上 下
3 / 472
1巻

1-2

しおりを挟む
 そうして時間が経つと、庵の目の症状が落ち着いてきた。
 庵が恐々こわごわと目を開けると、さっきまで見えていた景色が嘘だったかのように、クリアに見ることが出来た。
 神様を見ると笑顔で頷く。

魔眼まがんです。銃を持ってください。スコープの役割もしますし鑑定スキルも付けました。便利ですよ?」
「これならライフルも使えそうです。ありがとうございます」

 子狼を見ると、嬉しそうにシッポを振って庵の周りを飛び跳ねている。

「さぁ、次ですよ。身体強化、視力向上、魔力最大、精神安定、共通言語……。あとはえーと……」

 それから、訳が分からないうちに、神様から沢山の付与を与えられ、庵は固まっていることしか出来なかった。
 神様はそれで満足すると、今度は子狼を手招きする。子狼は不思議そうにテトテトと近づいていく。

「お前も相沢さんと一緒に向こうの世界に行くんですよ。そのためにお前も相沢さんを守れるようにしなくては」
「キャン! キャン!」
「お前には……。フェンリルになってもらうよ。向こうの世界では神獣しんじゅうと呼ばれているからね。山神に愛されたお前にピッタリだ」

 神様が子狼の頭を撫でると、子狼は光った。
 すると、大きな狼くらいになった。

「うわぁー」

 驚く庵に神様は振り向き、なぜかガッツポーズを決めた。

「向こうの世界でフェンリルは希少きしょうです。戦闘力も高く、感知能力もあります。きっと貴方の役に立つでしょう。さぁ、この子に名前を付けて」

 庵がフェンリルになった子狼に恐る恐る近づく。
 子狼は大きくなった体を庵に擦りつけ、サファイアブルーの目で催促してくる。

「本当にお前なんだね……。いきなり大きくなるから驚いたよ。今日はずっと驚きっぱなしだよ。ん? 名前だよね。シロとかポチとか……嫌かい? フフフ。そうだな……。〝ゼン〟はどうだい? 山神様のお山の名前から取ったんだ。あのお山は〝白禅山はくぜんざん〟。だから、お前の名前はゼンにしよう」

 庵がそう言うと、フェンリルと光の線で繋がる。
 光が結ばれると、すぐに消えた。

『ゼン! ボク。ゼン! 嬉しい。イオリ好きー!』

 ゼンと名付けたフェンリルは、飛び跳ねながら庵に抱きつく。

「話せるの? どういうこと?」
『イオリと話せるー! スゴイねー』
「それはね。2人が従魔じゅうま契約をしたからですよ」

 神様は悪戯いたずらが成功したように、嬉しそうに笑った。呆気あっけに取られる庵は、フフフと笑う神様に視線を向けた。
 神様が口を開く。

「人の言葉が分かる神獣や幻獣げんじゅうなどもいます。この子はまだ子供ですので、契約という名のきずなを結んだ相手としか話せません。成長したら、他の人とも話せるようになります。大きさだってもっと大きくなります。目立ち過ぎて困りますから、成長すると自由に大小の変化が出来るようにしましょう」

 庵とゼンは顔を見合わせ、ニコニコ笑った。

「これからよろしくね、ゼン」
『これからはイオリと一緒?』
「そうだよ。一緒だよ」
『嬉しい! イオリ! ボク嬉しい!』

 パンッ!!
 神様が手を打って2人を注目させる。

「それでは、向こうの世界についてです。人間だけでなく獣人じゅうじん、エルフ、ドワーフ、魔族などの種族がいます。それから2人に行ってもらうのは〝アースガイル〟という国です。政治体制は王政をとっていて、この国の現国王は聖王せいおうとも賢王けんおうとも言われている出来た人物です。人間は、獣人などを差別しがちですが、この国はこれを禁止しています。ただ合法的な奴隷どれいがいます。これは雇用形態の一種で、虐待ぎゃくたいなどは厳罰げんばつに処されます。賢王は国民に愛され、相沢さんも生きやすい国だと思います。もちろん完璧とは言えません。貴族の中には悪い考えを持つ者もいますし、近くには、軍事力に物を言わせる国もあります」

