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帰還 ー王都ー
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離宮・シグマに帰ってきたポーレット公爵テオルドの動きは早かった。
「明朝には王都を立ち、ポーレットへ帰る。
各々、準備を進めろ。
他の貴族共に悟られるでないぞ?
一々面倒だからな。」
使用人やメイドは慌ただしく準備を進め、執事ハミルトンの指示の下、迅速に馬車に荷物が積み込まれた。
一緒に王都までやってきたポーレット侯爵家騎士団も団長アイザックの指揮で陣形の見直しを急いでいた。
イオリ達は基本荷物の収納に困る事がない為に、絵本や図書館作りといった計画を詰る為に第2王子ディビットや、その婚約者であるココ・クラークそして、グラトニー商会の会頭ロス・グラトニーと会っていた。
「そうですか・・・
ポーレットにお帰りになる。
もっとお話がしたかった。残念です。」
「俺もです。
絵本や図書館の計画も全て丸投げにしてしまって心苦しく思います。」
ロス・グラトニーは微笑むと首を振った。
「お任せください。
ディビット殿下やココ様と気長に作り上げてみせますよ。
それに、ホワイトキャビンのバートの悲劇に比べると大した事はありません。」
バートの悲劇とは?イオリは首を捻った。
「なんですか?何かありました??」
「ふふふ。夜会で出された“琥珀糖”の問い合わせが止まらないんだそうです。
王都に詰めている貴族達が目にしたものですからね。
噂はすぐに広まります。
他にも砂糖を使ったお菓子が安価で買えるとあって、王都だけでなく各地からも要望があるそうです。」
ロスがニヤニヤして話すとイオリは顔を引き攣らせた。
「ポーレットのお菓子は美味しいですもの。
令嬢達だけでなく、貴族夫人や庶民からも人気なんですよ?
先日、友人に琥珀糖を食べたと言ったら羨ましがられました。」
続けてココが惚けるように言うとディビットも頷いた。
「確か、王城の侍女やメイドの中でも噂になっていたはずだ。
イオリが持ち込んだ“食べられる宝石”は手に入らない幻のお菓子とか?」
「まずい・・・やばい気がする・・・
バートさんには琥珀糖の作り方を教えていないんです!」
青ざめるイオリにロスが訳知り顔で頷いた。
「えぇ、だからバートはポーレットで大慌てだそうです。
王都にも連絡が来ましたが、イオリさんがミズガルドにお立ちになってしまったので間に合いませんでした。」
「これは大変だ・・・。帰ったら謝らないと・・・。
直接、魔の森に行こうと思ったけど一度ポーレットに帰らないとダメだな。
みんなゴメン。」
一連の話を聞いていた子供達はゲラゲラと笑い、ヒューゴは呆れた顔で小刻みに頷いていた。
「絵本の話はポーレットのエルノール神父とも連絡を取り合っています。
王都の教会も全面的に協力してくれているのでご心配なく。」
ココは柔かに資料を叩いた。
「それなら、これらも足してもらえますか?
俺の知っている話で、子供達が好きな題材なんです。」
イオリは知っている御伽噺をまとめた紙をココに渡した。
「イオリさんの故郷のお話ですね?
興味深いです。使わせていただきます。
ココはイオリから受け取るとパラパラと紙をめくり微笑んでいた。
「父上からも今回の計画は了承して貰っている。
子供の教育は宝を磨くのと同じだと仰っていたよ。」
ディビットの話にロスは喜ぶと絵本の内容はココや子供達に任せ、販売のルートや図書館の建設について話し始めた。
「明朝には王都を立ち、ポーレットへ帰る。
各々、準備を進めろ。
他の貴族共に悟られるでないぞ?
一々面倒だからな。」
使用人やメイドは慌ただしく準備を進め、執事ハミルトンの指示の下、迅速に馬車に荷物が積み込まれた。
一緒に王都までやってきたポーレット侯爵家騎士団も団長アイザックの指揮で陣形の見直しを急いでいた。
イオリ達は基本荷物の収納に困る事がない為に、絵本や図書館作りといった計画を詰る為に第2王子ディビットや、その婚約者であるココ・クラークそして、グラトニー商会の会頭ロス・グラトニーと会っていた。
「そうですか・・・
ポーレットにお帰りになる。
もっとお話がしたかった。残念です。」
「俺もです。
絵本や図書館の計画も全て丸投げにしてしまって心苦しく思います。」
ロス・グラトニーは微笑むと首を振った。
「お任せください。
ディビット殿下やココ様と気長に作り上げてみせますよ。
それに、ホワイトキャビンのバートの悲劇に比べると大した事はありません。」
バートの悲劇とは?イオリは首を捻った。
「なんですか?何かありました??」
「ふふふ。夜会で出された“琥珀糖”の問い合わせが止まらないんだそうです。
王都に詰めている貴族達が目にしたものですからね。
噂はすぐに広まります。
他にも砂糖を使ったお菓子が安価で買えるとあって、王都だけでなく各地からも要望があるそうです。」
ロスがニヤニヤして話すとイオリは顔を引き攣らせた。
「ポーレットのお菓子は美味しいですもの。
令嬢達だけでなく、貴族夫人や庶民からも人気なんですよ?
先日、友人に琥珀糖を食べたと言ったら羨ましがられました。」
続けてココが惚けるように言うとディビットも頷いた。
「確か、王城の侍女やメイドの中でも噂になっていたはずだ。
イオリが持ち込んだ“食べられる宝石”は手に入らない幻のお菓子とか?」
「まずい・・・やばい気がする・・・
バートさんには琥珀糖の作り方を教えていないんです!」
青ざめるイオリにロスが訳知り顔で頷いた。
「えぇ、だからバートはポーレットで大慌てだそうです。
王都にも連絡が来ましたが、イオリさんがミズガルドにお立ちになってしまったので間に合いませんでした。」
「これは大変だ・・・。帰ったら謝らないと・・・。
直接、魔の森に行こうと思ったけど一度ポーレットに帰らないとダメだな。
みんなゴメン。」
一連の話を聞いていた子供達はゲラゲラと笑い、ヒューゴは呆れた顔で小刻みに頷いていた。
「絵本の話はポーレットのエルノール神父とも連絡を取り合っています。
王都の教会も全面的に協力してくれているのでご心配なく。」
ココは柔かに資料を叩いた。
「それなら、これらも足してもらえますか?
俺の知っている話で、子供達が好きな題材なんです。」
イオリは知っている御伽噺をまとめた紙をココに渡した。
「イオリさんの故郷のお話ですね?
興味深いです。使わせていただきます。
ココはイオリから受け取るとパラパラと紙をめくり微笑んでいた。
「父上からも今回の計画は了承して貰っている。
子供の教育は宝を磨くのと同じだと仰っていたよ。」
ディビットの話にロスは喜ぶと絵本の内容はココや子供達に任せ、販売のルートや図書館の建設について話し始めた。
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