぉ。そうか……」

 イオリの勢いに気圧けおされたヴァルトに、ゼンが近づきささやいた。

『こんな顔をする時のイオリは良い物を作るよ』
「美味しい料理を作ってくれた時と一緒だな。ふふふ」

 ヴァルトはゼンをでる。その手をつたい、クロムスがゼンに抱きついた。
 2匹が戯れるのを、母親カーバンクルのルチアが微笑んで見ていた。
 イオリの後ろにいた双子は、いつの間にかテオの隣に移動して、そのすそを引っ張っている。

「ヴァルトのパパ。ボク達もお庭に住んで良いの?」

 スコルが尋ねると、テオはスコルを抱き上げて答えた。

「あぁ、君達はイオリの家族だろう? 家族は一緒にいるものだ。私達もイオリの家族になれたら嬉しい」

 続けてテオはパティの頭を撫でた。

「「ありがとう。ヴァルトのパパ!!」」

 双子のお礼を聞き、テオは嬉しそうな顔をした。

「そうか。敬称もなく、ヴァルトのパパと言われたのは初めてだ。何せ私は公爵であり領主だからな。だがな、双子よ、私はテオだ。テオと呼べ」
「「うん。テオ! ありがとう!」」

 双子が公爵のテオを呼び捨てにすると、その従者のノアはイオリを見た。
 イオリは気まずそうに苦笑する。

「悪気はなくて、むしろしたっている人は呼び捨てなんです。礼儀のようなことは後々教えますので今は許してください」

 ほおいて困った顔をするイオリを見て、ノアは噴き出して笑っていた。
 テオは部屋にいる面々を見渡して言った。

「本日より、イオリをポーレット公爵家の専属冒険者として迎える! 準備もあるので2日後にまた会おう」

 こうしてイオリは、ポーレット領主との初めての会見を終えたのだった。



 2


 イオリ達が公爵邸を出ると、ヴァルトとトゥーレ、そしてマルクルに、今後住むことになるという裏庭へと案内された。
 裏庭にある大きな広場の奥に木々がえている。だが、広場自体には何もなく、土の地面が広がっているだけだった。
 イオリの顔を見るとヴァルトは頷いた。

「ああ、殺風景だろ。ここは花がすぐ枯れるから、庭師は簡単な整備しか出来ないとなげいているよ。まあ、だからこそ俺達家族はここで訓練することもあるんだけどな」
「へー。枯れるって畑と同じ問題ですかね? 硬い土ですもんね」
「そうだ。おーい。ボー!!」

 イオリが土をさわるのを見つつ、ヴァルトは人を呼んだ。
 するとホウキを持った大柄おおがらな男性が近寄ってきた。

「はい。ぼっちゃん。お友達ですかい?」
「あ、いや。坊ちゃんって呼ぶのはやめろって言ってるのに」
「オイにとっては、ヴァルト坊ちゃんは坊ちゃんです」

 坊ちゃん扱いされるヴァルトを見て、双子が肩を震わせて笑いをこらえている。
 それに気づいて顔を赤くしたヴァルトは、そうそうに紹介を始めた。

「彼は庭師のボーだ。ボー、こちらは今回、公爵家専属の冒険者になったイオリだ。父上の許可を得て庭に住むことになった。よろしく頼む」
「お庭にですかい……? 承知いたしました。庭の管理をしております、ボーです。お見知りおきを」
「はじめまして。イオリです。こっちは、従魔のゼンに双子のスコルとパティです。こちらこそよろしくお願いします。俺達、魔法のテントを持ってまして、設置させていただきたいんです。焚き火などもしますので、ボーさんの邪魔じゃまにならない場所はありますか?」

 うんうんと頷いたあと、ボーは微笑んだ。

「なるほど、魔法のテント! また珍しい物をお持ちで。はいはい、焚き火もするのでしたらまきや枝が必要になりましょう? 集めるのに良い場所があります。ご案内しましょう」


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