 またもや、庵を置いて神様は説明していくので、庵は慌てて口を挟んだ。

「最初から街などに行かなければいけませんか? 初めは山など人のいない所で、新しい体を馴染ませる訓練をしながらゼンと2人で暮らしたいのですが」
「ふむ……。でしたら、まずは〝ポーレット〟という街の外にある〝けない魔の森〟と言われる魔獣が生息する森に送りましょう。普通の人は来ません。冒険者も高ランクしか来られない所です。訓練するにはピッタリです」

 ニコニコした神様に、庵もニコニコしながらも冷や汗をかく。

「その場所、ヤバくないですか? 高ランクって……」
「大丈夫です。そのために強化したんで! それでは最終確認です! 向こうの世界に行くと相沢さんは13歳になっています。武器は2丁拳銃とスナイパーライフル。弾は創造魔法で作れ、装填そうてんまでしてくれます。それ以外に使えません。右目はスコープになり、鑑定も出来ます。バックパックは腰バッグに改良し、空間・時間魔法を付与してます。中に色々と改良した物を入れてますので、あちらに行ったら鑑定してみてください」

 神様はゼンの頭を撫でた。

「この子はフェンリルになりました。戦闘力が高いですし、風魔法と水魔法が得意です。成長すればもっと大きくなります」

 そして一息つき、さらに続ける。

「訓練が終わったらポーレットに行くといいでしょう。ここの領主は良き人で、街も良い街です。以上です!」
「……。何から何までありがとうございました。2人で頑張ってみます。あの……」

 庵はそう言うと、天国の扉を見た。
 神様が庵の考えを察して言う。

「ご両親とご祖父母に会わせることは出来ませんが、伝言があれば……」
「ありがとうございます。親には、元気でやっていると。祖父母には、2人のおかげで生きていけていると伝えてください」
うけたまわりました」
「それと! 山神様にも、よろしくお伝えください。この子に〝ぜん〟の1字をいただきましたと」
「承りました」
「では、行きます」
「はい。では、こちらへ」

 庵は神様に導かれながら、綺麗な模様が彫り込まれた石の扉の前に立った。
 神様が最後に言う。

「私の名前はリュオンです。街に行ったら教会を訪ねてください。そこでまたお会いしましょう。相沢さん、どうかお気をつけて自由に楽しんでくださいね」
「ありがとうございました。ゼン、行こうか。リュオン様、いってきます」
「うん! 行こう」

 リュオンが開けた扉の向こうから光が輝く。その光の中に庵とゼンは吸い込まれていった……。


「行きましたか。さて……」

 リュオンは扉を閉めると、天国の扉に手をかけた。



 第2章 始まり

 3


 さわさわと風が頬を撫でる。頭にある柔らかい枕が目覚めを誘う。
 イオリは深く息を吸い、手を上げ、伸びをしながら起き上がった。
 白い毛がスリスリと腰にすり寄ってきた。

『イオリ! 起きた?』
「うん。ここが〝明けない魔の森〟かぁ。ゼンも大丈夫? まずは安全な場所に行こう。荷物の確認したいし、生活する所を探さないとだね」

 相沢庵――イオリはゼンを撫でながら自分達のいる場所を見渡した。
 前の世界の山とは確実に違うと感じる。
 でも、どことなく知っている植物もある気がする。

『あっちから、神様の匂いがするよ! こっちだよ』

 ゼンは鼻先を押し当ててイオリを後ろから押す。

「リュオン様が行き先を教えてくれてるのかな? 何から何までありがたい。にしても、ゼン。また大きくなった?」
『違うよ。イオリが小さくなったんだよ。大きいイオリも好きだけど、小さいイオリも可愛いーねー』

