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束の間のポーレット
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解体の汚れを落とすために魔の森近くの小川に飛び込むパティに子供達が続き川遊びを始めた。
「あーあ。これから魔の森なのにビショビショに大丈夫か?」
ニコライが心配そうに呟いた。
「まぁ、乾かせば良いんで大丈夫ですよ。
ゼン!」
『はーい。任せて!
みんなー乾かすよ!!』
「「「「はーい!!」」」」
子供達が川から上がってくるとゼンはすぐに風魔法で乾かし始めた。
「相変わらず便利だな。」
感心するニコライにイオリはカモミールティーを渡した。
いつの間にかヒューゴが焚火を作り周りに椅子を並べていた。
ポーレット公爵テオルドと妻・オルガは既にゆっくりと野原でのお茶の時間を楽しみ、サブマス・エルノールを相手に談笑している。
「たまには、自然の中でのお茶会も良いわね。」
「そうだな。こんな時間を持つ事が幸せとはな。」
そんな夫婦をヒューゴは微笑みながら見つめた。
サクサクサク サクサクサク
その後ろではヴァルトがクッキーを1人で貪っていた。
「あー!ヴァルト狡い!!
そんな食べ方しちゃダメ!!」
食いしん坊同族のパティが指を差し、ヴァルトに飛びかかった。
「私もー!」
「僕も!」
「ナギも!」
「ニナも!」
雛鳥の様に口を開ける子供達に笑いながらクッキーを次々と食べさせるヴァルトだった。
イオリはパティが解体したブラックパンサーの肉を腰バックに仕舞い込み、残りの部位をフランとエドガーに頼んだ。
「それでは言われた通り、冒険者ギルドで買い取ってもらった後にお金は教会に寄付しますね。」
「お願いします。
そんなに大金ではないので、心苦しいですが。」
「そんな事はない。
お前の気持ちはエドバルド殿に伝わっているよ。」
3人が小川で手を洗うとゼンが飛んできて乾燥魔法をかけてくれる。
イオリは振り返ると思い思いに過ごす大好きな人達を見つめた。
ヴァルトと出会い、この世界で生きていける道筋がついた。
ニコライに認められ、テオルドから庇護を受けた。
元の世界で、ついぞ1人だった自分では考えられないほど賑やかになった環境に心がポカポカしてくる。
『どうしたの?何だか、嬉しそうだよ。』
ゼンが見上げながらも擦り付いてきた。
「幸せだなーって思ってたんだ。
前の世界ではじいちゃん達が死んでから1人だった。
集落の人達は気にしてくれたし、見守ってくれてたけど・・・1人だったんだ。
今の俺はゼンがいるし、家族がいる。
ゼン。
この世界に来れて俺は幸せだよ。
俺を見つけてくれて有難う。」
『・・・本当?幸せ?』
ゼンは惚けるようにイオリを見つめた。
「うん。幸せだよ。
山の亀裂に落ちてくれて感謝してる。」
クスクス笑うイオリにゼンは恥ずかしそうに頭を押し付けた。
『イオリが幸せになってくれて良かった。
僕は嬉しいよ!
嬉しい!嬉しい!嬉しい!』
ゼンはピョンピョンとイオリの周りを跳ねた。
「さぁ、帰ろうか。
俺達の最初の家に・・・。」
『うん。帰ろう!』
イオリとゼンは焚き火で休む家族のもとに歩き出した。
「あーあ。これから魔の森なのにビショビショに大丈夫か?」
ニコライが心配そうに呟いた。
「まぁ、乾かせば良いんで大丈夫ですよ。
ゼン!」
『はーい。任せて!
みんなー乾かすよ!!』
「「「「はーい!!」」」」
子供達が川から上がってくるとゼンはすぐに風魔法で乾かし始めた。
「相変わらず便利だな。」
感心するニコライにイオリはカモミールティーを渡した。
いつの間にかヒューゴが焚火を作り周りに椅子を並べていた。
ポーレット公爵テオルドと妻・オルガは既にゆっくりと野原でのお茶の時間を楽しみ、サブマス・エルノールを相手に談笑している。
「たまには、自然の中でのお茶会も良いわね。」
「そうだな。こんな時間を持つ事が幸せとはな。」
そんな夫婦をヒューゴは微笑みながら見つめた。
サクサクサク サクサクサク
その後ろではヴァルトがクッキーを1人で貪っていた。
「あー!ヴァルト狡い!!
そんな食べ方しちゃダメ!!」
食いしん坊同族のパティが指を差し、ヴァルトに飛びかかった。
「私もー!」
「僕も!」
「ナギも!」
「ニナも!」
雛鳥の様に口を開ける子供達に笑いながらクッキーを次々と食べさせるヴァルトだった。
イオリはパティが解体したブラックパンサーの肉を腰バックに仕舞い込み、残りの部位をフランとエドガーに頼んだ。
「それでは言われた通り、冒険者ギルドで買い取ってもらった後にお金は教会に寄付しますね。」
「お願いします。
そんなに大金ではないので、心苦しいですが。」
「そんな事はない。
お前の気持ちはエドバルド殿に伝わっているよ。」
3人が小川で手を洗うとゼンが飛んできて乾燥魔法をかけてくれる。
イオリは振り返ると思い思いに過ごす大好きな人達を見つめた。
ヴァルトと出会い、この世界で生きていける道筋がついた。
ニコライに認められ、テオルドから庇護を受けた。
元の世界で、ついぞ1人だった自分では考えられないほど賑やかになった環境に心がポカポカしてくる。
『どうしたの?何だか、嬉しそうだよ。』
ゼンが見上げながらも擦り付いてきた。
「幸せだなーって思ってたんだ。
前の世界ではじいちゃん達が死んでから1人だった。
集落の人達は気にしてくれたし、見守ってくれてたけど・・・1人だったんだ。
今の俺はゼンがいるし、家族がいる。
ゼン。
この世界に来れて俺は幸せだよ。
俺を見つけてくれて有難う。」
『・・・本当?幸せ?』
ゼンは惚けるようにイオリを見つめた。
「うん。幸せだよ。
山の亀裂に落ちてくれて感謝してる。」
クスクス笑うイオリにゼンは恥ずかしそうに頭を押し付けた。
『イオリが幸せになってくれて良かった。
僕は嬉しいよ!
嬉しい!嬉しい!嬉しい!』
ゼンはピョンピョンとイオリの周りを跳ねた。
「さぁ、帰ろうか。
俺達の最初の家に・・・。」
『うん。帰ろう!』
イオリとゼンは焚き火で休む家族のもとに歩き出した。
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