 歩きながら手や足を見ると、確かに小さくなっている。

「リュオン様が言ってたね。もう13歳になってるんだね。あっ。腰バッグもある」

 イオリは腰バッグを撫でた。


 2人で自分達の変化を言い合いながら歩くと、いつの間にか大きな泉に出た。
 泉の中央に岩山があって階段のようになっている。
 その岩の上の方に洞穴ほらあながあった。

『ここ! ここ! 神様! リュオン様の匂いがするよ』

 ゼンがイオリを見上げ、嬉しそうに飛び跳ねる。
 イオリは引き寄せられるように泉に近づいた。
 泉を覗き込むと、幼くなった自分と目が合った。
 知っている黒い髪、知らない青い右目と薄い縦傷。ただし、目も傷痕もよく見なければ分からない。
 先ほどまで夢見心地だったのが、一気に現実だと理解する。両目がジンと熱くなった。


『イオリと一緒! 目! 一緒!』

 一緒に泉を覗き込んでいたゼンが嬉しそうに尻尾を振った。無邪気なゼンに救われた気持ちになったイオリは目を細める。

「そうだね。一緒だね。初めてゼンに会った時から綺麗な目だと思っていたから嬉しいよ」

 もう一度泉を覗き込む。
 あまりにも水が綺麗で、深さも確認出来る。

「多分、リュオン様は、匂いであの向こうの島に行けって示しているんだろうけど、どうしたらいいんだろう……泳ぐ?」

 水鏡越しにゼンと話しながら、水面を軽く触った時だった。なんの音もせずに、島までの泉が割れたのだ。
 2人が歩けるくらいの道が出来た。
 驚いた2人は思わず飛び上がってしまった。

「行っていいのかな?」
『いいみたい。あっちの方からリュオン様の匂いするもん』

 戸惑うイオリが見下ろす。ゼンは前脚で水があった場所をツンツンとしていた。


 2人で頷き合って泉の道を歩きだす。
 割れた水の道は2人が歩いてもそのままだった。泉の小島に足を踏み入れて後ろを振り向く。すると、音もせずに道は元に戻っていった。

「凄いな。リュオン様、凄過ぎる……」
『このお水……魔物は入れないみたい。リュオン様の力を感じるー』

 どうやら島を囲んだ泉が聖域せいいきになっていて、2人を守ってくれているようだった。
 改めてリュオン様に感謝しながらイオリは祈った。心なしか心が温かくなった気がした。
 岩山の洞穴を覗き込む。そうして安全を確認してから、イオリは腰を下ろし、腰バッグの中をチェックすることにした。
 テント、ランタン、お金……と色々と出てくる。鑑定を試みる。

「鑑定ってどうするんだろう? リュオン様はイメージって言ってたな。イメージ……イメージ……イメージ……」

 テントを見てみると、右目を通じて文字が浮かんできた。


 魔法テント: 魔道具。イオリ専用。イオリが認めた人しか入れない。
  盗まれてもイオリの腰バッグに戻る。湿度・温度を快適に保つ。
  隠密おんみつスキル、シールドスキル。


「これがテントだって? 設置してみよう」

 洞穴の中に広げてみる。元々持っていたAフレーム型テントだった。慣れた手つきで素早く設置してから、入り口をめくってみた。


「はっ? ……はぁ!?」

 1人用テントの中には、とんでもなく広い空間が広がっていた。

「ありえない……」

 何度も外と中を確認する。
 外から見ると、ソロ用テントで1人が寝られて荷物が入ればいいくらいでしかない。
 しかし、中はモンゴルのゲルのようになっていて、円形で天井が高く、硬い床の上には毛足の長いラグマットが敷かれている。
 奥には3段ほど高いフロアにダブルマットレスベッドが置かれて、枕の上にライトがかかっていた。手前には茶卓があり、その周りにはクッションが散らばっていて、壁沿いには小さいキッチンシンクがあった。
 イオリは履いていたブーツを脱ぐと、腰バッグから布を引っ張り出してゼンの足を拭いてやった。
 ゼンはテントの中をチェックするように匂いを嗅ぐ。それで安全と分かったのか、尻尾をブンブン振ってイオリを見てきた。
 イオリはフカフカのラグを確かめるように踏みしめ、右目で鑑定した。


 ラグマット: 元々は、庵のレジャーシート。最高級のミンクを素材に使用。
  フワフワモコモコ、この上で寝ても良い。
 茶卓: 元々は、庵のキャンプ用ローテーブル。軽量で折り畳み可能。
 マットレスベッド: 元々は、庵のコット。ダブルサイズに変更。腰に優しい。
 布団: 元々は、庵のシュラフ。れない寒くない。快適。
 キッチン: 元々は、庵のキャンプ用棚。シンクのみ簡易キッチン。水も出る。
 クッション: サービス。モフモフ。


「凄過ぎる。リュオン様、気合い入れ過ぎてる……」

 イオリはクッションの間に座り、残りを調べようとカラビナが付いた水筒すいとうを手に取った。


 水筒: 元々は、庵の水筒。いつでも白禅山の湧水わきみずが飲める。料理にも最適。
  無限に出る。


 振ってみてもなんの音もしない。首を傾げながらフタを開けると、チャプッと音がする。
 試しに飲んでみると、

「冷たい! 美味うまい!」

 ゴクゴク飲むイオリを見て、ゼンも近づいてきて催促する。

「ちょっと待って! バックパックの中の物全部ということはあるはず……あった!」

 イオリは木の浅皿を出して水筒を傾け、水で満たした。水の入った浅皿を茶卓に置いて、ゼンに勧めると勢いよく飲みだした。
 ゼンは満足そうに喜ぶ。

『お山の水だー! 美味おいしー!』

 引き続いて腰バッグをあさるイオリ。


 鍋: 元々は、庵のコッヘル。耐久性に優れている。
 コンロ: 元々は、庵のバーナー。五徳ごとく付き魔道具に改良。
  魔石が埋め込まれていて燃料切れがない。


「火の心配はないのかな……。よし」


 チェア: 元々は、庵のキャンプチェア。軽量は変わらないが、木と布で作り直した。


 イオリはチェアを入り口の脇に置いた。
 その後も腰バッグを漁っていると、少量の食器類、少量の食べ物、着替えやタオルなど生活に必要な物が出てきた。共通点と言えば、リュオンの加護と盗難防止が付与されていたことだ。
 残りは、武器とお金である。
 まずイオリはお金の入っている腕輪を茶卓に置いた。

「……? これが財布さいふなのかな?」


 硬貨: この世界のお金。単位はない。日本円に直すと次の通り。所持数も記載。
  硬貨そのものだと不便なため腕輪で管理。腕輪は庵の腕時計。
  電子マネーです。ピッです。

  銅貨:100円 × 5000枚
  銀貨:1万円 × 5000枚
  金貨:10万円 × 5000枚

  大きいお金はここぞってところで使ってくださいね。


「金貨だけで……5億っ。……いやいやいやいや!! 何、この量……。電子マネーって……。俺、前の世界でも使ったことないよ。村で必要ないもん。いや、5億……。忘れよう……。ここぞの時ってあるし、当分使わないし。忘れよう」

 イオリは腕輪を腰バッグに入れ、頭を振って気持ちを切り替えた。それから、銃とナイフを持って立ち上がった。
 イオリは椅子に座りブーツを履く。それからゼンに声をかけた。

「ゼン。武器を試しに行くけど、一緒に行かないか?」
『行く! ボクも体動かしたい!』


 △ △ △


 2人で外に出るとまだ明るい。石の階段を下りて体を伸ばす。
 初めにスナイパーライフルを手にし、構えてみた。

「イメージ……。イメージ……」

 拡大スコープをイメージすると、右目から出る二重の青い輪が照準を合わせてくれる。仕組みをなんとなく理解したイオリは、泉の向こうにある木の実を狙う。
 輪の中心にT字のレティクルが出てきた。転移前は裸眼で猟銃を使っていたため感心する。

「便利なもんだな。ゼン、なんとかなりそうだよ」

 もう一度ライフルを構えて、木の実を狙い通常の弾をイメージして引き金を引く。
 ドンッ!!
 音とともに木の実がくだけた。

『イオリすごーい!』
「使えるね。でも木の実じゃ威力が強過ぎるね。色々試さないと」

 次は、と拳銃を出す。

「これは、転移前は使ったことがないんだよな。どう練習しようかな。とりあえず試すしかないか……。ゼン向こうに行ってみようか?」
『うん。ダメならここに逃げてこよう。リュオン様が守ってくれるよ』
「なるほどね。ゼンは悪い気配とか感知出来るんだよね。心強いよ」
『まかせて!』


 2人は泉に近づき、水に触れる。泉が割れて出来た道を渡った。
 しばらく歩き、先ほど撃った木の実を確認して威力を見る。

「うん。当分は通常弾で練習しよう。ゼンも好きに走っておいで。まだ、どんな所か分からないから気をつけてね」
『はーい』

 ゼンは土の感触を試しながら走りだした。少し様子を見ると、ゼンは木を簡単に倒している。イオリは驚いた。

「……俺も頑張ろう」

 2丁拳銃も試してみた。

「撃ち終わったら弾は消えるのか……」

 何度撃っても、撃ち込んだ弾痕に弾がないことが分かった。また転移前より体が軽い。若返っただけではない何かがある。
 そこでふと気づく。
 目の端に動くモノがあった。
 鑑定してみると〝一角兎いっかくうさぎ〟と出た。イオリに気づき逃げようとしている。
 瞬時にイオリが飛び、一角兎を捕まえた。ジタバタしている一角兎を離すと、草むらに逃げていった。

「身体能力が上がってる? あぁ……。なんか沢山、能力付けてくれてたな」

 自分の体と能力を確認していると、ゼンが戻ってきた。

『イオリ! これ食べていい?』

 ゼンが持ってきた果実っぽい物を鑑定する。〝りんご〟と出た。

「これ、食べられるよ。りんごだって。持っていこう。もう少しこの辺を探索しながら帰ろうか」

 泉に帰る道すがら、落ちている枝を拾う。そしてナイフで余計な葉を切り、ゼンに持ってもらった。
 石を何個か腰バッグに入れ、枯葉を拾う。


 テントに戻ってくる。
 洞穴の外の広い所に石を囲み、枝と枯葉を並べた。そうしてから魔道具のコンロで火をつけ、焚き火を作った。
 水を浅皿に入れ、りんごをナイフで切る。
 ゼンに差し出すと嬉しそうに食べた。

甘酸あまずっぱくて美味しいよ!』

 その後、この日は泉の周りを探索した。
 転移前でも見知った植物があり、使えると分かると採取した。
 ご飯はリュオン様が用意してくれた物を食べた。だが、明日からは自分で用意しなければいけない。
 イオリは持ち帰った青くしげった枝をつるで縛って、柵を作った。そうして洞穴に埋め込む。

「よし、これで外から見えないよな。なんとかやっていけるかな」

 ここから1週間、第一異世界人に会うまで、イオリとゼンは魔の森の行動範囲を広げ、一角兎をはじめ小動物を獲物として追いかけては、体を鍛えるのだった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします

吉野屋
ファンタジー
 竜人国の皇太子の番として預言者に予言され妃になるため城に入った人間のシロアナだが、皇太子は人間の番と言う事実が受け入れられず、超塩対応だった。シロアナはそれならば人間の国へ帰りたいと思っていたが、イラつく皇太子の不手際のせいであっさり死んでしまった(人は竜人に比べてとても脆い存在)。  魂に傷を負った娘は、エルフの娘に生まれ変わる。  次の身体の父親はエルフの最高位の大魔術師を退き、妻が命と引き換えに生んだ娘と森で暮らす事を選んだ男だった。 【完結したお話を現在改稿中です。改稿しだい順次お話しをUPして行きます】  

【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?

との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」 結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。 夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、 えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。 どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに? ーーーーーー 完結、予約投稿済みです。 R15は、今回も念の為

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」

サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。